ぶりみあちゃん
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むりむりむりむり。やだやだやだ。
やりたくないやりなくないやりたくないやりたくない。
なんとしてもこの状況を打破しなくちゃなのは分かってる!でもヤなのー!
ミアは、アルトに抱っこされながら、己と格闘していた。
この状況を穏便に済ませ、かつ、お肉をゲットする策が一つだけある。
しかし、それは、18歳がやるにはキツイ。いや、正直かなりキツイ。
でも、絶対に今日お肉を食べると決めたミアには、もうやるしか道はなかった。
わたしは、深く深呼吸をすると、脳内に問いかけた。
『ぶりみあちゃん、いますか?』
『呼ぶのが遅い〜!』
両の腰に手を当て、眉間にシワを寄せるのは、通称「ぶりみあちゃん」。
カタカナではなく、ひらがななのは、本人曰く可愛いからである。
あちゃー。
ぶりみあちゃん、お怒りだ…。
わたしは、どうにか機嫌を直してもらえるよう謝罪から話を進めるのだがーー
『その、なかなか決断がつかなくて…。お力をお貸しーー』
『ミアはじこちゅうなのっ!』
ぶりみあちゃんは、そう言うと、頬を膨らませそっぽを向いてしまった。
ご機嫌はさらにななめである。
頼りになるかは別として、今はクロもビーちゃんもいない。
この状況、ひじょーにまずい…。
『ぶりみあちゃんにしか、頼めないのです』
『…わかってるわよう!やればいいんでしょ〜!えいしょうするから、だまってて〜!』
『ありがとうございます。助かります。あの、優しーー』
『うるる〜うるうる〜うるるうる〜!ぶりみあ〜ぶりみあ〜ぶりみあ〜!…まっくすぅ〜!』
えっ、ちょっ、待って待って!
今、まっくすぅって言った?言ったよね?!全力やないかーい!
ぶりみあちゃんは、ミアが思うよりずっとお怒りなようだ。
もう後には引けない。
ここは腹を括るしかない。
全てはお肉のために。
ぶりみあちゃんによって完成した、潤んだお目目。視界がボヤける中、わたしはアル兄のほっぺを包み込むよう両手で触れた。
手越しに熱く感じる僕の顔。
わたしは瞬きを忘れ、そのタイガーアイに映るわたしをじいっと見つめる。
大丈夫、間違いなく可愛い幼女。できる。
わたしは、首を左に30度傾け、あご下に握りこぶしを2個添えて、か細く甘い色を発した。
「…アルにい…ミア…おにく…たべたいの…」
「…っ!ゔぐ!!」
渾身の秘技は、アルトの心臓に特大の矢をぶっ刺した。
この「究極ぶりっ子」の仕草は、絶滅危惧種に値するくらい超絶かわゆい見た目のミーリアちゃんだからこそ、許される行為である。
穴があったら入りたいっ!!!
膝から崩れ落ちたアル兄の腕をどけたわたしは、あまりの恥ずかしさに、その場でしゃがみ込み、両手で顔を覆った。
触れる小さな可愛い手は、わたしであってわたしじゃない。
「……。」
そうだ、この身体は、ミーリアちゃんのもの。
これぐらいまったくなんともないじゃない!
くっくっくっ。
ミーリアちゃんに酔いしれた従順チェリーboyが手に入った!
もうお肉は得たに等しい!
笑いを堪えるのに必死で、体がぷるぷると震える。
さあ、今日はお肉祭りだ!早くみんなを呼びに行こう!
わたしは、にやける口元のまま顔を上げた。
ミアは、幼女のため滑舌が悪く、アルト兄と呼びづらいので、アル兄と呼んでいます。
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