表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「完」特技の私スキルは魔除けなの  作者: さしみのつま
24/32

( 24 )働き者の秘書

スザンヌの店「優秀な呪術師の居る相談室」。客あしらいの上手い秘書は宣伝も忘れない。



「これは、うちの先生が入魂した御守りでございます。お持ちになりませんか。始めてのお客様には、無料でお渡ししています。願いを1つだけですが、叶えてくれますから。お試し下さい。」



願いを?誰しも心に叶えたい事を持っている。やってみて叶わなかったら、それだけ。無害なら、やってみても良い。



「ありがとうございました。また、お越しくださいませ。」



丁寧な応対で見送りする秘書。スザンヌは、感心して声をかけた。



「ロリーさん、お疲れ様です。その礼儀は、何処で覚えたんですか?私なんか、下町育ちで何も知らなくて。あなた、お姫様みたいに見えます!」


「お姫様だなんて、褒めすぎです。私は、メイドをしていた事があるだけですの。」


「そうなんですか。じゃ、戸締りして帰りましょう。仕事が無くて、ごめんなさい。もっと、予約がとれるように頑張ります。私!」


「はい、ほどほどに頑張って下さい。私は、ゴメスさんのお手伝いしてますから心配なさらないで。」



ロリーは、ゴメスの会社の仕事をメインにして手伝ってくれてるのだ。スザンヌは、品があって貴族の礼儀作法に詳しい彼女に働いて欲しいと思っていた。


それには、稼ぎが必要。アルバイトに行かなくては。ダンジョンでしょう、やっぱり。



「では、お先に失礼します。」



片付けをしたロリーは、店を出て行く。バックの中には、お客様に渡している御守りが入っていた。それは、ゴメスから預っているものだ。


その正体は、「願いを叶えるおまじない」では無く「魔法の護符」であった。持って帰る事によって、その家に巣を作り情報を流すのだ。



(これが、貴族の情報収集に役立つと言われてのだから配るのが私の役目。私が私の家を再建する為にも頑張らなくては!)



宰相であった父親が、見覚えの無い罪を着せられて流刑された。家と財産は没収、一家は離散という突き落とされたよな生活を味わう。


その時に救いの手を差し伸べてくれたのは、ゴメスだ。おかげで、兄は他国のゴメスの会社の所長にまでなり家族を支えている。



(あの方は、約束して下さった。私が働けば爵位を取り戻して兄を当主にすると!)



ロリーは、自分の命を失っても叶えたい夢を描いていた。没落した家の再興。亡くなった父親の汚名を晴らすまでは、やり抜くつもりだ。







部下にスザンヌの店を偵察に行かせたゴメスは、店の出だしとしては良いようなので満足そうだ。そして、リストアップしておいた貴族名簿を取り出す。


「さて、どこから話をつけて行こうか。これが、いいかな。」


あらかじめ、調査しておいた「お金と暇の余っている貴族」達。そして、迷信だろーと魔法や呪術の不思議な話が大好きな好奇心の強い者達。いい客になる。


「かっての英雄と称えられた王様は、家臣から武勲を奪う代わりに一族の繁栄を約束したのに。もう、忘れられている。」


押し付けられたとはいえ、王の代わりに戦いを挑んだ影の英雄の末裔。ジュリアン・エバンス公爵。スザンヌの元婚約者であった。


ゴメスは、机の引き出しからジュリアンの調査ファイルを取り出す。そして、嬉しそうに笑う。


「私からすると、いい資質を持っているんだが。このまま、終わらせるには惜しい。」


何とかして、その遺伝子を残したいのだけど。さあ、スザンヌは?





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ