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俺は人生を捧げない、私は全てを取り戻す! 第一部 続き分  作者: Zassouyorifumetsu
第8章 八百万が集う、歴史から秘されし島
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第113話 彼らの事情、私の疑問

謎に包まれた召使いと呼ばれる存在。


その力は古えに神と呼ばれた者たちをも超えるらしい。


何故そんな事になったのか?


疑問は更に深くなるばかりだ。


”汝の疑問も分かる。

善悪という一見対立する概念は人の立場によって変わる。

しかし、それを奴らは余すことなく利用している。

何時の頃からそれが為されてきたのか?

我らですら分からぬ。”


”ただ、我らの盟友は奴らが現れたその瞬間に立ち会ったそうだ。

盟友、この地の人にとって、

遥かな永劫の昔より味方として存在した者たち。

その存在は天使の名で知られている。”


”疑問あれば彼らに聞くと良い。

ただし、今は慎重に事を運ぶ必要がある。

故に機会を改めるがいい。”


そんな仏門の徒?からの話を聞き、

私は浮かんだ疑問を一旦胸に納めることにした。


そして、本来の調査事項である高天原について考えることにした。


「収蔵庫にあった装飾品、何かの方向を示す道具みたいですが、

 あれは高天原の位置を示しているのでは?」


そう言いながらちょっと前に起こった異常な状況について、

説明した。


私の言葉に、仏門の徒は、


”それは確かに高天原に関係するかもしれない。

しかし、先に言ったように高天原に行くには、

隠されし者の力が必要とのことだ。”


”それは道具だろう?

正しい使い方を知らずして、

その力を引き出せると思うのか?”


”その装飾品が、高天原の位置を指し示すモノだとしても、

今その使い方を知る者がいない。

起こった異常は、ただ単に暴走した道具が起こした現象だと考える。

そもそも、アレを作った者たちの存在は今、世から秘されている。”


”本当に汝らが必要ならば、いずれ道は交わろう。

今は汝らの道を行くがいい。”


そう答えてきた。


そして、


”ふむ、そろそろ、この寺の主が帰って来よう。

再び用あれば、また訪ねてくるといい。”


”娘よ、そなたの未来は今だ不可解な秘密が隠されている。

この先にも闘いを強いられる事は多いだろう。

しかし、事実はそれだけではないと胸に留め置け。

努々、表にあるモノだけに囚われるな。

真理と真実、そして誠の道はそれぞれに異なる。”


”汝、可能なれば、全ての者に幸ある第三の道を征け。

後戻りできぬ道なればこそ、悔いを残すな。”


”それではな”


そんな言葉を最後に頭に響く声は消え去った。


社殿に置かれた像は、もはや変わった姿を描いた只の像に見える。


しかし、数日置かれたとはいえ、その像の輝きは曇っていない。


ずっとこの寺と縋ってくる人を見守って来ただろうご本尊。


本当に永い時をかけ大事にされ、それ故にその像には魂が宿った。


仏門の徒、古代の僧侶たちにより作り出された人の世を護るための力。


彼らはその力を生み出すため、召使いらの手法を真似たという。


今だ私達には理解できていないことは多いだろうが、

その言葉通り、知る必要がある時がくれば明かされるだろう。


できれば、その道が苦難に満ちたモノでなければいいのだが。


しばらくして、右藤住職たちが帰って来た。


診察結果では異常はないとの事。


数日の間、何も食べていないとのことだったが、

特に衰弱等は見られないそうだ。


食はともかく、飲み水は必須だったはずだが、

それもあの異郷の道による浸食が影響して事なきを得たのだろうか。


まあ、大事にならなくてよかった。


あと、問題の収蔵品について質問したのだが、

あれらは霊的災害対応室の管轄下で納められているそうだ。


つまり、動かすには国の許可とか必要らしい。


この歴史ある寺には他にも色々とそんな収蔵品があるとのことだった。


本物の曰く付き故に、一般公開を前提としない形でこの寺に秘蔵された。


右藤住職の説明でそんな事情が明らかになった。


ちなみに、留守中の出来事はアテナさんには話した。


彼女は、なるほど と何か納得していた。


聞けば、私の様子を何となく感づいていたらしい。


人の本質は、目や顔、言動などからある程度読み取れる。


私の場合はそれに付け加えて、

この身に宿る力に闘いへの高揚が感じられていたそうだ。


ただ、力に高揚するのは身に着けた直後によくある事だそうだ。


ある程度すれば落ち着くのが普通で、

何故そうなるかは、上には上がいるという真実にぶち当たるからだそう。


なので、アテナさんも天明さんもあまり心配はしていなかったらしい。


はあ、、、


少し趣向を変えて、私は右藤住職に仏門の徒について聞いて見た。


右藤住職も何か不可思議な力を使える。


多分、何かを知っているはずだ。


私の質問に、右藤住職は神妙な面持ちで答えてきた。

その表情は何時になく穏やかで口調は非常に丁寧なものだった。


「なるほど、寺で何かあったのですか。

 何となく感じておられるかもしれないですが、

 この寺はただの仏教寺院ではない歴史があります。」


「仏門の徒とは、この国に仏教が伝わった頃、

 ある僧侶によって起こされた一派を基としています。

 その僧侶は当時の日本を巡り、ある答えに辿り着きました。

 その答えは僧侶とその弟子によって洗練され、

 衆生を救う力を持つに至りました。」


「一般で言うお釈迦様の悟りではないその答え、

 本流の仏の道とは袂を分かったソレは、

 やがてこの国の未来を担うに至ります。」


「今の世に答えの本質を伝える一族がいます。

 かつての僧侶の子孫たちで構成され、

 その宗家の主は 祭主 と呼ばれています。」


「貴女達も岐阜の地で見たはずですよ。」


ふむ、今だそういう人がいるのか?


というか、あの大きな僧兵を召喚してた人か!


ううむ、この世にそんなのいないと思っていたのだが、

世の裏で魔や妖を祓う職業が実在したとは!


漫画か?


ずっと、一般常識を崩され続けている私は、

溜息を吐くしかなかった。



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