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Fortune-teller  作者: marimo
15.分からない男
67/266

分からない男5

「女の子が嫌いって言うタイプと男が嫌いってタイプが分かれるのと同じだよ。自分にとって、どうなのかが重要。女の子が嫌いって言うのは、自分の敵になりそうなタイプが多いからな」

「敵?」

「そう振り回しそうなわがままな子も嫌がられるけれど、それは男も同じだけど、女の子だけ嫌われる要素があるからな。男の前だけ態度を変えるとか、抜け駆けしそうとか、そういうこと」

「それはなんとなく分かるけど」

「たださあ、その統計も当てにならないだろうって、女たちが言ってた」

「え、なんで?」

「テレビ局の場合は街角アンケートとかするだろ。それだと積極的な子が気軽にやりたがる。消極的なタイプは逃げたりするから、意見が偏るだろうし」

「え、どういう意味なの?」

「積極的な女性が嫌うタイプは、消極的な女性とは違ってくると思うからね。例えば、積極的な人の場合はおとなしい子やはっきりしない子が苦手って人も多い。消極的な子だと、ずうずうしい人、わがままな人が苦手と言うだろうし」

「ああ、そういうことね。統計をまんべんなく取っていたら偏らないけど、取り方によって違いが出てきてしまうってことね」

「そういうこと」

「そう言われるとそうかもしれない。学校で『あの子、駄目』とクラスメイトのことを駄目だししている子達がいるけれど、割と積極的だし、はっきり口に出す子だから。でも、口に出さない子が苦手と思っているのが、その子達なんだよね」

「だから、自分と似たような人は許せるけれど、『このタイプは苦手』って言うのが一緒だとグループになりやすいだけだろ。男子に聞いたとしても、おとなしいやつらに聞けば、きっと、『清楚で優しく文句を言わない人、ずうずうしくない人』とか並べそうだ」

「積極的な男子だと違ってくるの?」

「俺はそういうので合わせられるから、そこまでこだわらないな。ただ、かわいい子の方がいいけど」

「高津と同じだ」

「誰だよ、それ?」

「『かわいい子以外は女じゃない』って、言い切ったことがあるらしくて。クラスの女子から反感を買ってた。ただ、本人に抗議しても軽く流しておしまい、どこか憎めないところがあって、振られてばかりいるから、それでそこまで言われてないけどね」

「得な性格だな。俺も同じだけど」

「はいはい、自慢はいいから」

「お前だけ、俺をちゃんと評価しないな。今まで何人かいたけれどな。小学生に駄目だしされたときは逃げたけれどな」

「小学生を彼女に仕立てようとしたの?」

「まさか。占いが当る小学生として有名だったから、会ってみただけ。でも、駄目だった。自信満々でこの俺に難癖つけてたから。面白くなくて、育てたいとさえ思えなくてさ」

「見境ないね」

「育てるのも楽しいぞ」と笑っていて何も言いたくもなかった。

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