番外編78 サラ冒険隊 その8
ゾンビの群れから逃げていたオリーヴ・クロン・サラ・ユナ・ミリー。
彼女達は誤って崖から落ちてしまうが、そこは怪我を癒す力を持つと思われる温泉だった。
彼女達を追っていたゾンビの群れも温泉に落ちるが……
いったい何が起きているの!?
温泉から放たれた光はすぐに収まりました。
しかし、突然の事だったので、私オリーヴは目を閉じるのが遅れました。
目が眩んでしまってよく見えません。
カミラお母様がいたら怒られるわね。
戦場で視力を失う、即ち落命を意味します。
己の未熟さを反省します。
「温泉の中に人影が見えるぞ」
クロンさんの声です。私より早く視力が回復したみたいです。
確かに人の気配を感じます。
間もなく、私の視力も回復します。
これは?どうしたのかしら?
温泉の中には大勢の人が立っています。
先程まで私達を追い掛けていたゾンビではありません。
「……人?」
ユナさんが首を傾げ呟きます。
気持ちは分かります。
そこにいるのは整った顔立ちの美しい男性達と女性達。
あまりの美しさに神々しさを感じてしまいます。
先程までゾンビだった人達と思われますが、外見が全然違います。
温泉の治癒の力で生き返ったのでしょうか?
ただ、ほとんど人と同じ姿をしている彼らと私達と唯一異なるのは耳です。尖った耳をしています。
ソランジュ……昔、戦った相手を思い出します。
高度な魔法と戦闘技術を持つ強敵。
目の前にいる人達はソランジュと同じ形の耳をしています。
もしも、ソランジュと同様に私達と敵対したら……
勝つ、いいえ、生き残ることすら厳しいかもしれません。
「皆、私の後ろに下がって」
最低でも皆を逃がさなければいけません。
私が身構えていると温泉の中にいる尖った耳の人達はこちらへ向かってきます。
「そこの方々」
女性の一人が話し掛けてきます。
凜とした声です。
きっと彼女が尖った耳の人達のリーダーでしょう。声を聞いただけですが私はそう感じました。
「どうされたのかしら」
敵意は感じません。
私は緊張しつつも努力して笑顔をつくります。
「教えて頂きたい事がある」
「何かしら?」
相手の女性は真剣な眼差しです。
私はその視線に圧倒されてしまいます。
ゴクリと唾を飲み込み、言葉を待ちます。
「某達が何者なのか、何方か存知ないか?」
ズコッ!
「皆して何故に転がっているおるのか?」
私達は全員ずっこけていました。
「分かるわけないでしょ!」
ミリーさんが皆を代表して言います。
むしろ私達が教えて欲しいくらいです。
「そうでなのか……」
尖った耳の人達は皆悲しそうな顔をします。
何だか申し訳ない気持ちになります。
「あの……取り敢えずこっちに来て話しない?」
ユナさんが提案します。
おどおどとしているのはゾンビに追われていた時の恐怖が残っているからでしょうか。
「そうさせて頂くと有難い」
耳が尖った人は承諾してくれました。
読んで頂いてありがとうございます。
長らく続いていたサラ冒険隊編も次回で完結する予定です。
明日更新する予定ですのでよろしくお願いします。




