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4/10

道はあとからできる!!

4話目です!

私は夜凪奏音。自由奔放がモットーの双子の姉だよ。


――朝の校門前。

私は空を見てた。なんか今日、歩く日らしい。歩くって、いいよね。たぶん、どこでも行ける気がするから。

「きりせーん!」

前の方で結構仲良くしてる男子sが全力で走ってくるのが見えた。あ、始まったなって思った。

こういうのって、だいたい最初の数分で何か起きるよね。

きりきりせんせーの顔が一瞬だけ固まった気がした。よし、たぶん当たった。

「なんだ」

「サンダルで来ちゃいました!!」

あー、それはちょっと面白い。

きりきりせんせーがため息ついてるのも見えた。

「履き慣れた靴で来てとは言ったけど……サンダルはないだろ!?」

「えぇ!?うそー!?履き慣れてるのにぃ!?」

ウォークラリーでクロックスは初めて見たなぁ、さすが。でも、きりきりせんせー、大変そう。

「先生の靴貸すから、それ履いとけ」

「いいんですか!?わぁ、ぴったりだ!」

なんか解決したっぽい。すごい世界だなって思う。



その横で、私たちは並んでた。

二年B組。

「よし、絶対楽しいやつじゃんこれ!」

遥菜ちゃん、もう全部楽しい方向に振り切ってる。いいよね、その感じ。

「歩くってどのくらい歩くんだろ……」

唯月ちゃんはちょっと心配そう。ちゃんと地面見てるタイプ。

「とりあえず、歩けばつくでしょ〜」

私は空見ながら言った。だって本当にそうじゃない?基本私は上しか見ない!

「その理屈は危ない」

琉生くん、即ツッコミ。本当なのに…

「奏音の言うとおり、歩けば、つくよねー」

音波が横で同じこと言ってる。

双子だから、いつものこと。

ん?琉生くんがなにか言おうとした?きのせいだよね。まぁ、いっか。

先生はなんか遠い目をしてた。たぶん気のせいじゃない。

そして出発。



最初は普通だった。

アスファルトから田んぼ道に変わるだけで、世界がちょっと広くなる感じ。すごーく爽やか!

「広い!」

遥菜ちゃんが走りかけてる。

「走るなよ」

琉生くんの声、速い。返事より先に飛んでくる。

「えー、でも楽しいじゃん!」

止まらないの、わかる。

その横で、私は見つけた。

田んぼの縁。

そこに、でっかい猫じゃらし。

なんか、呼ばれてる気がした。

「なんかこれ、振りたいね」

気づいたら拾ってた。

音波も同じものを持ってる。

「これさ、すごいよ」

「すごいね」

うん、すごい。たぶんすごい。結構すごい。


次の瞬間、世界が変わった。


ぶん。

ぶん、ぶん。


気づいたら走ってた。

猫じゃらし、めっちゃ楽しい。新しい相棒だ。名前は、、、、、猫じゃらしくん!!

「「わぁー!なにこれ!面白い!!」」

風が全部追いかけてくる感じ、好き。風になれそう!

「ちょっと待て」

琉生くんの声が聞こえたけど、止まらないよーん。


唯月ちゃんの声も小さく聞こえた。

「これ、授業じゃないよね…?」

うん、違うね!でも、気にしたら負けだよ!


山の中間の休憩所。

気づいたら、ちゃんとしたルート組より遅れてたっぽい。

でもいい感じに楽しかった。音波と猫じゃらしくんと道がない山通ったの。

草とか葉っぱとか、なんかいっぱいついてる。でも、気にしない。

「やっほー」

「着いたよー」

「え、どこ通ってきたの?」

まさかの遥菜ちゃんが困惑。

「こっち」

後ろ、通ってきたとこをに指さした。

道?そんなん存在しない!

「道ないぞ」

琉生くんはすぐ否定する。

正しいこと言うの、早い。

「道ってさ、歩いたあとにできるの。だから、歩ける場所は全部私たちの『らいふろーど』ってこと!」

言ってみたら、ちょっといい感じになった気がする。

唯月ちゃんってば、一歩下がってた。

「え、『らいふろーど』?いきなりどうしたの……?」

まぁ、いきなりだよね。

先生も来てた。固まってた。

あ、困ってる顔だ。

でも気にしない。


また山の中。

私は思った。

こっち行った方が早くない?急斜面だけどね。

「こっち行った方が早くない?急斜面だけどね。」

ア、口に出てた。

「きっとかまぼこもゴールなんだよ。」

うん、さすが我が妹の、音波。かまぼこってゴールっぽい。

唯月ちゃんがズズズって後退してる。

「……かまぼこはどこから来た。」

あれ、音波間違えたの?

「あと、地図を見ろ」

地図か。あったっけ。


その瞬間にはもう、私は違う方向に歩いてた。

「左行こうか!」

体は右に行ってた。

「今左って言っただろ」

「うん、右」

あ、そういうことか。体さん、頑張れ!

「奏音、右ってどっち?!」

うん、それ、方向音痴のお姉ちゃんに聞かないで?!わからないから!?

「迷子だ!迷子!」

遥菜ちゃん、楽しそう。

いいな、そのテンション。

「いや、最高に面白いじゃんこれ」

たぶん、そういう日なんだと思う。


先生、またいた。

顔がもう何かを諦めてた。

その前を、私は普通に通る。

ぶん、ぶん。

風、気持ちいい。

先生、なんか言ってた。

「すみません、気にしないでください」

琉生くんが謝ってる。

きりきりせんせー、返事が……

「ア、ハイ」

うん、だいたいそんな感じになるよね。

山抜けて、道戻って。


学校見えた瞬間、遥菜ちゃんが走る。

「ゴールだーー!!」

いやいや、休憩地点でしょう?

私も音波も走る。

「「一旦ここで休憩しよう!!」」

猫じゃらし、まだ持ってる。

なんでだろうね。

琉生くんは普通に歩いてる。

あ、学校がゴールなんだね。

唯月ちゃんは小さく息吐いてる。

「……終わった」

誰かがポツリと呟く。

何が終わったのかな?


きりきりせんせーが最後に言った。

「……全員、無事でよかった…ということにしておく。」

あ、たぶんこれ、すごい疲れてるやつ。



そのあと声がした。

「きりせーん!靴返すの忘れてたー!!」

うん、100点満点!


やっぱり奏音ちゃんは自由でいるべき!!

誤字とかあったらコメントでお願いします。

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