2人で1人
書き方が……!
僕達はのんびりしてますよ~。
私達は暇してたらいいなぁ~。
私、僕達は青黒の左右非対称の機体を、グルグルと遊んでいる子供の様に走り回っていた。地面は砂漠であるはずなのに別な色が混ざっていた。
断片と断片を見ると所々、襲ってきた機体の破片だという事が分かる程度。
それ綺麗に機体を避けて通っている。
「おいおい……ここは亡霊と同じ激戦区って話だぞ……」
「「あ、サアランだ~。こっちに戻ってきたの~」」
灰色の機体がこっちに走ってきて、そんな事を呟いていた。
「それよりも、ここに1万は超える機体が居たと思うんだが……」
「「それなら~、そこに埋まってるよ?」」
灰色の機体をウロウロさせて、所々の断片を拾ってみると……「うわぁ~、容赦ねぇ~」という感じに声を上げていた。
それに対して僕達は「同情でもした? 一緒に知ぬ?」と言うと……「するか! それよりも、俺が死んじゃそれこそ救いようがねぇだろ!」と叫んできた。
生命の大樹を囲む7つの点と点。それを合わさる時……なんちゃらって、亡霊が言ってたよ?
「さてと早く行かないとな、俺の持ち場は……」
「「すぐ横だよ~、良かったね! 激戦区のすぐそば!」」
「嬉しくねぇ~」
なんかね~、亡霊が言うには7星陣とかいうやつで。東西南北に7機を展開すると出来る特殊な陣……とか良くわからない事言ってたよ。
サアランに聞いてみようよ~。なんでそう言う配置なのか。
「「ねぇねぇ~、この配置って本当に意味あるの?」」
「分からねぇ……だが、生命の大樹による記述が正しければだが……」
何故かね、私達では分からない書き方をされてたみたい。亡霊はすらすら読んでいたけど、凄く詳しくて笑いながらで気持ち悪かった。
あれ、不気味だよね~。なんか「故郷の文字じゃねぇか」と言ってたよ。
故郷って? 異世界? なんでそんな物があるんだろうね?
「なんかな……」
中心を生命の大樹
北に混沌
北東に俺
東南に死神
南に亡霊
西南に魔城
北西に絶望
「……を配置するとか言ってな」
方角とか良く分からないんだけど、散開する時にそこに行けとか命令したんだよ~。腹立つよね~。
サアランはそう思わないのかな?
そのままサアランは持ち場に灰色の機体を走らせていった。
お客さんだよ~。今度はもっと遊んでくれるかな?
お客さんだね~。遊んでくれるよ?
様々な色、黄色や黒、白などの極端な色使いの部隊がやってきた。
勢い良く来て、その場で止まった。部隊は、周りをウロウロ見て……「何だこの……惨状は」と呟いていた。
その中心に立っている。僕達を見て。
「混沌……立った1人でこの数をやったっていうのか?」
「「あはっ! どう、綺麗でしょう!」」
「狂ってやがる……だが、ここで引くわけには行かないな」
部隊はその言葉を合図として、散開していった。そのまま散開を見守っていると、こちらに話しかけてくる「お前ら、巫山戯ているのか?」と。
「「だってただ殺すと面白くないじゃない!」」
「どこまで狂ってるんだ貴様は! 全員一斉射撃をかけろ!」
「「「「はい!」」」」
こっちにアサルトライフルを構えては乱射してくる。到達する前に分裂する。
分裂は勢いと共に、半身事に別れる。
1人として、生きていればそんな事をやった際には発狂するレベルではないか。
勢いは、ただ走るより早い……勢いは衰えず、死神と並んでもおかしくないスピードだ。半身で突っ込んでくる様を見て兵士達は「うわぁぁ――!」と声を上げては反応が遅れる。
右半身の僕は、右手のデカいブレードを撫でる様に、薙ぎ払い斬りつける。それだけでも上下真っ二つになる。
左半身の私も、同じく切り刻み。
囲んでいる円の中に入っては、反応が遅れている兵士に射出型の巨大杭パイルバンカーを平行になるように兵士諸共吹き飛ばす。
ドスンッ
という音がすると、同時にガガガガガッという音を立てては、兵士が綺麗に貫かれ……通った後は奥の景色が見えるほど綺麗に貫通していた。
それは総勢200という兵士をただの屑へと変えた。
先程話してきた隊長機は、自分の不甲斐なさなのか怒り狂った様に「貴様ら! 儂の部下を!」と言いながら。
僕に突っ込んでくるが、私がワイヤーで引き寄せて戻る。
逆にしては私が突っ込んでは、ブレードで貫いた。
遠くで見えていたのか、サアランは機体で両手を使いやれやれのポーズになっていた。




