第42話 大学っぽいやつ!
「なんか、最近みくるからいい匂いがする気がするぅ…なんでぇ?」
「え、そーなの?でもマリーちゃんもいい匂いだよ?」
「確かにちょっと気になってました、なんででしょう…?」
「なんにも気にしてなかったな…」
いつものサークル、調理室で話す。なんでいい匂いなんだろう…?私の匂いってなんの匂い?と聞く。
「全然…何も感じない…強いて言うなら…甘い匂い…?」
「そうですね!甘い匂いがする気がします!」
「カモミールと甘いのが混ざった匂いかなぁ」
ふむふむ…?カモミールと甘い匂いかー…?カモミールの香りがするのは嬉しい。
「じゃあ私はどんな匂いするのぉ?」
みくるがくんくんと匂いを嗅ぐと、くすぐったいよぅとくすくす笑う。
「んー、ローズマリーみたいな匂いがする…気がする!」
「あぁ!確かにそうですね!」
「あっ、マリーは分かる!!」
でもなんで匂いがこんなに…?と考えていると、先生が入ってきた。
「もう居たのね!ごめんなさーい…!!遅れちゃったわ…」
「いやいや!2分前だからセーフだよ!!」
そうそう!と3人がうなずく。優しいわねと先生が微笑む。
先生の優しさに助けられてるのは学生側です…。
先生がパタパタと準備をしながら、そういえばもう1つ謝らなきゃいけないことが…と申し訳なさそうに話し始めた。
「あなたたち文化祭ってなにか出したかったりするのかしら…?」
文化祭!?え!サークルで!?出したい!!!
盛り上がった雰囲気を察して更に申し訳なさそうに続ける。
「実はというか…来月あるんだけど、準備開始がちょっと遅くなっちゃって…食べ物は難しいかもしれないの…。」
私がスケジュール管理してなかったせいで…と落ち込む先生。
本来なら6月頃、遅くても夏休み前に話すはずのことだったけど、他のサークルは率先して話してきたので忘れちゃってたらしい。
しかも、食品を出す申請は1ヶ月前でギリギリ。作業量や、その提出資料の修正があることを考えると、やっぱり食品を扱うのは難しいみたい。
「ここのみんながしっかりしすぎてるから、1年生ってこと忘れちゃってたの…ごめんなさい…」
「大丈夫だよ!食べ物は来年やればいいし!今年はなにか別のことすればいいんでしょ!」
明るく返すみくる、他の3人もそれに同意。本当にいい子達だなと先生が感動する。
「さぁさぁ!文化祭に出すもの決めてこー!!」
今日の活動は文化祭の出し物作りに決まった。
「私たちが出せる、食べ物じゃないものってどんなのがあるんだろ?」
「確かにぃ…大学の文化祭って知らないからわかんないねぇ…」
「先生、食べ物以外はどんなのがあるんですか?」
「そうねぇ、卓球やサッカーのミニゲームとか、サボテンとかの自分たちで育てた観葉植物の販売とかかしら…?」
「え!苗!苗の販売いいじゃん!!」
先生が話した観葉植物の販売から、みくるが苗の販売という光明を見つけ出した。でも、
「待って待ってぇ…!?そんな1日販売できるほど量ないと思うよぉ…!?」
「まあ確かに…今回は自分たちで育てられる分しか撒いてないもんな…」
「春夏の栽培から学んでしまった弊害ですね…」
「それに種類も少ないし…ねぇ…」
あらら、そっか確かに…とみくるが少し落ち込む。
じゃあなにがいいんだろう…?
うーん…と再び悩み始める。
「ハーブの美味しさ…育てやすさ…香り…なにか活かしたいですよね…」
「あ、香りといえば…!」
と、ひのきが何かを思いつく。
「みくる!カモミール出して!」
「はいよー!」
と返事をして、どこからかドライカモミールを取り出した。
あの…そろそろ原理とか知りたい。
…って言うかなんでひのきは使いこなしてるの…!?
「先生、お茶パックと何か布ってありますか?」
「えぇもちろん!ちょっと待っててね」
と、お茶パックと手ぬぐいくらいの布を持ってきてくれる。
お茶パックにドライカモミールを入れて、もう1枚お茶パックを被せる。
そして、上から手ぬぐいを優しくかけてちょっと縛ったら、
「じゃーん!サシェの完成ー!!」
「あ!前にひのきちゃんに作ってあげたやつだ!」
「部屋に戻るとカモミールの香りがすると思ったら…これだったんですね!?」
ひのきがサシェを揉んで、マリーに手渡す。
「これなら食べ物じゃないし、今いっぱいあるドライハーブで作れるし、いいんじゃないかと思って!」
名案だね!!とみんなで拍手して、文化祭の出し物はドライハーブのサシェに決定!
香りもいいし、なんかちょっとオシャレだし、私たちのサークルっぽい!
文化祭の準備が始まった!
「でもサシェなんてよく思いついたねぇ、すごいやぁ」
「いやー、さっき身体から出る香りの話してたでしょ?そのおかげだよ〜」
「身体から出る香り…?面白そうね?」
「そうなんですよ!みくるちゃんとマリーちゃんからハーブみたいな香りがして!なんでだと思いますかー?」
聞かれて、先生がそうねぇ…と悩み始める。
「海外の人からすると、日本人は醤油の匂いがするって言うらしいし、ハーブティー飲んでたら良い香りになったんじゃないかしら?」
それを聞いて2人は確かに…!と思い当たる。
「ハーブティー…飲みすぎてるんだねぇ…」
「ほんとにカモミールの香りなんだ!嬉しー!!」
落ち込むマリーに喜ぶみくる。
「でもなんで私たちはカモミールの匂い感じないんでしょうか…?」
「あ…私の枕元のサシェが犯人かもしれない…」
「鼻がぶっ壊れてるのかぁ…」
「そこまで言う!?」
全ての謎が解けた。
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匂いに慣れて…香りがどんどん分からなくなる…




