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Fortune-teller  作者: marimo
7.勘違い
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勘違い1

「また、振られたんだよ」と、クラスメイトの高津が目の前に座った。

「またあ?」そばにいた連中がいっせいに笑った。高津は女の子にだまされてばかりいる。男子は女の子の表面しか見てない人も多いから、見た目だけで選んでは、貢がされて終わったり、二股掛けられたり、化粧が上手だったのに目が大きいと勘違いして、すっぴんを見てから冷めたり、ということが多く、それでぼやいている人も多かった。

「かっこいいと言われた」「目が合った」「ほめられた」と言った男子が、全部、「俺に気があるようだ」と言うたびに、

「ないない」と女子に笑われている。それぐらい勘違いしやすい人も多い。私も目が合っただけで相手が勘違いする目つきで見たり、態度をされたりしたことは何度かあった。ただ、いちいち相手にしていられなくてほっといた。怜奈ちゃんは何度誤解されているか分からないぐらいあるらしく、噂はいくつか流れていた。でも、怜奈ちゃんは、

「ありえないから」と言っていた。相手がかわいいとそれだけ誤解される率が高くなるところが不思議だ。

「男子って単純だからねえ。また、同じ理由でしょ」とみんなが呆れていた。デートコースを決めていない、途中で無神経な言葉を言った、ペース配分を考えず歩き続けて疲れさせた。と言うのが主な理由だった。

「神経つなげるほうを先にしなさい」クラスの女子に説教されていて、

「気をつけてるよ」高津がぼやいていたけど、

「つながってるように見えるか?」そばで男子が言い合っていた。確かに高津は無神経と言われてもしょうがないくらい、変なことを平気で言う。「指、太いな」「太ったんじゃないの?」「髪型、前のほうがいい」と言っては、「それを口に出す必要はないでしょ」クラスで仕切ってる女子にかなり怒られていた。かわいい子以外は女じゃないぐらいのことを平気で言う。

「占ってくれ」高津が頼んできたけど。

「ごめん、無理」と断った。これで何度目か。気前はいいので映画のチケットをくれたり、イベントのチケットをくれたりして、それはそれでいいけど、

「ごめん。占いはしばらくできない」

「え、なんで?」と聞かれて、

「みんなも断ってるぐらいだから、ごめん」頭を下げた。東条さんの言うとおり、中途半端だから、占いをできる心境じゃなかった。気軽に友達に占うのも、今は抵抗があった。

「なんだよ、いいじゃないか」とぼやいていたけど、

「ごめん」と謝った。

「無理だって。何度注意したって、それで終わりじゃない。高津が反省して学習したのは見たことないよ。都合が悪いと流すくせに」女の子が怒っていた。前に高津と付き合っていたらしいとは聞いていたけど、高津とは良く喧嘩している女の子がぼやいていた。

「お前の振られた記録、塗り替えておかないとな」と後ろの席に行って、紙にバツ印をつけていた。数字を書き入れて、

「今度も日数が少ない」とみんなが笑った。

「悪趣味だよ」クラスでもしっかり者の女の子が怒っていたけど、みんなはそういうところで気にしない人も多い。遊びやいたずらが多いから、それで、そこまで気にしていないようだ。男子は落ち着きがないし、女子はおしゃべり好きが多くて、にぎやかなクラスだった。一部の女子を除いて、割と仲がいい。

「ほっとこう」怜奈ちゃんがそばに座った。高津は怜奈ちゃんにもデートを誘っていたけど、今は諦めたみたいだ。怜奈ちゃんの好みじゃないらしい。

「男子って、何で、何度も同じことを繰り返すのかしらね」そばにいた女子が言い合っていて、私はぼんやり考えていた。

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