漆黒の不死鳥という機体(side 敵本部:研究部)
別な場所の話しなので、戦闘関係ありません
ルピミスしてたので、修正
私の名前はネオン・カーチェラ。今生命の大樹の奪還作戦を出してる。
国軍の研究室の主任よ。
私は何時もの様にコーヒーを飲みながら資料を見ていた。
そこには亡霊、魔城、死神、絶望、混沌と呼ばれる人の機体が荒削りだが、書かれていた。
これを見た時は「ありえないでしょ!」と叫びたくなるほどだった。
そんな事を思っていると、小走りにツインテールの子が走ってきた。
「モーナ、走ってると転ぶわよ」
「大丈……わっぷ……」
相変わらず、この子はドジなんだから。彼女はモーナ・カオーダ助手よ。
意外と才能があって、膨大な量の資料から。この5機の詳細を見つけた時は、びっくりしたわ。
「あいたた……また、見てたんですか?」
「そうよ」
「そういえば、あの黒の機体ってどういう風になってるんですか? 無数の腕を扱うなんて常人じゃ出来なそうですけど」
黒の機体。漆黒の不死鳥その名前に相応しい性能を持っていた……。しかし、私はこの機体はいけ好かない。
何故なら、この機体は操縦者の事を考えていないのだ。
「そうね、いわゆる限界を超える機体よ……色々ね」
「出来たら、気持ちよさそうですね。ちょっと使ってみたいです」
「止めたほうがいいわよ」
「どうしてですか?」
どうして、か。そんなのこの資料を見れば、分かる。ただこの子は資料の中身を見てないからわからないのだろう。
不満気な彼女には悪いけど、言うわけには行かないわ……。死ぬことを前提とした機体なんて。
そう、この機体は資料を漁った限りそれしか結論が出なかった。
まず、腕や足を飛ばしたりする機能。両手足を装着して動かすのは分かる、飛ばすかどうかの指示の本人がしてるのだろう。
凄く細かい動きと共に射出可能なこの機能は、手が強靭であればある程。脅威となる、それを実現するように腕は爪の様な形で、金属はアルテニウム合金。
アルテニウム合金は、特殊な金属と金属を溶かして作る。最高強度を誇る金属。
「アルテニウム合金なんて、空想上とも言える金属使うなんてね」
「無視しないでくださいよ……確かに、普通じゃありえないですよね」
「あの金属は製造自体凍結されたので私も分かりませんし」
次に、飛ばした時のワイヤーこれもあり得ない性能だ。
ただでさえ金属疲労や錆などの問題もあるため、使う事は無い。ただこの機体はそれを最大限に使っている。
ワイヤー自体切ってしまえと思うかもしれない。それは一番の方法だ。しかし、それをしては行けないのだ。何故なら、ワイヤーから高圧電流が流れているからだ。触れた瞬間、機体を通して操縦者は感電死するだろう。
なのに収縮性、伝導性、耐久性全てに置いて、あり得ない最適の性能だった。
「あのワイヤーって何で出来てるんでしょうか」
「さぁ……私にも分からないわ」
「電撃を蓄電する自体私たちにも、考えにくい技術ですからね」
そして、一番重要な機能。背中の膨らみだ。
恐らく操縦者も承知の上でやっている。意識が飛んだ際に電流を流し、意識を取り戻した時に2本ずつ追加される。最大で6本だが……。
それは、序章。リミッターの解除をするために作られた。限界へのストッパーだ。
しかし……その腕はどうやって、動かしている? 何故、あんなにも簡単に正確に動かせるのかが分からなかった。1つの可能性……それは操縦者自身に何か装着して動かす。脳の信号を直接実行する装置。
もう1つの可能性、操縦者がもう1人いる事で、残りの腕を全て任せる。
実際両方とも実現には程遠い、なぜなら。
前者は、意識を戻したばかりの状態で動けるか? といわれると答えはノーだ。どんなに訓練した人でもあり得るわけがない。記憶を無くても動けるような人だけだ。
後者は、まず動きが一致。操縦者の意図を分かっていないと絶対出来ない。何故なら機能的に射出は腕足を装着した操縦者だからだ。それじゃ実現はほぼ無理。
「あの腕6本は凄いですよね」
「動ける人がいたら、見てみたい……っているか今、戦ってるわ」
「1人で動かしてるんでしょ? どういう風にやってるんでしょう?」
それは私も聞きたいわ、戦い終わったらその人は。灰人にでもなってそうだわ。3回のショックの上、合計8本の腕を動かすなんて。
「最後に書いていた、この機能気になったんですけど」
彼女はその機能を指差した。
完全なる復活、4回以上のショックの時に起こる……らしい。
こう書かれていた。
本能に従い、我が死地を舞うマスターよ、地獄に落ちるまで動き続けよ。
何のことだが分からないが、もしここまでしてしまったら。戦場はヤバイ事になるのでは。
「完全なる復活、全然想像付かないです」
「そうね、私にも分からないわ」
「ただ……不気味で、これを作った人は狂ってるってことは分かるわ」
そう言って、私は飲み終わったコップを片付けた。