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地球から一番遠い教室で  作者: 草川斜辺


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33/51

初めての練習試合

試合終了のホイッスルが体育館に響く。


47対98


このチーム初めての練習試合は、敗戦。ほぼダブルスコア。ぼろ負けといっていいだろう。

浅井はスコアボードを眺め、ため息をつく。47点しか取れなかった試合は初めてかもしれない。


相手は地元同好会チーム。予選突破の実績はあるそうだが5年以上前の話で、当時からメンバーは入れ替わりここ5年は予選敗退続きと聞いていた。なので、予選突破を目標とする我々としては初めての試合とはいえ勝ちたいチームだし、勝てないまでも接戦にはしないといけないところだ。


浅井はこの試合23得点。チームの得点からすると悪くはない。ただ、思うようにシュートまで持ち込めなかった。外したシュートこそ少なかったが、ゴール下の攻防が意外と難しく、ディフェンダーの動きにつられて無駄にジャンプしてしまうことが多かった。それと摩擦力の小ささには苦労した。体育館の床でバスケットシューズがこんなにすべるとは。摩擦力を上げるために意識的に床を強く踏みつけないといけないのだが、地球ではそんなことしないからとっさにその動作ができなかった。


他には、パスをもらおうとジャンプした際も、動きを読まれてボールを奪われることも少なくなかった。これは慣れの問題の気もするが、それよりも問題なのはチームワークだ。


人数はそろえたもののオフェンスに寄りすぎているというか、シュートしたがるやつが多い。それでもシュートが決まるならまだいいが、相手ディフェンダーに動きを読まれすぎた。中山はパスに徹していたように思うが、他のやつはとにかくパスをまわさずシュートまで強引に行くケースが目立った。柚子山(ゆずやま)も最初はパスをまわしていたが、味方があまりに外すので自分でシュートし始めた。それにしても、連携とかチームワークとかがさっぱりで戦略もない。こんなんじゃあ勝てる試合も勝てない。


「お前ら何考えてんだよ!」

中山は不機嫌だ。まあ、無理もない。

もっとも、他のメンバーも機嫌がいいとは言えない。


「何って、果敢にシュートを打とうとしたんだが」

誰も反応しないのを見て、永江(ながえ)がこたえる。

「なんでパスまわさないだよ」

中山が永江の方を見る。

「まだブランクもあるからいろいろ試してるんだよ」

永江が反論する。

「無理に打って決まるわけないだろ」

「チーム初めての試合で練習試合なんだし、そんな熱くなるなよ」

「はあ? こんなぼろ負けで冷静でいられるか!」

永江の言葉にますます不機嫌になる中山。

確かにこの負け方のひどさについては浅井も同意見だ。


「まあ、シュートが決まらずディフェンスもぼろぼろじゃあ勝てるわけないよね。相手も結構外したから三桁は免れたけど」

柚子山はそういうと肩をすくめる。

「おまえこそフェイントにかかりまくってまともなディフェンスできてなかったじゃねえか」

中山が柚子山の発言に反応する。柚子山は再度肩をすくめる。

険悪な雰囲気だ。


「おまえら落ち着け」

クレイグが割って入る。

クレイグは冷静だが、彼もブランクが長かったのかパスミスやシュートミスが多かったし、いらいらしているだろうに。


中山の気持ちもわかるが、こんな調子で追及しても雰囲気が悪くなるだけだ。


「まあ、このチームで初めての練習試合だし、この後、反省会やるか」

と浅井は提案する。

「それがいい」

クレイグが同意する。

永江と中山も特に反論はしないので反省会はできそうだ。

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