18. 腹黒王子の告白・2
目の前にいる三浦くんの言葉が信じられなくあたしは目を大きく見開かせる。
言葉の意味を探ろうと彼を見るが、今まであたしと接した中で全く見せてくれなかった、とても優しげな笑みを向けるものだから何も言うことが出来なかった。
「好きだよ、有花。ずっと好きだった」
「…!」
胸がドキドキドキドキ大きな音をたて、主張している。
こんなにも早いと心臓がおかしくなりやしないか、と意識を別のとこに向けないと、とてもじゃないが冷静でいられない。
あたしも相当顔が赤いと思うが、言った張本人の三浦くんもよく見れば顔がほんのりと赤くなっている。
珍しいものを見た気がして、あたしはついマジマジと三浦くんを凝視してしまった。
それに気づいた三浦くんが若干不機嫌そうに眉間に皺を寄せているが、照れているのでそれもまた可愛らしく見えてしまうのだから不思議なものである。
魚心あれば水心、と良く言うがこれまで彼のあまりにも傲慢な態度にずっとむかっ腹が立っていたが、彼の本心を目の前にすれば不思議とそれも収まる。
最初からこういう態度で接してくれていればあたしとてもう少し穏やかな態度をとると思うのに。
三浦くんに対する評価を改めていたらそれまでずっと照れていた彼がニンマリと笑っているのに気づいた。
何やらデジャビュ感がして冷や汗をかく。
「で?俺の気持ちは伝わったと思うから続きしてもいい?」
「は!?」
思わぬ言葉に声が裏返った。続きという言葉に思い当たる節を探せば、一つだけ見つけてどんどんあたしの顔は青ざめる。
「つ、続きって何の事!?」
そう口にすれば物凄く嬉しそうににんまりと笑いあたしの頭を撫でてくる。
それに抵抗を見せれば軽く抱きしめられあたしは小さな悲鳴をあげた。
「もう有花に触りたくて触りたくて俺おかしくなりそう」
と、ボソッと声を漏らすのをあたしはちゃんと聞いた。
続・貞操の危機を感じあたしは彼から離れようと胸を押す。
うんともすんとも言わない彼の力にあたしは最早半泣き状態になりながら必死にこの変態をどうにかしようと試みる。
「目、潤んでる。可愛い有花…食べちゃいたい」
「ぎゃあああああああ!!!!」
あまりにもウットリとこちらを見るものだから恐ろしくて思わず悲鳴をあげた。
もしあたしが猫だったら毛が逆立っているに違いない。
そんなあたしにお構いなしのように彼は頬やおでこにキスをしてくる。
「好き、有花」
「ん、」
「可愛い、大好き」
「ちょ、」
「全部俺のモノにしたい」
「あ、やめ」
「一生…離さないよ」
「い…いやだあああああああああ!!!!」
きっとその時のあたしの声は別棟全体に響き渡ったであろう。
だけど虚しくも返ってくるのは昼休みの終わりを告げる予鈴だけだった。




