最後の戦い
会話描写は少なくなると思います
機体説明少し修正
俺の名前は成田死、別段覚えなくてもいい。
どうせこの世界は滅んでしまうのだから。
俺ら6人は背後にある、天に届きそうな程の大きな生命の大樹だった物を眺めていた。
だった物という表現の理由は、今その樹は黒と紫色に染まって居るからだ。
以前の生命の大樹は、地中から根っこを生やし螺旋状の根っこが1つ1つ絡み合い大きな樹を作り出して鮮やかな緑と共に、その中心にある核を守る様に。
今の大樹は、黒く染まり、綺麗な螺旋だった根っこは不気味な眼が至る所にあった。しかもその中心にある核は吸い込まれそうな程怪しい紫色の光を放っていた。
まだ、時間はある。もう少し話そうか……。
始めに、生命の大樹について。
いわゆる、この世界の生命線だ。この樹が大地を作り、全体に栄養をもたらす存在。
次に、世界が滅ぶと知っているのか。
生命の大樹が無くなれば、大地は作られず、栄養も行き届かない。それに、滅亡の歌で大地は消える。
滅亡の歌とは。
そのまんま、滅亡する歌。大地は朽ちて空気が汚れ空は暗点する。ここに居る俺らもタダじゃ済まないし、それを承知でいる。
今の状況は。
多分この後、国軍が攻めてくるだろう。姫が滅亡の歌を歌いきるまでの間、俺らは死守しなければならない。
姫とは。
滅亡の巫女、俺らは姫と呼んでいる。彼女は生命の巫女だったが、この世界に絶望し滅亡の巫女になった。元は生命の大樹が産んだ人間。
先程からの俺らとは。
この場を死守する為に集まった戦友……じゃないな、死に損ないだ。自分も合わせて6人。
こんなところか、俺らは互いに名前を知らない。あるのは軍から付けられた2つ名の様なものだ。
どうせなら簡単に機体と共に説明していこう。
2つ名が何故分かるかは、国軍にスパイが入ってるからだ。
俺、場所的には一番左端だ、亡霊と呼ばれている。
機体名、漆黒の不死鳥……2つ名、地獄を彷徨う亡霊
二足歩行の機体で、全身黒光りで頭は顔が細く作られている。両手合わせて2つだが、非常時に生えてくる手を合わせれば8本である。
姿形は細身で、すぐにでも崩れそうだが。背中にある大きな膨らみは異様な空気が漂っている。
他にも機能がいくつもあり、コックピットは両手両足を装着させ細かな動きが可能になっている。また、手足にはワイヤーがついていて射出、引き寄せなどが可能になっている。また、敵機体の部位をワイヤーで無理やり着けて動かすことが出来る。
2つ名の由来は、操縦者が死んでもどこまででも追いかけてくる亡霊の様からという。
次に俺の隣にいる魔城。
機体名、剛腕の動城壁……2つ名、制御を失った魔城
泥の様な色で、俺と同じ二足歩行型だが、武器を大量に積んでいる為機体がかなりの重量型だ。元々この世界に重火器というものは無かったが、教えたところ開発者が簡単に作ってしまった。だが、敵側にも作れるものが居るため。今は存在する物。
ミサイルを含み、爆発物を入れ込んでいる。国軍はまだその域には達していない為、脅威と言われているほどだ。近接戦闘では拳を使う。
2つ名の由来は、無人の様に静かに動く止まらない城の様だから。
一番右端の女は死神。
機体名は、紅蓮の魔槍剣……2つ名、血に塗られた紅き死神
全身真っ赤な装甲で、同二足歩行型。俺の機体と同じで顔が細かく作られている。武器は真紅の槍と真紅の剣の2刀流。
狂った性格と共に、近接戦闘において右に出る者は俺以外は知らない。ただ、リミッターが存在するらしく。外れたら命すらも投げ打つ程の速度を出すらしい。
2つ名の由来は、戦場の軍隊を血を撒き散らせ壊滅させたから。
真ん中寄り右の女は絶望。
機体名、悲哀の滅亡姫……2つ名、魔鏡が映し出す絶望
灰色の機体は、同二足歩行型。顔を形成するものは無く、武器と言える物は鏡とマント。隠してある小型のナイフ。
謝りながら戦い始める、他の機体に化ける事が出来る鏡。敵の機体を他の機体変えるマント。実際には、見抜く方法があるのだが、混乱の戦場で冷静になれる者が入ればの話だ。
2つ名の由来……鏡を使い、敵将の姿に化けて敵兵全員を殺したから。その後、帰還した敵将は味方によって殺された事から。
真ん中にいる双子の姉弟は混沌。
機体名、黒青の双穿刃……2つ名、戦場に渦巻く混沌
縦半分に割れる黒青の機体、二足歩行型。顔を形成する形はあるが、双方別な顔になっている。武器は改良型パイルバンカーブレード。
2人で1つを操る機体でありながら、半身がだけでも機能する。背負っているリロード用の弾は、頭とリンクされ自動的にワイヤーによってリロードが可能。2つ存在するため、別れた状態でも存在できる。機体程の大きさのブレードは振り下ろすだけでも大地が割れる。
離れた相互の半身は動き続けることによって、機能を低下させず。超硬度ワイヤーによる引き寄せ、飛ばすことで移動可能。
2つ名の由来……戦場を踊るように飛来、殺戮を繰り返す混沌から。
この戦いは俺らの10年という戦争の終幕を意味する。
姫が滅亡の歌を、歌い始めたその時。
荒野の向こうから、大きな砂埃を上げて大量の機械がやってくる。さぁ始めようか。
次は、亡霊の章