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分からない男6
食事を奢ってくれるというので、仕方なく一緒に食べていた。
「何か魂胆があるの?」
「ないよ。女性には優しいからね」
「嘘ばっかり。あなたの場合は隠しているだけでしょ」
「男も女もお互いを理解しあえないだろうな、一生ね」
「え?」
「だからこそ、そばにいたくなる」
「意味不明」
「分かってしまったら面白くないし、そこで終わりだろ。楽しくないし」
「次から次へと行くわけだ」と呆れたら、
「お前の場合は付き合ってから言えと言ってるだろ。学校の友達に聞いているだけでは難しいぞ。実際に振り回されてみろよ。大変だぞ」
「今、この瞬間も大変だけど。あなたに振り回されて」
「ここまで親切にしてやってるのに」
「してやってる? 上から目線だね。もっと下げてよ」
「子ども相手にはこれぐらいでちょうどいい」
「何が育てているよ。愛情もなしに好奇心だけで育てたってうまくいかないでしょ」
「はいはい、かわいい、かわいい」と言ったのでにらんだ。
「そういう顔をするな。真珠ちゃん」
「気安く呼ばないで」
「俺のことも『尚毅』でいいぞ。そろそろね。『東条さん』って言われるのも悪くないけどな」
「じゃあ、カロン」
「そっちかよ。犬みたいだ」と笑っていた。




