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プロローグ
あなたは吸血鬼の存在を信じますか―――?
俺は信じない。
科学技術が発達するこの時代、オカルトなんてもってのほかだ。
そういう胡散臭い話は、昔から好きじゃなかった。
必ず俺は、こう言う。
――じゃあお前はそれを見たことがあるのか
答えは決まってNo。
見たことが無いクセに、よく『いる』だなんて断言できるものだ、と呆れて物が言えなくなる。
超常現象、なんてものは、この世には無い。
科学がオカルトを証明する。
それは科学がオカルトを否定している、とも受け取れてしまうが。
だからこそ、無いと断言できるのだ。
そんなわけで俺は信じない、信じたくない、もし見たとしても、信じられない。
俺はまだ、知らなかった。
後日、生まれて初めて、神という、空想の産物にすがりつくであろうことを――・・・・