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破滅世界のデスロード  作者: 秋雨そのは
絶望の先に見える光
43/54

この世界の息吹

 サアランドは正面にいる、ハエンドを睨んでいた。


 両者は動かない、周りは静かで風が吹き荒れると。砂漠は砂埃を上げて……嵐の前振れの様。

 そして次の瞬間……。


 ハエンドはこちらに突進してくる。サアランドはショットガン2丁構えて、同じく突進する。


「あら、ショットガン2丁も持って踊れるの?」


「特別製なんだ、エスコートしてやるよ」


 魔城に受け取った銃は、反動が馬鹿でかいかわり……一撃で機体が屑鉄になっている。

 ハエンドが銃を撃つのを、小さな方向転換して移動を繰り返す……銃弾を全て避けてはショットガンを構える。

 だが、反動を魔城の様に軽減する機能が無いため……一撃で片腕が吹き飛びかねない。


「あらら~、どうしたの? 手加減してくれてるのかしら?」


「くそっ、相性が悪い銃だな」


 そして、姫の歌声がまた……響いていく。


――――――――――――――――


 あなたの光を 届けよう

 小さな 小さな 灯火でもいい


 近くで闇に包まれてる人に 届けよう


 その温もりを 届けよう

 あなたが光を求めたように 闇を払ったように


 それは 必ず その人の光になるのだから


 諦めないように 悲しくならないように

 温かな光を 届けよう


 あなたの 持っている 小さな光を

 みんなで 持っている 小さな希望を


 届けよう


――――――――――――――――


 砂漠の戦場が緑の大地に包まれていく、どんなに小さな光でも。何も見えない闇の中では、強い光を放つ。

 あおい空からは、奥が先に見える程の透き通った空を覗かせていた。


 サアランドは銃撃を避けながらも、小さく笑って。


「もう少しだ……もう少し」


「お互い戻れないんだから、今は楽しみましょう?」


「残念だが……もう、遊ぶ必要はなくなったようだ」


 ハエンドは銃撃の手を休めない、リロードを忘れるような連射量。サアランドは、左手のショットガンを投げて背中に背負っている。一度も触れていない無骨とも言える長い剣を掴んだ。


「それじゃあ……な!」


 銃撃を今度は避けずに、ただ突進する。普通の様に避けられ、装甲は剥がれる……。

 ただ左手の剣を取り出して、一瞬で構わず……ハエンドの距離を詰めて……剣を振り下ろす。


「こいつをくらってみな!」


 全てを……斬り裂いた、それは言葉の通り。無骨な剣から斬れない様な範囲まで、銃弾を含む空間を機体を斬った。


 斜めに斬られた機体は、何の抵抗も許さず……下に崩れ落ちた。

次は、魔城の方

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