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Fortune-teller  作者: marimo
18.夏の経験
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夏の経験3

「友達の紹介でひと夏だけの恋だったな。恋でもないかもしれないけど」

「相手の子がかわいそうじゃないかな?」

「俺のほうがかわいそうだ。デートに誘って断られて、あんなやつと」

「ごめんなさい」

「悪い。言わない約束だったな」神宮寺が謝ってくれたけれど、

「あれから、あいつから連絡は?」と聞かれて、連絡があっても呼び出しがあっても断ったと教えたら、

「それでいいさ。あいつは適当に遊んでおしまいだってさ。お前以外にもいくらでもいたらしい」

「実態は知ってるよ。何度か見かけたから」

「だったら、あまり深入りするなよ」

「分かってる。調子がいいだけの軽い男だって分かってるし」

「ふーん、そう言えば、何か、武道やってるのか?」

「さあ、聞くのを忘れてた」

「あいかわらずだなあ」

「そこまで興味ないから。あいつの占い師としての力量は知りたいし、参考にしたいだけだから」

「お前って、意外とそう言うところはちゃっかりしてるな」

「お姉ちゃんには負ける」

「結婚相手って見つかりそうか?」

「無理、みたいだね」

「料理や家事を覚えるところからしたほうがいいかもな」

「お母さんと同じことを言う」

「女性らしい雰囲気が出てくるかもしれないだろ。男は母親と同じような女性と結婚したがるって、親戚の人が言ってた」

「うっそだー」

「俺も良く知らない。ただ、俺も母親のような優しい料理上手な女性のほうが好み」

「へえ、そうなんだ? 意外」

「学園祭が終わったら付き合えよ」と言われてむせた。

「考えとく」

「そうしろ。あいつだけはやめておけよ。絶対に」

「言われなくても、そうする。ちょっと苦手だからね。見下すタイプのお友達と付き合ってるのが良く分からなくて」

「ふーん、あいつ、何考えてるんだろうな」と神宮寺が言ったので、やっぱりこっちが普通の感覚なんだろうなと改めて思った。


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