表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Fortune-teller  作者: marimo
9.必要な場所
37/266

必要な場所4

「元? 今じゃないの?」

「お前の母親と同じだよ。後腐れはないよ、彼女のほうは」

「母親?」

「親父に聞いてみた。『藍子らんこ』なんて名前は珍しいから覚えているだろうと思ったら、反応があった。多分、昔の彼女だな。お前の母親の態度はそう見えた」

「えー、ないよ。母の好みと逆だよ」

「好み?」

「父は優しくて野心家じゃないもの」

「親父は野心家と言われたらそうかもしれないけど、態度は洗練されていると思うけど」

「そう? テレビで見たときは、そう見えたけど」

「母親の解説つきでだろ。そうすれば色眼鏡で見るに決まってる。学校の先生を見下している生徒の親も先生を信頼してないことが多いからね」

「そうだっけ?」

「それと同じだよ。だから、親父と直接話してから意見を言えよ。自分の意見をね」

「そう言われても」

「自分の目で見て確かめてから言えってこと。第一印象だけで決めるな。話してみたら性格が違うことなんていくらでもあるからな。ただ、そのままの人も多いけど」

「あなたの友達とは話してみたいと思えない」

「口に出すなと言っただろ。あいつらに根にもたれるとやっかいだ」

「そういう相手とどうして付き合えるのかが不思議」

「そうか。お互い似たような価値観だと違和感はなくなるだろ」

「あなたも同じなんだ?」と聞いたら黙った。

「女性に対しても、それほど好きになったことがないのかもしれないね」

「知ったような口を利くな。恋愛初心者」

「そのことは言わないで。何度も怜奈ちゃんに怒られた。人の恋愛を占っている場合じゃないって」

「あの先生のところにいても、そういう方面では占えないぞ。あそこの顧客は年配が多いから。お前は別のところに行けよ」

「別のところ?」と聞いた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ