21「新たなる心境」
運動会も終わり、季節は、梅雨に入りそうな毎日、曇りが続いている。
置き傘を、生徒に6年間貸し出され、これは「学校の備品である」ため物を大切に扱う、という道徳も含まれている。もちろん、椅子机、黒板、みんな、学校の備品であり、学校の所有物なのだ。教室も、次の一年生に、使ってもらう役目があるからである。
それも、「道徳の一環」と、受け止める直美。
宿題にはかんじドリル・けいさんドリルが、出され、国語の時間には、ミニテストが、行われる。
かんじドリルの中から、10問、先生が問題を出し、隣同士で交換し、答え合わせ、正しくても、文字
が、答えの文字に見えなかったら、✖になり、6点合格。
間違えた字を、10回ずつ練習するという、宿題が加えられていた。漢字が、使えること、読めるように
なることが、うれしくて、必死になっていた。
一年生は、朝顔を、育てていた、植木鉢に、土を入れ、5月に種まきをした。芽が出て育つのが、大勢
の生徒は、初めての経験になり、楽しみにしていた。二年生は、同じ、植木鉢で、ひまわりを育てる
三年生は、へちまを、育てる予定になっている。日直当番は、クラスの植木鉢に水を、あげる仕事も含めている。
6月
プール開きが、各学年ごとに開かれる、そして、体育の授業は、プールになる。準備体操、バタ足、潜ってタイル拾い、水中じゃんけんなど、一年生らしいプール内容だ。
しかし、直美にとって、潜ることもまだできないでいる、顔を付けるのが精いっぱいで、ほぼ、全員が
潜れるのである、そして、最初のテスト
『ふし浮き』浮くこと。息を止めて10秒で、赤ボタンになる。直美は、合格し、赤ボタンになった。
数回失敗し、やっとの思いで赤ボタンになったが、・・・・もうすでに、クラスメイトは、赤線1本、2本になっていた。心の中は、葛藤であふれかえっていた。
はじめは、水泳帽子は、白色。
赤線1本・・・7.5メートル
2本・・・15メートル
3本・・・25メートル という、条件。
帰宅後、母に、体育の時間のプールの出来事を話した。
直美:「みんなね、ほとんど、赤線になってる。早く合格したいよ、息継ぎができなくて、それができるようになれば、合格できるはず」
返事は・・・・・・
母:「自分も泳げないんだから、自分で考えなさい」
(ぇ、そんなことしか言えんの、泣きたかった、悔しくて・・・・・興味ないのね、私に。)
とても、悲しくて、切なくて何とも言えぬ思いと共に、この心が蓄積されていく、はじまりにすぎないのであった。居場所がない、この家庭に。6歳にして、そんな気持ちなのである。
心のあちらこちらに ひびが入りどんどん広がり傷は深くなる。直美自身も無意識に我慢する。意見は呑み込むことを続けなければならない。
唯一「学校の時間」で癒されるほどに実感することになる。




