静かな準備
寮たちは霊山から帰還し1ヶ月が過ぎようとしていた、だか、霊山の事が気になり続けていた。
霊山の影が残す日常の揺らぎ
霊山での調査から1ヶ月が過ぎ、寮たちはそれぞれの日常生活に戻っていた。しかし、霊山での出来事は忘れられるものではなく、誰もがその記憶に囚われ続けていた。寮自身も、編集部での日々の業務に追われながらも、ふとした瞬間に霊山での戦いが頭をよぎることがあった。
霊山で遭遇した黒い影――圧倒的な力を持つ悪霊たち――その脅威は、普通の浄化術では歯が立たなかった。未知の存在に触れたという恐怖と、何もできなかった無力感が、寮の心に深い影を落としていた。
その日は、オカルト編集部で記事のまとめ作業をしていた寮が、ふと手を止めて物思いに耽っていたところに、前田が気づいた。前田は寮の横に近づき、声をかけた。「寮さん、やっぱり霊山のことが気になっていますよね。実は僕も、あれ以来ずっと気になっているんです」と前田は語る。
國府田も、その様子を見て静かに話し始めた。「私も霊山に再び挑む日が来るかもしれないと思って、由香さんと一緒に浄化スプレーや魔除けのお香の研究を続けています。いつでも役に立てるようにしておきたいです」と言う。その横で、美紀が静かにうなずきながら語り出した。「私も青龍を召喚するための修行を続けています。前回は全然召喚できず、力不足を感じました。でも、次は必ず……」
仲間たちの声に耳を傾けながら、寮もまた、心の中で霊山への再挑戦を意識していた。しかし、そこで会話に割って入ったのは、編集長の涼子だった。「努力することは素晴らしいわ。でも、自分の限界を知ることも同じくらい大事なの。無理をして命を落とすようなことがあっては、何もかもが無駄になってしまう。命は一度きりよ」と冷静に言った。
涼子の言葉に皆は一瞬沈黙した。しかし、それぞれが胸の奥に覚悟を秘め、再び動き出すための準備をしているようだった。
***新たなる犠牲者***
寮は、一之瀬先輩に霊山の出来事は、これまで遭遇した事のない危険な悪霊が多く現れる事を伝えていた。そんなある日、一之瀬先輩から連絡が入った。寮たちが訪れた霊山に霊能者が集まり浄化に出向き行方不明になった事を伝えた。「寮君、あの霊山で、数名を覗き、6名の霊能者の行方が分からなくなったそうだ」寮「僕達でも、あんなに苦労した所に出向くなんて。。。。どんな方々だったのですか?」と、興味を示し尋ねる。一之瀬先輩は「全員、霊能者としてキャリアも長く15年以上経験のある人たちだったそうだ。まったくの素人でもなかったが、その力をもってしても、やはり、あの霊山は危険すぎるのかも知れない」寮は興味を持ち、残った数名の人たちは、どうなったのでしょうか?」と、質問をした。「かろうじて助かったみたいだけど、全員、精神的に参ってしまったようだ。気になれば、今度、尋ねて状況を尋ねるのも何か手がかりが見つかるきっかけになるかも知れない」一之瀬先輩は、残った数名の霊能者の住所を伝えた。
***生存者の取材***
後日、寮は一之瀬先輩から聞いた霊能者の所に出かける事にした。
初めに出向いたのは緑神社といった神社の神主を行っている佐山といった男性だった。歳は40代半ばで、長く修行積まれている方だった。寮は、挨拶をし名刺を差し出し「僕も以前、霊山の調査に出かけた者です。もし、良ければ、その時の事情を詳しく教えていただけませんか? 」と尋ねる。
佐山は名刺を見て、「以前、霊山に出向かれた方の噂を伺っていましたが、あなた達だったのですね。どうぞ、中に入って下さいと、奥に通された」
神社の奥に通された後「私たちも長年、浄化や封印を行って来た者たちです。それぞれ、地震も経験もあり、霊能者仲間のグループから参加者を募り出向きましたが、無事に帰れたのは、私と残りの2名の数名だけです」と話した。
寮は「他の方は、どういった方だったのですか?」と、興味深く尋ねる。
佐山は「一人は、50代の女性で、占いと浄霊を行っている者です。それなりに名前も売れており、色々な相談や霊現象を解決して来たベテランです。お経を唱え、千代さんと言いいます。」佐山は話を続け「もう一人は江原と言う者です。海外で悪魔祓いを学び帰国後、いくつもの霊的事件を解決して来た者です。」と答える。
寮は、さらに「どうして、あなた達、数名は助かったのでしょうか?」と、尋ねた。
佐山は「私たち数名は、広場で他の仲間と共に山に出向く準備を行っていました。すると、悪霊が現れ、私と千代と江原で悪霊達を浄化しました。その結果、力を消耗してしまい霊山に出向くだけの余力が残って無かった為、見送る事を提案しました。私たちの霊力が回復してから税院で霊山に行くよう提案しましたが、ここで待機する事になりました」
寮は、霊山の広場に現れた悪霊達の事を思い出しながら、次々と現れる黒い影の存在と対峙した時の事を思い出す。
佐山は話を続け、想像以上に強力な悪霊達に、私は、他の者たちに霊山へ登る事を引き留めました。ですが、私たちの分まで頑張るから、ここで待機するように伝え霊山に向かって行きました。その後、一晩過ぎても戻らず、私たちも翌朝、霊山に足を踏み入れ進み祠を通り過ぎて10分ほど歩いた所で、再び黒い影が現れ始め私たちは対抗しましたが力が強く、祠まで退却しました。祠周辺には、結界が張られており、それ以上は直接、追って来なくて、広場まで帰る事が出来ました。
それ以上、どうする事も出来ず霊山を降り、応援を依頼する事にしました。その後、霊山に救助に向かった者たちも、黒い影に阻まれ、とても奥に進む事が出来ませんでした」と答えた。
寮は、佐山に礼を言って、千代と江山の所にも尋ねて質問し、事情を聞くと江山と同じ内容だった。
***新たな模索***
寮は、その後一之瀬先輩に連絡した。
一之瀬先輩「残念ながら、寮君と陽菜ちゃん以上に力を持つ霊能者は、日本ではほとんど居ないだろう。春香ちゃん、美紀さん、葵さん、瑞希さん、山田君たちも加わり、その力を持ってしても苦戦に陥ったのだから、佐山さん達の霊能者グループで霊山に立ち向かう事は無謀だったのかも知れない」と静かに答えた。
寮「次に霊山に出向く時は江山さんたちの応援も必要になると思います」と、答えた。
一之瀬先輩「霊山に対しては、より強力な対抗手段を探して行くしか道はありそうもない、しばらくは力を蓄えて準備を続けて行くのが最善だと思うよ」と答えた。
その後、行方不明になった霊能者の手がかりは、掴めないまま数か月が経ち、新たなる霊能者グループが霊山に向かった情報を耳にしが、その霊能者グループもまた、行方不明になったと伝えられた。
寮たちは、その情報を知り、眉をひそめた。「やっぱり、あの霊山は並大抵の力では難しそうだ」
涼子編集長「寮君、いくら気持ちがあっても力が伴わないと、どうする事もできないわ、勝手に霊山に行かないで」と、釘を刺した。
寮「分かっています。今の僕たちの力では無理だと分かっている以上、霊山には、行きません。」と答え取材に出かけて行った。
その後も寮は霊山の事が気になっていたが
自分たちの力では、まだ未熟と真摯に受け止めていた。
***ある小さな祠調査***
寮はオカルト編集者としての取材も続けており、そんなある日、小さな祠の噂を知った。
この祠には、ある力が封印されており、その力を手にする事で、霊力が強まるとの話だった。
その話に興味を持ち、寮は涼子編集長に許可を貰い、美紀と前田と一緒に取材に出向く。
その淡さの祠は、緑町の隅にある神社の一角にあり、その祠の中に霊力を高める為の秘密の書が封印されている言い伝えだった。寮は神社に赴き、小さな祠の取材を、神主に申し出て許可を得た後、祠の調査を始めた。
寮たちは、祠の中に入り、くまなく調べると桐の箱があり、その中に古い書物が入っていた。
寮は、その書物に書かれいる文章を記録し、再び元に戻した後、神主に礼を言い、編集部に戻った。
書物に書かれていた内容について、國府田が調べた結果、霊術を高める為の技法が書かれていた。
國府田は、その内容を丁寧に分かりやすく寮たちに伝えた。
寮と美紀が書かれていた方法を試す事にした。
心身を清めた後、瞑想を行い、手を合わせ、呪文を数十回唱えた。
國府田「これを、毎日続けると霊力が強くなるそうよ」
寮は「どのくらい続けたら成果が現れるんだ?」と、尋ねた。
國府田「最低でも1ヶ月間は続けるそうです。基本的に、ずっと続けて行くほど霊力が高くなって行きます」と答えた。
美紀「日々続けて行く事が大切みたいですね」と返した。
寮は他の仲間たちに祠で見つけた霊力アップの方法を伝え、
チーム全体の霊力を高めて行く事を目指した。
***新しい霊術の学び***
寮は、他の強化対策として美紀から霊術を学ぶ事を願い出た。
「僕の使う霊光弾は、強力だけど、1日に数回しか使えないんだ。他の魔法、霊術も使えるけど、美紀の使う陰陽師の霊術を教えて欲しい。美紀の霊術で少しでも悪霊に対抗したい」と、伝えた。
美紀は「私の使う橘流の霊術は、限られた者にしか使う事を赦されていません。天狗様から許可が得られたら私の陰陽師の霊術を教える事も出来ます」と答えた。
寮は、美紀の話を聞き、天狗山に一緒に出向き許可が得られるか尋ねる事にした。
購読、ありがとうございました。スローモードでの再会で続けて見る予定です。




