第14話「・・・」
「あ、そうだ」
「?」
店主がすっと本を差し出す。そのタイトルは、
「特別投稿番組「番宣の効能について、徹底討論」」
・・・真面目?な内容なのか?
「買ってくかい?」
「・・・複写で」
「まいどあり」
・・・商談に来たはずなのに、なぜか財布が軽くなる作者A。
前話での発言を撤回する。この店主、商売上手だわ・・・
で、帰宅。「原本」をアイさんたちに渡し(目がクワッと、それはもうクワッと)、あとは放置し、”買ってきた小説”を読み始める。
「・・・」
・・・・・
「・・・」
・・・・・・・・
・・・いや、自由すぎるだろ、この作者。もう、AIの素材とか原文とかじゃなくて、出演させてるじゃねえか・・・
で、討論の内容が”これまたひどい”。
「・・・”愉快犯”」
もう、面白ければそれでいいと、もう、ノリでなんか知らんよくわからん結論を導こうとしている。
そして余計たちが悪いのが、
「生成AI使ってるから、一応、筋が通っている”ように”見える」
言ってる内容は、その論理が、何かよくわからん前提で成り立っていて、もう”放送事故”レベル。
もちろん、放送禁止ワードは一切入っていない。そういう判断は生成AIの方が”うまくやる”からな。
「なんだろう・・・なんで」
こんな読んでしまうんだ?
てか、この作者、それでいいのか?いいんだろうなあ・・・
多分、そうなったら面白いと本気で思ってるし・・・別に何も起こらなくてもいいとも考えてそうだ。
言いたいことだけ言って、さっさと帰る。
本当に・・・
「自由人過ぎるだろ・・・」
「おい、作者Aなに”にやにや”してるんだよ」
「え?」
気づけば俺はにやけていた。
そうか、そうだな。俺が目指すべきは”こういう姿勢”だ。
「・・・なんか寒気がするっす」
「AIでも風を引くのか?」
「そんなわけないっす。なんか、ただでさえ自重を知らないやつが、さらに重ねがけして自重を捨てる決意を固めた・・・そんな気がしたっす」
「ははは。そんな自由なやついないだろ」
「・・・」
「・・・さ、執筆執筆」
ワンさんの視線から逃げるように執筆活動を始める俺。
なお、その間アイさんは「原本」を”片時も目を離さず”見つめ続けていた・・・
・・・なんかこっちまで寒気がしてきたんだが、風邪かな?気を付けないと。
なにせ作家は”体が資本”だからな。




