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続きを書く為に初めから読み返して砂糖を吐き、続きを書いて砂糖を吐き…皆さんよく平気ですね?()
光陰矢の如し。伊織の完璧宣言から早くも1ヵ月が経過した。
1ヵ月も経てば伊織の体力も劇的に改善されて多少の筋肉も付いたのかカーテシーも以前よりも格段に上達させることが出来、その間も着々と城下では建国記念祭の準備が進んでいた。伊織のお披露目の舞踏会もこの建国記念祭初日に盛大に行われる。
今年で建国2000年という節目でもあり、城での建国記念の舞踏会が盛大に行われる事が城下にも広がり、今年の城下での建国記念祭は過去最大規模になっていた。具体的に言えば、例年なら3日間の祭が今年は7日間行われるらしい。
帝都に宅邸を持つ地方貴族や地方豪商など、早い者は既に帝都に来て準備をしている。他にも普段は各地に拠点を置く高位の冒険者も帝都を目指していた。
季節はすっかり夏になり、運動していてもすぐに汗が出てくるくらいだ。それでも日本よりかははるかに過ごしやすく、日が落ちれば涼しい。
ヴィルフリートに意思表明した次の日からもともと決まっていた礼儀作法とダンスの教師にシャルロッテが付き、それに伴い今まで殆どの時間を自由に過ごしていた伊織も体力・筋力アップトレーニングに加え、礼儀作法のレッスンにダンスレッスン、一般常識の勉強に魔法訓練と世界情勢、特産品などの勉強と毎日目まぐるしい日々を過ごしている。
日中はヴィルフリートと接する時間も以前より減り、今は毎日欠かさず相手役を務めてくれるダンスレッスンの時と、ヴィルフリートの手が空いた時に不定期に行われる伊織の体力トレーニングの指導の時くらいになった。
その分同じ時間を過ごす時はヴィルフリートが人目を憚らず伊織を甘やかしている為、有名である。知らないのは本人達と、よっぽどのモグりくらいなものだ。
この1ヵ月で体力・筋力のトレーニングとダンスレッスンのお陰か伊織の体躯は引き締まり、以前よりも一層女性らしく、また年齢もあまり下に見られることがなくなった。伊織のオリエンタルな、可憐さと美しさを併せ持つ容貌はさらに磨かれたと言える。
今現在の伊織はというと…
「…もう無理…死ぬ…」
ヴィルフリートのスパルタに耐え兼ね、地面に転がっていた。
「イオリ。まだあと2周残っておるぞ。」
「……無理……もう28周も走ってるんだよ…?しかもこんな錘まで持って……。」
先程倒れ込んだ際に投げ捨てた鉄アレイのような錘に八つ当たりしつつヴィルフリートに文句を言う。ヴィルフリートのトレーニングは頻度は4日に1回ほどだが、内容は過酷の一言に尽きる。内容が普段のトレーニングの1.5倍に負荷まで付く為、毎回限界挑戦のようになる。
極限まで体を痛めつける運動に、毎回その日は泥のように眠ることになった。ちなみに一度も全てのトレーニング内容をクリアしたことはない。
「…まあ良い。大分体力も付いたようだな。」
もうピクリとも動きたくないほど力が抜けきって汗と土にまみれた体をヴィルフリートが汚れるのも厭わず抱き起す。始めは汚れると拒否もしていたのだが、何度言っても止めないどころか聞いてもらえない為伊織も今ではされるがままになっている。
ヴィルフリートが壁際に設置された椅子に座り、伊織の汗と土で汚れた頬や首を濡れたタオルで丁寧に拭う。相変わらず騎士のような恰好でトレーニングをしているので露出は少なく、拭く部分も少ない。
こうした2人の様子はすでに見慣れた光景になっており、騎士の間では見て見ぬふりをするとの暗黙の了解が出来ていたりする。露骨に見ているとヴィルフリートの訓練の対象にされるので、よっぽどの事がない限り視線を向けない。某2人組の騎士(1人はとばっちり)が顔を上気させて汗をかいている伊織を見ていたことがヴィルフリートにバレて、地獄のようなノルマを課されていた。
「…のど乾いた…。」
伊織用に用意されたバスケットから飲み物の入った水差しを取ろうと手を伸ばすと、それより先にヴィルフリートが手に取ってグラスに飲み物を注ぎ入れてくれる。受け取った飲み物を一気に飲み干し、一息ついたところでヴィルフリートが伊織を椅子に下して立ち上がった。
「さて、少しは回復したな?」
「…まだへとへとかなー…。」
今日も朝からシャルロッテとの礼儀作法にダンスレッスン、午後からゲルダによる各種勉強に魔法訓練、おやつの時間を挟んでヴィルフリートによるトレーニングとぎっしり詰まったスケジュールを熟して疲れ切っているので、これ以上の運動はもう遠慮したい。
伊織のトレーニングの数倍の内容を、伊織よりも早く終わらせたヴィルフリートは息を切らすどころか平然としているが。
「そう心配せずとも、もう終いだ。じきに食事になる。…その前に汗を流したいとは思わぬか?」
「うん。それはもう…。」
「ならば、部屋に戻らねばな。」
ヴィルフリートから差し出された手を掴んで立ち上がると、控えていた伊織とヴィルフリートの護衛と正式に伊織の侍女になったエリーゼが近くに来た。
エリーゼが椅子に置かれたバスケットを持とうとしたのをヴィルフリートの騎士がやんわりと止めたのを視界の端に捉える。視線を向けるとほんのり色付いた顔ではにかむエリーゼが騎士にお礼を言っていた。
(…いい雰囲気かも…。)
「イオリ、行くぞ。」
「はぁい。」
ヴィルフリートに促されてエリーゼと騎士の様子に後ろ髪をひかれつつ、先に歩き始めたヴィルフリートに追いつく様に小走りで追いかける。ヴィルフリートが持つ時計を覗きこむと時刻は17刻半を差していて、確かに急がなければ夕食の席に遅れてしまうかもしれない。
「ご飯、間に合うかなぁ…。」
「では、共に入るか?」
「…遠慮します。」
腰を抱き寄せられて囁かれた言葉に、そっぽを向いて拒否する。ヴィルフリートの笑う音が聞こえ、ムッとして睨んだ。
「からかうのやめてよ。」
「本気だが?」
「…もう!」
睨んだ伊織の額に軽く口付て、目を細めるヴィルフリートに顔が熱くなる。怒りも拗ねる気持ちも続かずに、ヴィルフリートの手から逃れて早足になると、以前よりも格段に早く部屋に辿り着いた。
伊織の部屋も婚約発表後は客間からヴィルフリートの隣の部屋に移されるため、少しずつ衣装などが運び出されている。婚約とはいうものの外堀はがっちがちに埋まっていた。
「…一緒に、入る?」
エリーゼにより片方だけ開かれた部屋にいち早く入り、羞恥を堪えながら開かれていない方の扉に半分隠れてヴィルフリートに問い掛ける。
「…いや、やめておこう。」
少し前の伊織であれば人前では決して言わないような言葉に、虚を衝かれたヴィルフリートが伊織から顔を逸らして緩く首を振った。
「食事までに離して遣れそうにない。」
踵を返す時に向けられた流し目に含まれた色に、伊織は真っ赤に顔を熟れさせて扉に体を隠す。そのままずるずると寄り掛かったまま崩れ落ちると声もなく悶えた。
「…イオリ様。」
遠慮がちに声を掛けられて顔を上げると、アニエッタが手を差し出して苦笑いしている。差し出された手を掴んで立ち上がり、首を振って浴室に向けて歩く。
「準備は出来ておりますから、食事に間に合うようにお手伝いさせて頂きますわ。」
「ありがと…。」
衣裳部屋の先のカーテンで仕切られた脱衣室で深呼吸して心臓を落ち着かせ、テキパキと伊織の衣裳を脱がせるアニエッタにお礼を告げた。アニエッタは伊織に微笑みかけて、脱がせた衣裳を籠に入れる。
伊織はアニエッタに促されるまま浴室に入り、椅子に座った。
「イオリ様、お待たせいたしました!」
「エリーゼ、遅かったですわね。」
「バスケットを片付ける時に料理長様に捉まってしまいまして…。」
エリーゼが衣裳部屋に入ってきてカーテンの向こうから声を掛け、アニエッタがカーテンを開けながらの問いかけにエリーゼが苦笑いする。どうやら伊織の体調について聞かれた様で、疲労状況などを聞かれたらしい。
「なんて答えたんですの?」
「イオリ様は大変お疲れになっています。ってお答えしましたわ。料理料様は、精の付くものをと張り切っておいででした。」
「お腹すいた…。」
浴室に入ってきたアニエッタが伊織の体を椅子に凭れ掛けさせて髪を解き、お湯を掛けて丁寧な手つきで洗っていく。その間にエリーゼは湯船にオイルを垂らし、浴室には伊織の好きな香りが広がった。
髪が洗われているのと同時進行でスポンジを泡立てたエリーゼが首から順に体も洗っていく。足先まで丁寧に洗われている間に髪が流され、泡が付かないように纏められる。伊織が椅子から起きると背中を洗われ、最後に立つように促されて全身隈なく洗われた。体に残った泡を残さず綺麗に流され、浴槽に入るとアニエッタが飲み物を手渡してくれる。
「ありがとう。」
「まだ少しお時間が御座いますので、ゆっくりお過ごしくださいませ。」
冷たい飲み物でのどを潤して、アニエッタにグラスを返す。暖かいお湯に浸かっていると眠気が勝ってきて瞼が下がってきた。
「イオリ様、もうお出になった方がよろしいですわ。」
見かねたアニエッタに声を掛けられ、眠気に目を擦りながら入浴を終える。欠伸を噛み殺しながらされるがままに水気を拭かれ、ドレスに着替えさせられた。
「イオリ様、マッサージは食後に致しますね。」
「ふぁい。」
「イオリ様、陛下がお迎えに来られました。」
ヴィルフリートが来るまでに準備が間に合った事にホッとしながら、居室に向かう。ヴィルフリートは眠そうな伊織に気が付いたようで、近づいてきて目元を撫でた。
「眠そうですね。イオリ嬢。」
「何とも御座いませんわ。御気遣い有難う御座います。ヴィルフリート様。」
差し出された手に自分の手を重ね、眠気を振り払って微笑む。この1カ月、シャルロッテによる礼儀作法と、朝食時と夕食時に特訓してきたお蔭か大分言葉遣いも板につき、ヴィルフリートの紳士然とした様子にも随分慣れた。
「では、行きましょうか。」
エスコートされて部屋から出て、広い廊下を食堂に向かって進む。
「ついに明日ですね。」
「はい。緊張いたしますわ…。」
というのも、明日伊織の1ヵ月の成果を披露する試験が1日がかりで行われる。それによって残りの1ヵ月間に何を重点的に訓練するかを決めることになる。ちなみに体力トレーニングは続けることになっている。
伊織は言葉遣いと魔力操作が苦手だ。
「私、うまく出来るかしら…。」
モチベーションアップのために皆様どうぞ清き一票を!よろしくお願いします!秋雨でございます!!よろしくお願いします!!!
選挙…ε-(´-`*)




