表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Fortune-teller  作者: marimo
14.厳しい世界
59/266

厳しい世界3

 尋ねたところは小さい事務所で、働いている人が2人だけだった。電話と小さなデスクが置いてあるだけ。後は古い書類ケースが並んでいるだけだった。

「君、誰?」と事務所に人に言われて、「大部屋俳優さんに社会見学でお話を聞きたい」とお願いした。

「ふーん、そう言えば、そういうの、頼まれていた気もするな」と言っていた。そのうち、人が来て、事務所の人に仕事の話をして、その人に頼んでくれるようにお願いした。

「俺、有名俳優とか知らないよ」と言われて、体よく逃げられてしまった。何人か頼んで、そのうち、派手な化粧の女性が来た。女性は初めてだったけれど、何とか頼もうと思ったら、すぐにOKが出た。

 近くの喫茶店で話を聞いた。ケーキも頼んでいいか聞かれて、仕方なくうなずいた。その人の話は長かった。名前は聞いたことのある俳優さんとの共演の自慢話から始まり、映画監督にほめられた話などをしていたけれど、何とか誘導して、テレビ業界の話を聞いてみた。

「時代劇も現代劇もそれなりに出るけどさあ、でも、実態なんて、色々あるわよ。ここでは言えないようなことも多いしね」

「いえ、言える範囲でお願いします」

「そうねえ」と色々と教えてくれた。役柄がどうやって決まっていくのか。プロダクションの大きさも関係があるとか、有名俳優の子供などのコネもあるとか、番組の責任者に気に入られるといいとか、スポンサーも大事とか、主役級の役者の引き立られて出られることもある。けれど、その反対に主演クラスの人に嫌われると色々と困るとか、犬猿の仲も当然あって、女優同士が目も合わさないとか、通りすがりに嫌味を言い合っていたと言う話になって、さすがに、

「怖いですね」と言ってしまった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ