悲哀の滅亡姫という機体(side 敵本部:研究部)
あなた暇なの? ここに来て何も喋らないなんてまぁ私としては、こうやって話してる事こそが不思議だけど。
私は聞いているか分からない、誰かに話しかける。そこに誰か居るような気がするだけだけど。
「どうしたんですか?」
その声に私は「何でも無いわ」と返した。
生命の大樹を囲む5つの機体は……未だに1機ですら崩せてなかった。
「おかしいとわね……そろそろ精鋭部隊が到着して戦っているはずだけど」
「1人敵に寝返ったと報告ありましたけど」
「そうなのね、でも……亡霊はともかく、他の機体は数で押せばいけるはずだけど……」
そう、数100という数を投入しているのに崩れるどころか全滅する部隊しか無い。
彼ら自体は何故こんな戦いをしてるのか分からない。そこに何があるのか……気になるわね。
「それよりも! この機体の凄く気になりませんか!」
「結構重要何だけどね……」
灰色で、顔は無く。何の装甲も付いて居ない無骨の様な機体……悲哀の滅亡姫その名前は、本当にそのままだ。
機体がそのまま分身したように動きも性能も全て、一緒になる。
「鏡とマントが不思議すぎて……」
鏡、大きさは機体の手のひらより少し大きいだけ。ただ、それを写し出すのは反射した機体だけ……。それを反射したものは、瞬きの内に機体を投影してしまう。原理は分からない、理解不能ではなく……解析しようが無かった。
マント、機体程の大きさな布。そのマントは覆うだけで、その物を好きな物に変える。絶望から見えて居なければ何でも可能。自分の姿を相手に変える事も可能。
それだけだ、小さいナイフがあるという話もある。
他の機体と比べると覚える情報は少ない……しかし、対応出来るとは言っていない。
近づかれれば、マントで機体を自分のに変え……鏡で機体を変える。そこに居るのは、絶望の機体になった人間と、元の機体に変えた絶望だけだ。
「何か、最後にこんなのもあるらしいですね」
リミッター解除、やっぱりこの機体にもついている。だが……何の効果かは不明のまま。
詳細は、解析出来ただけで話すと。
限界のドッペルゲンガー。それだけ、限界という表現もよく分かっていない。
何故か凄く、最後の機体を見るのをためらう。
これまでの機体で、常識的な物は無い……最後の機体それは、一番敵では脅威の相手……。
今までの整理をしようと目を瞑って、休み始めた。




