解決策を考えた
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ーははーん。さてはお前、精霊の赤ん坊だろ。だからちんちくりんなんだな。あははは!
ーちんちくりんじゃないもん!ひどい!ミア〜この猫こらしめて〜!
クロ!ビーちゃん!仲直りできないならお昼ご飯なし!
一喝して静かになったと思ったら、次は睨めっこが始まった。
今はそれどころではない。
院長曰く、この国には、孤児に支援制度がないという。
なんてクズな国なの!わたしが変える!みんなはわたしが守る!!
ふんす!と鼻息荒く拳を握りしめて、院長に詰め寄った。
「しゅうにゅうは、あるの?」
「週に数回、王都の治療院でお手伝いをしているわ。子ども達は、イザベルが私の伝手で、ジンがギルドの依頼を受けて、あとの子は、内職で小銭を稼いでいるのよ。」
どう考えてもマイナス家計じゃん…。
根本的な解決案が思いつかない…。
「みんな、まほうつかえる?」
「ええ。属性は、確かジンが風、イザベルとジェシカが火、アクアが水で、テオとロッテが土よ」
この世界の人はみな、属性を持って生まれる。
属性には、風、火、土、水、光、無の六つがあり、二つは持てない。
魔力量や鍛錬によるが、習得できればハイレベルの魔法が使えるという。
最強の属性は、無。
滅多に保有者が現れないということもあるが、創造できればどんなものでも発動するからだ。
ちなみに、ミアと猫はこの属性の保有者であるが、当人たちは最強であることを知らない。
「でもね、みんな初歩魔法のレベル1しか使えないの…。」
「な、な、な、なんですと?!」
まさかの言葉に、わたしはふらりとその場でよろけた。
適正はあっても、初歩しか使えないって…。
なんで…。
ん?ちょっと待って。
魔力を底上げできれば、すべて解決するのでは?!
「いいことおもいついた!クロ!いくよ!」
「いいこと??」
にやける顔を抑えて、わたしは子供たちがいるキッチンへと走った。
「ジンにぃ〜?」
扉から、顔だけ覗くように出して、目当ての人物の名前を呼ぶ。
目を潤ませて、甘え声を出すなんて、普段なら恥ずかしくてできない。
でも、この身体なら楽々だ。
「ミア?どうした?院長と話しは終わったか?」
「…うん。あのね、こっちきて〜」
広い場所まで手を引っ張って、こっち!と先導する。
なぜジン兄だって?一番強そうだから。
本人に言うと、天狗になりそうだから言わないけど。
「ジンにいは、つよくなりたい?」
「当たり前だろ!」
「なんで?」
「そりゃぁ、みんなを守りたいからだ。今はまだ初期魔法しか使えないけど、いずれーー」
「ごうかく〜!」
満点〜!
強くなりたい理由が大事!
特別にクロから直に魔力解放する権利を与えましょ!
「クロをだっこして!」
「?いいぞ!」
ジンは言われるがまましゃがんで、クロを抱きあげる。
ークロ!マックスパワーで!
ー倒れても知らんぞ。
ーオッケー!オッケー!やっちゃって!
返事と同時に、クロから勢いよく雷みたいな電流が落ちた。
改稿してレベル設けました。