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アイドル歌手と苦労が絶えない高校生マネージャー  作者: ともP
♠ 2.5次元アイドル
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022. ママと呼ばせたい人気漫画家(5)

優里がデビューするまでのタイムリミットはあと2週間弱。それを考えるとあまり悠長にはしてられない。

 Music RoomにMusic Videoを公開し、後にそれをパラレルシンガーとしてデビューする初配信で披露するというプロデュースは個人的には悪くないと思う。

 

 プロデュースの方法に正解はない。誰しもが売れるかどうかの瀬戸際で試行錯誤を繰り返しているのだから……。

 ただ、問題は時間だ。今回は試行錯誤を繰り返す余地はなく。Music Roomに投稿するにあたって、ある程度のクオリティが求められてしまう。


「なんだ……、そんなこと迷ってたのね。それなら早く私に相談しなさいよ」


 南條こよりは笑いながらそう言ってくる。本日、彼女はLive2Dの修正作業を終わらせ、後は問題なくモーションキャプチャーできれば、晴れてLive2Dは完成となる。


「いや、流石に南條さんにそこまでの負荷はかけられないと思って……」

「馬鹿ね。仕事っていうのは割り振るものでしょ。他人のことを思い過ぎて自分で解決しようと思うといつかパンクしてしまうわよ」

「た、確かに……」

「Music Videoだったら私に任せてちょうだい」

「えっ、いいんですか?」

「えぇ、元々Live2Dのサンプルモデルも用意してあるし、Live2Dのモーション作成も一通り終わっているから、後は背景画像を用意して、音楽を流すだけよ。配信に向けた宣伝にもなるし、引き受けるわ」

「ありがとうございます」

「それで、いつまでに作り終えればいいのかしら?」

「そうですね……、出来れば今週中。遅くとも初配信の5日前にはお願いします」

「了解。任せときなさい」


☆・ ゚*。・★・ ゚*。・☆・ ゚*。・★・ ゚*。・☆・ ゚*。・★・゚*。・☆


 それから、僕は天宮さんに連絡して、楽曲の進捗状況を確認する。すると、既に完成間近とのことで僕は胸を撫で下ろした。これで残るは初配信後のお披露目だけだ。

 優里は隣のソファーで『夢見る少女に花束を』のインストを聞きながら、指で机を叩きながらリズムを取っている。まだ、曲は最後のCメロが抜けているが……、それ以外は既に完成している。

 

 本格的にスタジオで練習するのも間近に迫ってきている。

 そして、僕はまたひとつ完全に失念していたタスクを思い出して頭を悩ませていた。本番当日のセットリストを未だに決めていなかったのだ。


(参ったな……、オリジナルの楽曲に拘り過ぎていて考える余裕がなかった)


 僕が悩んでいるのを察したのか、優里はこちらに向かって話しかけてくる。


「どうかしたの?」

「いや、ちょっと……、当日のセトリを何も決めてなかったなって思って……」


 当日、新曲だけを披露しますってのも芸がない。新曲は最後に持っていき、最初はこの前のライブでも歌ったアニメの主題歌『彗星の約束』を再び披露する予定で入る。

 その間の繋ぎをどんな曲にするか……、それが目下の問題である。


「優里はどういうセットリストがいいと思う?」

「うーん、そうだなぁ……。やっぱり、私が今までカバーしてきた曲から選ぶのが無難じゃないかな?」

「確かに……、そうなるとカバー曲を4曲くらい歌う予定にしておこうか」

「うん、それで大丈夫だと思う」

「よし、それじゃあ、その方向でいこう」


 流れはざっくりと頭の中で思い浮かべた。それを文字に起こして段取りを組む必要がある。

 初配信の流れってどういうもんなんだろうな……。僕は片っ端から配信者の初配信を2倍速で漁りながら、参考になりそうなものを探していく。


 冒頭の挨拶から始まり、自己紹介、趣味の話、好きな食べ物、歌、ゲーム、雑談などなど……。

 とりあえず、初配信は1時間程度で終わるのがベストみたいだな。長すぎるとリスナーも配信者側も疲れるしな……。


「歌うカバー曲って私が決めてもいいんだよね?」

「もちろんだよ。優里の曲だし、優里が一番歌いたい曲を歌って欲しい」


 優里が歌いたいといった曲は『ロストワンの号哭』、『自分REST@RT』、『空色デイズ』、『地球最後の告白を』の4曲である。

 これでセトリは決まったようなものだ。


「それじゃあ、早速だけど……、1時間程度で収まるように初配信の内容を考えよう」

「分かった!」


 それから、僕らは配信で何を話せばいいのかを考える。優里と2人で話し合い、なんとか形になった。


・まず、最初に自己紹介する。

・軽く今後の活動方針を宣伝する。

・ライブ開始(計6曲)

・オリジナル曲の宣伝を行う。

・最後に今後の予定を話して、締める。


 こんな感じで初配信の構成は完成した。僕は早速、考えた構成を南條さんに送って添削してもらう。南條さんは特に異論もないようで、すぐにOKが出た。

 ただし、こんな注文を付けられた。


「これだけは絶対に忘れないで欲しいんだけど……、”ママ”の紹介は絶対に忘れないように!っていうのを優里ちゃんに念押ししておいてね。それと、優里ちゃんの自己紹介は一枚で分かりやすく簡潔に伝わりやすい内容にするように心掛けてた方がいいわね。そういうテンプレートがあるし……、なんなら私がテンプレートを作ってもいいわよ?」

「いや、MVも作ってるんですから……、流石にオーバーワークですって……」

「まあ、それもそうね。テンプレートのURLだけ送っておくわ。参考にしてね」

「ありがとうございます!」


 こうして、初配信のセトリ、自己紹介、カバー曲の順番が決まった。

 残りは……、楽曲の完成と配信に向けた下準備、そしてMusic Roomへの動画投稿である。


(思った以上にやること沢山あるな……)

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