必要な場所3
送ってもらいながら、
「私は参加しなくても良さそうに見える」
「お前にも占ってもらう必要が出てくるかもな。公開占いもしたいって言う話が出てるぐらいだし」
「え、人前では絶対に無理」
「なんで?」
「アガリ症だし、集中力が途切れると占えないの」
「ふーん、誰がいても占いができるぐらいにしておけよ」
「無理。日によって違うから。占えない日があるぐらいだし」
「それじゃあ、無理だろ。プロになれそうもないな。素人止まりだな」
「そう言われても」と横を向いた。
「女性だと気分で差がある人も中にはいるけどな。親父の秘書みたいなことをしてる善波さんがそうだから」
「善波さん?」
「美人だけどきつい性格だ。うちの金庫番だから親父も頭が上がらないぐらい。俺もどちらかと言うと苦手」
「苦手な女性なんていないと思った」
「隠してるだけ。それが分かるとお客も嫌がるだろうから」
「そう」
「それより意見を言えよ」
「言いづらいよ。みんな年上だからね」
「お客さんはお前より年上も来るだろうから、慣れろよ」
「じゃあ、お守りを作ったら」
「お守り?」
「あなたの店でも売っていたじゃない。あれを学園祭で売るの」
「そんなものを買う人がいるものなのか?」
「学園祭限定バージョンを売るの」
「売れないと思うけど」
「じゃあ、おまけ付き」
「なんだよ、それ」
「パワーストーンとかそういうものを10個あるうちの一個に入れておく。当たった人はラッキーと思うだろうし」
「それだけでは満足しないと思うけど」
「じゃあ、更に当たりくじを入れたら」
「当たりくじってなんだよ?」
「当たり券を入れておくの、品物は、そうだな、何か商品を」
「そんな予算はなさそうだぞ」
「だったら、あなたに占ってもらえるっていうのは?」
「ふーん、なるほどな。それなら売れるかもしれないな」
「と、適当に言ってみただけ。責任持てないからね」
「お前の場合は呆れるな」
「前にそういうのを学園祭で売りたいって言い出した女の子がいたの。でも、先生に反対された。ギャンブル要素が強いものは困るって」
「先生が言いそうな言葉だな」
「だから、それを思い出して言ってみただけ。ただ、そのときは外れくじは飴玉と交換だったから」
「お守りは?」
「お守りは売ってないよ。ただ、あなたの店でストラップとかパワーストーンとか売ってたから、そういうのを売ってみたらどうかと思っただけ。個数を限定したらそれなりに売れるかもしれないし」
「個数限定ね。そのほうが売れ残る可能性は低くなるかもな。清水が喜びそうだ」
「清水?」
「実行委員長。ひょっとしてお前、紹介したのに名前と顔が一致してないとか言うなよ」
「ごめん、すぐ逃げるつもりだったから」
「お前、完全に舐めてるだろ」
「違う、あなたと係わり合いになりたくないからね。原西さんは覚えたよ」
「お前にやたらと話しかけたのが佐藤。それから、美人がいただろ、彼女が浅木さん」
「あなたの本命?」
「ああ、いい勘してるな。隠してもバレそうだから言っておいたほうがいいか。元カノだよ」と言われて驚いた。




