もう1人の戦士(side 敵)
俺はしばらく魔城の戦っている姿を見ていた。
遠くから見える、奴の動きは俺の知ってる戦友の動きその物だった。
やっぱりあいつなのか、所詮ここはゴミ捨て場みたいな物だ。ここに多くのクズとなった機体を捨てていった。それは何故か、生命の大樹が吸収するからだ。
魔城は喋らない、いや……喋れないのであろう。
この世界は滅んでも構わないと俺は思っている。
何故か、答えは簡単だ。戦争を子供の遊具の様にただ遊んでいるだけだ。しかもその資源は尽きようとしているのに……。
この場で戦っている5人の戦士は戦っている。無人機など使わないで、自分の足や腕で。
俺がこうして戦場に生身でいるのはそういうのもあってだ。
3人をぶつけてみる、戦友であればあいつらは師匠に当たるだろうからな。
「ガーロンド……お前はこの世界をどう思っているんだ」
その呟きは聞こえる事はなかった。
最初の頃、俺はそこに立つはずだったのにな……。
そう、俺は本当はそこに立つべきなのだ。何故か、それは俺もこの世界を滅ぼしてやろうと思っていて……この機体は、最初そっくりに作った。機体なのだから。
生命の巫女に選ばれたのは7人。七星陣と言うものだ。
大樹を真ん中にそれぞれ機体を、配置する。亡霊が言うには、場所に意味があると言っていた。
俺にはそれがよくわからない。亡霊も何時もなら淡々と答えるのに、少し自身が無いようだった。
1人欠けている状態では完成しない。
そもそもこの布陣はどうしてそうしているか、それは……大樹のエネルギーを安定させるため。
国軍はそれを阻止しようとしている。
逆だと思うだろ? 国軍にとって良くないことだからだ。
それをすれば、大樹は力を全部放出して。世界を作り直すと共に、新しい世界を作るのだから。
俺は、3人が終わった事を確認して突き進む。
奴と色々話した。1度も答えが返ってこないのは予想済みで、だが俺には理解が出来たきがする。
俺は、魔城ではなく……追加で来た機体に構えた。
「どうせ死ぬなら、犬より自由だな」
そして今回も答えは返ってこないだろうと思ったその時……。
機体があるコードの入力画面がでた。それが、俺の機体の最大の特徴。
俺は一心不乱に文字を打ち続け。終了すると……。
「ガーハッハッハ、お前もこっちに返ってくるとはな!」
「ガーロンドうるさいぞ」
「お? この回線、もしかしてハックしたのかの?」
俺の機体は、電子機器を少しいじくれる力がある。使えない物だったが、こんな事に使えるとはな。
もし、これが生命の巫女が予知したものだったら大したものだな。
「どうせ、俺の人生なんてここから先は無いさ」
「ほ~っいいよるの、死に損ないがどこまで頑張っても上には上がれん」
こいつと最後に一緒で戦う事が出来て、俺は良かったのかもしれない。
国軍にいるものは、本当の戦場を知らず。ただの遊具の奴には勝てるだろう。
魔城はショットガンの2丁をこっちに渡してきた。
「いいのか?」
「なんじゃ、今更やめるとか言わないんじゃろ?」
「ふんっ当たり前だ」
俺達は2人背中合わせにして、敵側に銃を構える。もしかしたら、この先があるなら……こんなクソみたいな世界じゃなくて平和な世界がいいな。
俺が願うのはそれだけだ。
こっちの様子に戸惑っていたが、気づくと300もの軍勢がこちらを見ていた。
なんだか、戦争を思う出すな。
「若い頃を思い出すわい」
「そうだな、こうやって一緒にやるなんても2度と無いと思っていたからな」
「いいじゃ、どうせ。儂等の記憶で、なくなればそれだけじゃ」
俺と魔城はそれぞれ動き、共闘を開始した。




