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Fortune-teller  作者: marimo
16.相談の数々
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相談の数々1

 神宮寺には何度か電話を掛けたけれど、出てくれなかった。怜奈ちゃんに相談したら、しばらくほっとくように言われたけれど、お店に遊びに来たクラスメイトから、神宮寺が女の子と何度も目撃されていたようで、

「取られちゃうよ」と軽く言われたけれど、仲直りできないまま終わっちゃうのが心配だった。


「全滅」怜奈ちゃんがお店に来ていきなりぼやいた。

「何が全滅?」と聞いてみた。聞かなくても分かってるけれど、

「誘われて、これはと思った人、全滅。全然、駄目」

「そう。残念だね」

「占って、どこに出会いが落ちてるか」

「落ちてないでしょ。でも、やれと言うやら、やるけど。半額ね」

「はいはい、友達割引ね」と言って占ってあげた。今の状況、問題点をいくつか挙げて、

「むずかしいね。しばらくは同じようなことを繰り返す」と言ったところで、東条さんが言っていたことと同じだなと思った。あいつの占いは当っているのかもしれない。

「そうだね、時間が掛かるよ。出会いの数は多いと思う。ただね、怜奈ちゃんが満足するようなものはないね」

「そうなの?」

「自分をもっと磨いたらって、怜奈ちゃんには必要ないかも。多分、譲るところは譲ったほうがいいのかもしれない」

「なによ、それ?」

「妥協できるところは妥協してみるってこと」

「嫌。絶対に嫌」と言ったので、そうだろうなと思った。

「真珠だって分かってるでしょ。私が妥協できない性格だって」

「そうだけどね。怜奈ちゃんは達観してるところもあるけれど、納得できないことは怒るものね。結論としては、しばらく無理ってことで」

「えー、もっと明るい未来がほしい。占いって、そういう結論じゃないと駄目だよ」と怒られてしまった。

「ごめん」

「真珠の占いって、そうだものね。それで当たることが多いからね」

「どういう意味?」

「当たり障りのない結論に変えたりしないし、結構、ズバッと言うからねえ。後でそういう意味だったんだと気づくし」

「え、そう?」

「言われたくないことを言われると認めたくないから、相手を怒るものだからね。当たり障りのないほうが苦情は少ないかもね」

「それほどは言われてないよ。それに怜奈ちゃんには本当のことを言ったほうがいいから、教えたけれど、言わない人もいるよ。相手が怒り出しそうな雰囲気のときはさすがにオブラートに包むって」

「そうだよね。確かにそれはあるよね。人に言われたくないことって多い。高津なんて、それの連続。『あなただけには言われたくないわ』って、やりあってるものね」高津とデートまでした子がクラスに二人いる。その二人とは良く言い合っている。

「高津って、あれだけみんなに注意を受けても、どうして言っちゃうんだろう」

「だから、流してるからでしょ。人の忠告なんて聞かない人なんていくらでもいるじゃない」と軽く言われて、そうだけどなあと考えながら、

「それより、神宮寺はいいの?」と聞かれた。


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