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水晶の舞  作者: 藤猫
【第1章】名もなき原石は何を語る
1/8

始まりを告げるは猫の声

不意に聞こえた猫の声。

本来、ここには居ないはずの

黒猫は全てを知っているとも

言いたげな顔で私に告げる。


…そこで気づくべきだった。


『普通の猫は人間のように喋らない』と。


でも、尊敬する先生が。…大好きな先生が。

私の目の前で川に落ちようとしている。

そんな状況の中で

【先生を助ける方法教えてあげる?】なんて。

言われてしまったら。


例えそれが絶対に会いたくないと思っていた

《彼ら》と再会する原因となったとしても。


後に大きな決断をしなくちゃいけないのだとしても。


私はきっと結果を知っていても

同じ事をしただろう。


私の大事な先生を助けられるのなら。


だから私は彼に手を伸ばし叫ぶ。

「お願い…!先生を助けて…!!」


言いながら川に落下していく私達。

水の感触を感じながら最後に見たのは。

【分かった。契約成立だよ。】と

いつの間にか同い年くらいの男の子になった黒猫…

スズが微笑んでいる光景だった。

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