一番最初に見た夢
次は、混沌の章
私はその機体を見た。
赤と白をメインのその機体は、何処か懐かしい雰囲気を出していた。
私の母、ハエンド・モザ・ホーネル。
私はこの人が、一番好きだった……だけど、今は恨みしか感じない。
それは、例え生きる喜びに感謝しようと……一番感謝したく無いほど。
知っているだろうか、親が捨てれば子はどうなるか。その年齢にもよる……と言えるだろう。
障害という物は生きている中ずっと、ずっと……背負わなければいけない枷だ。
「あなたが、死んでないとは……世も末ね」
「……末じゃないですか、これから消えるんですから」
私達は短く会話をした。それは親子の再会でする言葉じゃない。しかも私の声は届くはずもない、一方的な会話。
あっちはあくまで、死んでいればよかったのに。という言葉を遠回しに語ったに過ぎない。
未来なんて物は、作ればいい……そんな戯言を誰が考えたんだ。と私は思う。
私は確実に、この人に捨てられてから……死んでいたも同然だった。行きていられる訳が無かった。
「はははっ! 両手足を切ってあげたのに、まだ動いて私の前に立つなんてね」
「……」
そう、私は……両手足を切られた上で、ゴミに捨てられた。出血もあれば、虫が集り……動けない体では何もすることが出来ない。
だから私は未来が欲しいと願った。それは誰かが叶えたのかもしれない……人がやったことなのか、神だかがやったなんてのは分からない。
私の機体は、何処からこんな……機能になったのかと思ったことがある。
1つの結論は、私は死んでいて……別な似ている人なのではないか、記憶が入ってるだけ。
それなら、誰にでもなれるドッペルゲンガーという機体になっていてもおかしくない。
「私に機体を変化させるのは効かない、それを一番あなたが知ってるでしょ?」
「なんででしょうね……」
数は、100なんてものは生温い……400は超えていた。それは、私では流石に……対応出来ない量。
死んでもいいと思う、ただこの女だけは殺す……。
ハエンドが動き出す、手に持っているのは……剣と盾。
その直後、全員は散開と共に……私を囲んでいた。
「あなたの機体は、それだけだと知っているからね……他の部隊よりこっちを優先させてもらったのよ」
「……」
私は……。
私は、機体を……魔城に変化させた。それは、声を捨てるという事……もう亡霊の機体を投影した時から、覚悟した。
ドッペルゲンガーで戻しても自分自身のデメリットは消えない。痛みも無ければ苦しみもない。今そして、声ですら無くした。
「魔城ね」
私は何も答えない、答えられない。
装甲から超電磁砲を取り出した。魔城の上手く出来る訳はない、実は魔城……片手ですら鉄骨を乗せてるように相当重いのだ。
機体自体も、動き出すのは重い。
原理なんてもんは無いに等しい。殺してあげる!
私は、その叫びと同時に……数の暴力と言える中で踊る事になった。




