友といられる為に
ガーロンドはメアランドに銃を向けて、立っていた。
特にするわけでも無いが、緊張が張り詰めるような空気が2人を囲んでいた。
ナリタが機体を壊していった、機体は量子の様に光になって上に飛んでいた。幻想とも言える景色の中にいる2人は……今から殺し合うというのに。
「ガーロンド、無理だよ。貴方じゃ勝てない」
「それは、どうかの……昔みたいな甘さは捨てておる」
2人が動き出す時、歌が紡がれる。
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この世界に 光を 希望を
今 あなたは 光を持っていますか
それを胸に 刻みながら 天を見上げよう
光に覆いかぶさる 闇を自分の手で
打ち払おう あなたが存在する この世界を
絶望の闇に 覆われてしまう前に
希望を持って 天に叫ぼう
生きたい それだけでいい
あなたの 言葉で 想いで
叫ぼう
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大樹から光が溢れ、波紋が広がる……その波紋は、虹の様な綺麗な波紋。
水が、水面に落ちた波紋の様に、広がり。通る大地は、朽ちた場所も穴が空いた場所も……綺麗に浄化されていく。
その時、2人は激突する。
ガーロンドが突っ込むと同時に、ショットガンを片手ずつ撃ち込む。メアランドは、その射撃を避けつつアサルトライフルを撃つ。
即座に避けるガーロンドに、近づいて別な単発式の銃を撃ち込む。
「ぐっ! まだじゃ!」
「ふっ、懐かしいな」
当たるガーロンドは、苦痛に絶えながらも片手でショットガンを撃ち込むが……避けられる。
そして……ライフルが飛んで来て、それを掴む。
「ようやく揃ったわい……」
「まだ何かあるのかな」
「そうじゃな……もう、待ちわびたというのに。持ち逃げされたままじゃったからの」
ガーロンドは笑い声にも似た声を出していた。そして……続けて言う。
「嘆き苦しむ獅子よ、今こそ天に向って吼えようぞ!」
そう言った瞬間、ガーロンドの機体が咆哮を上げるように。重い装甲が取れていく。
取れるというのは、正確じゃない……展開する。裏に銃がびっしり詰まっている、装甲が自由に動き。
それはワイヤーが意思を持って動かしているようだ。
「ガーハッハッハ! 行くぞ、メアランド!」
「あぁ……」
激突する2機は、先程の様に動き辛いガーロンドと違い動きが更に早くなっている。
そして、メアランドが銃を構えて撃とうした時。
変形した。装甲がタイヤをだし、機体が上に乗るように……バイクになっていた。
機動力は鋭く、銃が放たれてから数秒であっても。過ぎた後といえる程。
銃はバイク内部から、出て来て放つ。ガーロンド自体も片手で操作しながら、片手で銃を構えては撃っている。
「一方的になるからの」
当たらないのを見て、突っ込んでくるメアランドを……バイクでぶつかり。
上に乗っかって言う。
「メアランド、儂はお主が大好きだったんじゃ……」
「私も……ガーロンドの事を」
ショットガンのバンッという音が聞こえて、機体が壊れる音共に……機体が量子化していく。
そして、消える定か……メアランドが。
「好きだったよ」
そう言って、消えていった。
次は、混沌の方




