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Fortune-teller  作者: marimo
18.夏の経験
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夏の経験1

「はあ」

「何度目だよ」神宮寺と一緒に映画を見た後に、食事していた。

「だって、疲れちゃったからね」

「映画で気分転換できただろ」

「途中の内容が」と思わず言ってしまった。

「占い内容と一緒にするなよ。でも、何で、真珠にまで頼るんだろうな」と神宮寺が呆れていた。

 私がお店にいる日に来てくれた子は何人かいる。親が離婚しそうだと言っていた子は、結局、母親が家を出て行ってしまい、今は家事を自分でしないといけないとぼやいていた。

 「姉が結婚するけれど、相手が怪しい人だから占って」と言われた子は、「相手を調べたほうが早い」と言ったら、「調べるのは悪いかと思って」と言い出して、結局、占ったら、結婚は延期したほうがいいだろうとアドバイスしたら、後で、女性関係が発覚したらしい。

 でも、一番困ったのは、神宮寺のクラスの子が連れてきた子で、男性問題で悩んでいるという相談だった。詳しく聞いてみると、相手が誠実じゃないとか、話を聞いてくれないとか、煮え切らない態度ではっきりしないとぼやいていたけれど、

「内緒にしてることがあるよね」と聞いたら、二人が顔を見合わせていて、相談者の子がお腹を思わず見ていて、

「子ども?」と聞いてしまった。カードに出ていたからだ。

「え、何で分かるの?」と聞かれたけれど、黙っていたら、二人がひそひそと話した後に、仕方なさそうに事情をポツリポツリと話し始めた。街で出会った男性の家に何度も遊びに行き、そういう関係になってしまい、子供ができてしまい、

「だから、どうしようか、迷って」と言われて、考えてしまった。本当のことを言うべきだろうか、それとも……と考えていたら、家の奥で待っていた怜奈ちゃんがやってきて、

「あら、何だ、来てたんだ?」と、知り合いらしく相手の子に明るく声をかけていたけれど、様子に気づいて、

「ごめん」と奥に戻ろうとしていて、

「いいの、怜奈ちゃんも聞いて」とその子が言い出して驚いた。結局、相手の男性は逃げるだろう。子供のことはよく相談したほうがいいだろうとしか言えなかった。二人は浮かない顔をして帰って行った。神宮寺はその子の噂を知っていて、私のところに来たことも噂になっていたらしく聞かれてしまい、最初は黙っていたけれど、私の様子で気づかれてしまった。

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