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第301話 早朝の招かれざる客は早々にお引き取り願おう

投稿間隔が空いてしまい恐縮です。

また、特別編等の関係で本編が約2か月も止まっておりました。

たぶん皆さんも本編のお話、忘れてますよね(^^;)

第294話くらいから読み直していただけるとスムーズかと思います!

これから本編、加速していきたいと思いますので、皆様応援よろしくお願いします!


「・・・ふう」


俺はそっと寝室(大)を後にして屋敷の廊下に出た。

窓から差し込む朝日がやけに黄色く感じる。


「何度目の~黄色空か~」


どこぞのアイドルソングを勝手にひねりながら目を細めて光を見つめる。

こんな黄色い太陽を再び見ることになろうとは・・・。

とりあえず振り返れば今俺が出てきた寝室(大)の扉が。

まだ大きなベッドには奥さんズの面々がぐっすりと眠っていることだろう。

なぜかチェーダ、パナメーラ、エイカ、マカンの四人のミノ娘たちも参戦してきたので撃破しておいた。

・・・厳しい戦いだったな、うん。


朝日が昇り始めたばかりだというのに、筆頭執事のセバスチュラやメイド長のリンダはすでに起きていた。


「おはようございます旦那様。お早いお目覚めですな」


「おはよう・・・目が覚めてしまったよ」


セバスチュラのあいさつに生あくびをかみ殺しながら答える。


「目が覚めるようカモミールティをご用意いたしましょうか?」


「いいね、よろしく頼むよ」


そう言って俺は朝飯前に居間に向かった。





「ふう・・・」


メイド長のリンダが直々に入れてくれたカモミールティを一口飲み、息を吐く。

だが、残念なことに俺の朝の憩いのひと時はあっさり破られることになる。


「旦那様」


少し眉を寄せ、眉間にしわを作ったセバスチュラが居間にやって来た。


「どうした?」


「このような早朝に先触れもなく、いきなり旦那様に面会を申し込むと来客が」


「え!? こんな早朝にいきなりか?」


「ええ・・・なんでもリセル・ローフィリア神聖国の司祭である・・・などと申しておりますが」


「ああ・・・」


俺はてっきりまず話し合いをしにやってくるもんだとばっかり思っていたんだけどね。

それが昨日いきなり帰り道に問答無用で襲い掛かってきて、それが失敗したらしれっととんでもない朝早くやってくるって、どんな神経しているんだろうか。

もしかして昨日の襲撃者と関係ないって言い張るつもりなんだろうか?

とりあえずツラの皮は死ぬほど厚そうだな。


「いかがいたしましょうか?」


「何名で来ている?」


「司祭当人と、護衛と思われる騎士が二名です」


「それでは客間に通してくれ」


「よろしいのですか?」


「よろしいも何も、相当面倒な感じの客だけどね。追い返すともっと面倒になりそうだから、一度は会うことにするよ」


「承知しました」


会いたくもないけど、とりあえずなんて言ってくるか聞いてみないとね・・・。

俺は大きくため息を吐いた。





「フン! 随分と待たせおって、これだから田舎貴族というやつは!」


客間に入るなり、いきなり毒吐く短足デブ。ついでにハゲているな。

俺が客間に入ったというのに、ソファーから立ち上がりもしない。

後ろの騎士二人はソファーの後ろに立ったままだが、やはり挨拶はない。

随分と失礼な連中のようだ。


「おい、貴様。昨日オークションで競り落とした女がいるだろう。そいつを寄越せ」


「・・・はっ?」


とりあえず挨拶もなく毒づかれたので、対面のソファーに座ったのだが、座ってすぐかけられたセリフがこれだ。

・・・相当イカれてないか?


「聞こえなかったのか? 昨日オークションでお前が競り落とした女を寄越せと言っているんだ!」


ソファーの上で短い手を振り回してがなり立てる短足ハゲデブ。


「というか、お前誰なんだよ? ろくに自己紹介もしない礼儀知らずと会話するとでも思っているのか?」


こういう馬鹿とはまじめに会話するだけ損だ。

同じように高圧的に出ることにしよう。


「口の利き方に気をつけろよ、田舎貴族! ワシはリセル・ローフィリア神聖国で司祭の地位についておるシターパー・ノブデッセルじゃ! ワシの言葉に従わぬと神罰が下るぞ?」


嫌らしくニタつきながら自己紹介をかましてくる。脅し付きで。


「下っ端のデブ?」


「誰が下っ端のデブじゃ!!」


俺の疑問に怒鳴り返すシタッパ司祭。下っ端のくせに偉そうだな。


「貴様!絶対神罰を食らわせてくれるわ!」


おーおー、ついには神罰が下るではなく、食らわせるになったぞ。マジでイカれてる宗教国家?団体?だな。多分宗教を盾にしているだけで、裏では殺しも辞さない集団がいるってことだな。強制的に「神罰」とやらを起こしているんだろう。


「まるでお前が神にでもなったような言い草だな。それで、どう神罰を食らわせてくれるんだ、ああ?」


ソファーから立ち上がってまくし立てるシタッパを睨みつける。

俺の眼力にビビったのかソファにへたり込むシタッパ司祭。

後ろの騎士が剣に手をかけるが、さらに魔力を伴って睨みを効かせ、けん制する。


「俺がオークションで何を買おうと貴様らには関係ない。関係ないが、人の家に朝っぱらからやってきて何やら寄越せとわめきたてるのは強盗か盗賊のたぐいだな」


「な、なにぃ!?」


「盗賊なら切って捨てても問題あるまい」


そう言って俺はソファーから立つと、部屋に立てかけてあった鎧騎士の置物から剣を取る。


「き、貴様ッ!!」


俺が剣を手に取ったので、慌てて護衛の騎士たちが剣を抜く。


「そうか。剣を抜いた以上は死ぬ覚悟があるとみなすぞ?」


そう言って俺はニヤリと口角を上げて睨む。


「ま、まあまあ待て。寄越せと言うと語弊があったの。ちゃんと金を払おうではないか」


急に金を払うと言い出すシタッパ司祭。

俺はジトッとジト目全開で睨む。


「いやいや、もちろん女を寄越してもらったら金をちゃんと払うつもりじゃったぞ?」


ウソつけよ。いけしゃあしゃあとほざきやがって。


「いくら払うつもりだったんだ?」


「聞いて驚け。金貨で7000万枚払ってやろうではないか!」


いや、俺がオークションで払った額じゃねーかよ。


「俺には何の得もないな」


俺は横を向いて話をぶった切る。


「あまりに欲張るもんではないぞ? ワシを怒らせん事じゃ」


再びニタリとクソ気持ち悪い笑みを浮かべるシタッパ司祭。マジでグーで殴りたい。


「金貨一億枚だ」


「な、なにっ!?」


「金貨一億枚なら考えてやらんこともないぞ」


俺はソファーにどさりと腰を下ろすと、脇に剣を置き、腕を組んでさも偉そうな態度で金額を口にする。

ちなみにシーナを手放す気はさらさらない。あくまで考えてやるだけだ。


「き、金貨一億枚じゃと!?」


「そうだ」


「ぬぐぐ・・・調子に乗り追って・・・」


両手でゲンコツを作ってプルプルするシタッパ司祭。

入ってなさそうな頭で何かを考えているように見えるが・・・。


「ふん、欲の皮が突っ張った輩じゃ。だが、まあいいじゃろう。金貨一億枚を用意してくるから、女を用意しておけ!」


そう言ってソファーから勢いよく立つと、扉を蹴って出ていってしまう。慌てて護衛らしき騎士の二人も部屋を出ていった。


あの司祭、金貨一億枚にOKを出したが、明らかにシーナをオークションにかけた商人を殺して金貨を回収しているつもりなんだろうな。

自分たちの持ち金である金貨三千五百万枚と回収する約七千万枚の金貨を合わせて約一億枚。

だから金貨一万枚が払えると思ったんだろうな。

それも払ったらこの館を襲撃して金貨も回収するつもりだろうな。

相当に質の悪い国のようだ。


・・・それにしても、コッチの襲撃を失敗しているはずなのに、あちらの襲撃はまだ成功していると考えているところが実にオメデタイね。

連絡がないことに不安を抱かないのかねぇ。どちらにしても三流以下のどうしようもない輩のようだな。

だが、金が用意できないとなると、強硬手段に打って出てくるんだろうね。いつまでもまとわりつかれるのは鬱陶しいな。


「・・・旦那様、客人がかなりご立腹で帰られたようですが・・・」


「ああ、あれは客じゃない。敵だ」


戻ってきたセバスチュラにはっきりと伝える。


「敵ですか・・・」


「紙と筆を持ってきてくれ。騎士団に依頼書を書くので届けてくれるか?」


「騎士団に・・・ですか。何をご依頼なさるので?」


「しつこいストーカーの処分・・・かな?」


俺の説明にセバスチュラは首を傾げるばかりだった。


今後とも「まさスラ」応援よろしくお願いします!

よろしければブックマークや評価よろしくお願い致します。

下の5つの☆を★にしていただくと、西園寺にエネルギーチャージできます(笑)

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