第71話 拠点への帰還とひと時の休憩
【異世界生活 51日 14:00】
「ここまでくれば安全だろう」
俺達は、白い橋を戻り、魔物の島を脱出、いつもの島にたどり着く。
見晴らしのいい草原にある木の日陰で休憩し遅い昼食を食べ始める俺達。
「荷物の重量オーバーで、退却なんて、リアルゲーム過ぎるだろ?」
一角が不満を言う。
「アイテムボックスとかあればいいんだけどね」
明日乃が笑ってそう言う。
「なんだそれ? アイテムボックスって」
俺は聞きなれない言葉、いや、一度聞いたことあったかもしれないな。それについて聞いてみる。
「ああ、異世界転生ものの小説のお約束だよ。チート能力とアイテムボックス、あと、転移魔法とかかな? アイテムボックスっていうのは持ち物をいくらでも詰め込める、『〇らえもん』のポケットみたいな感じ? 重さも感じないし、いくらでも詰め込めるから、小説的にも色々無茶できるんだよ。今回みたいに荷物がいっぱいになったから撤退みたいなこともしなくてもいいし、岩とか丸太とか、下手したら家とかもしまえちゃう、チートスキルだね」
明日乃がそう説明してくれる。
「ぶっちゃけ、竹とかけい石運びだって、1人で一瞬のうちにできてしまう。仲間もいらない、1人で何でもできる。生魚入れても時間が止まって腐らない、氷も溶けない、そんなスキルだな」
一角がそう言う。
「そりゃ、あったら便利だな」
俺はそう答える。
「残念ながら、この世界にはアイテムボックスというスキルは存在しません、また、転移魔法など含め、時間や空間、次元などを操る魔法は神の力を越えかねない魔法の為、禁止されています。使い方を誤れば世界を壊すレベルの危険なスキルです」
秘書子さんがそう言う。
「そんな危険なスキルとは思えないけどな」
俺は秘書子さんにそう答え、みんなにも説明する。
「まあ、危険なスキルな気はするね。アイテムボックスの中と外では時間の流れは違うし、次元の境みたいなものもあるだろうし。変な話、魔王とかラスボスがいるゲームとかだったら、アイテムボックスに入れちゃえばいいし、アイテムボックスに魔王の首だけ入れて、閉めたら最強の武器、ギロチン武器だもんね。というか、自分が入ったら不老不死で時間も超越しちゃうみたいな?」
明日乃がそう言う。
「明日乃もいろいろ思いつくな。結構、異世界物っていう小説好きなのか?」
俺は明日乃の発想に舌を巻く。
「あ、あくまでも、そういうのが好きな友達が文芸部にいただけだからね」
明日乃が焦った顔でそういう。
別に明日乃がそういう小説好きでも問題ないと思うんだが。
「まあ、アイテムボックスに大岩いっぱい詰め込んで、ラスボスの頭の上で開けるだけでも凄い武器になるし、水を大量に入れてダンジョンに流し込んで浸水させるなんてこともできるしな。まあ、色々ゲームバランス崩す使い方は思いつくな」
一角がそう付け足す。
「ある意味ブラックホールだよね。空気とか全部入れたら世界が終わるし、世界や惑星丸ごと入っちゃうかも?」
明日乃が一角の言葉に付け足す。
「まあ、さすがに神様が制限かけるだろ。で、この世界は時間を操る、空間を操るみたいなスキルは使用禁止の制限がかかっていると。まあ、神様が一人の人間にやりたい放題、世界を壊せるような能力を与えるなんて、アホ過ぎるしな」
俺はそう言って笑う。
「それをやっちゃうのが異世界物の小説なんだよ。流司は分かってないな」
一角がそう言う。
なんか一角も異世界小説とかRPGとか結構好きっぽいな。
まあ、〇らえもんも、使う人間が使えば世界征服とかもできそうだしな。そう言うのは考えちゃダメって事だろう。
そんな感じで雑談しながら、お弁当を食べ、落ち着いたところで、拠点に帰る。
【異世界生活 51日 16:00】
「お帰り、流司お兄ちゃん。今日は早かったね」
琉生がそう言って迎えてくれる。
「ああ、ドロップアイテムが結構重くてな。途中で帰ってきた」
そう言って、みんなも青銅の防具や青銅の槍の穂先の入った鞄を下ろして、一休みする。
「え、ちょっと、流司、なにそれ? 私が作っている青銅の盾より質が良くない?」
鍛冶工房を作っていた鈴さんが作業の合間に戻ってきてそう言う。
しまったな。ドロップアイテム見せる前に説明しておくんだった。
「いや、敵の親玉が着ていた防具なんだけど、数は多くないみたいだし、青銅の盾を作ってくれると嬉しいよ。防具なんかはサイズも合わないから誰も着られないし、鈴さんの鍛冶の技術があればサイズとか調整して着られるようになるかもしれないし、鈴さんの鍛冶技術は必要だよ」
俺は慌てて鈴さんのフォローをする。
「ちなみに、防具は1割のお祈りポイントを使う事でサイズ変更も可能です。青銅の防具を魔法の箱で交換する場合は1個20000ポイントなので、その10分の1、2000ポイントでサイズ調整が可能です」
秘書子さんが余計な事を教えてくれる。
「秘書子さんの話だと、魔法の箱でサイズ調整も可能だってさ」
俺は申し訳なさそうにそう言い、詳細を説明する。
「2000ポイント、全身サイズ調整しても8000ポイントか。それはお得だな。早速サイズ調整しよう」
一角がそう言う。
「おまえ、お祈りポイントの無駄使いが癖になっているんじゃないか?」
俺はそう言って一角を冷やかす。
「ほ、ほんとだ。お祈りポイントが凄く減っている」
鈴さんがさらにショックを受ける。
「ご、ごめん、鈴さん、今日は凄く強い魔物が出るし、魔法は使われるし、たくさんの魔物に囲まれるしで、魔法を使いまくるしかなかったんだよ。ちょっと、一角は調子にのって、魔法使いすぎた感はあったけど」
俺はさらに慌てて鈴さんをフォローする。
「流司だって魔法使ったじゃないか」
一角がさっき繰り返したような会話を始める。
とりあえず、色々説明して、お祈りポイントの件は謝り、鍛冶道具の交換が遅れることも謝る。あと、青銅の防具は、全員分揃えるのはまだ先になりそうなので、青銅の盾だけでも引き続き作ってもらえるようお願いする。
「とりあえず、青銅の盾は作るけど、次は、もう鋼の武器や防具ね。先回りして作らないと私が無能扱いされそうじゃない」
鈴さんがそう言ってやる気になる。
「そのためにも鍛冶道具、早めにお願いね。金床と火鉢は絶対必要だし、変幻自在の武器じゃ代用できないからね」
鈴さんが追加でそう言う。
お祈りポイントは現在42300ポイント。80000ポイントまで貯まらないと鍛冶道具は交換禁止って言ってあるから6日以上必要だな。
そして、魔物狩りでこれからも魔法、使いそうだし。
「それにしても、中途半端に時間余っちゃったな」
俺はそう言う。
陽が落ちるには2時間弱時間もあるしな。
「だったら、鍛冶工房の小屋を作るのを手伝ってよ。まだ壁が全然できてないし」
鈴さんがそう言う。
「じゃあ、お詫びの代わりにみんなで小屋を作るか。魔法無駄使いしちゃったしな。一角も手伝えよ。主犯格」
俺はそう言う。
「しょうがないな」
一角も渋々動き出す。
「明日乃ちゃんは麻布作り手伝って。最近やってなかったし、麻布の服も欲しいでしょ?」
真望はそう言って明日乃と麻布作りを始めるようだ。
そうして、残り時間は鍛冶工房の小屋作りに精を出すのだった。
【異世界生活 51日 18:00】
「はい、これ。試作の青銅の盾だよ。ドロップ品よりシンプルだけど、使い勝手は悪くないはずだよ」
そう言って、鈴さんが丸い青銅の盾を渡してくれる。
ドロップ品の青銅の盾より一回り小さくて使い回しはよさそうだ。
「そういえば、変幻自在の武器なしで、よく盾つくれたな。型にする丸盾なかったろ?」
俺は思い出したように鈴さんに聞く。
「ああ、それは一昨日のうちに粘土で盾の型を作って麗美さんに乾燥しておいてもらったからそれを鋳型にしたんだよ。麗美さんが、魔物狩りには変幻自在の武器をどうしても持っていきたいからって、逆に相談された感じだけど」
鈴さんがそう答える。
「なんか気が利かなくてごめんね、鈴さん」
俺はそう謝る。本来なら気づいて変幻自在の武器を置いていくのが筋だったが、最近、麗美さんが変幻自在の武器を使うことが多かったので気が回らなかったのだ。
「まあ、麗美さんが気付いてくれていたからよかったよ。手間はかかったけどね」
鈴さんがそう言って笑う。
とりあえず、6人で魔物退治を想定することを考えて、今日拾った盾と出来上がった盾の分引いてあと4つ青銅の盾を作ってもらうことになった。
そのまま、みんな集まったので夕食をとり、日課のお祈りをして、就寝する。
【異世界生活 52日 4:00】
今日は午前中ゆっくりして、午後に作業を少しして終わる半休の日にした。
休みなのだが、毎晩早く寝るので早く起きてしまうのが悲しい。
「おはよう、りゅう君。やっぱり起きちゃうよね。なんだかんだ言って毎日8時間近く寝られているし」
明日乃も起きてしまったようだ。
「おはよう、みんな」
俺と明日乃は結局そのまま、起きてツリーハウスから出て、たき火のまわりに行く。
他のメンバーも結局起きてしまったようだ。一角と麗美さん以外は起きていた。
「お休みと言われてもやることないし、寝ようと思っても寝られなかったよ」
琉生が残念そうに言う。
「琉生は今日の予定はどうするんだ?」
俺は気になって聞いてみる。
「自由時間があるのなら、今日は畑の作業かな? 少しずつ畑も広げたいしね」
琉生がそう答える。
「それじゃあ、いつもの作業と変わらないじゃないか」
俺はそう言って笑う。
「真望はどうするんだ?」
次に俺は真望にも聞いてみる。
「結局、私も同じね。やることないなら麻布作りかな? 裁縫自体趣味みたいなものだし」
真望がそう答える。
「じゃあ、私も真望ちゃんの手伝いしようかな?」
明日乃が真望の話を聞きそれに乗る。
「これじゃあ、休みの意味ないな」
俺はあきれ顔でそう言い笑うしかなかった。
「ちなみに私も青銅の盾をつくるよ。ぶっちゃけると、私は魔物狩りに参加していないし、休む理由がない」
鈴さんも予想通りの答えを言う。
「というか、折角だから、明日乃とデートでもしてきたらどうだ? 二人っきりで」
鈴さんが冷やかし気味にそう言う。
「二人でか。どこか安全で楽しい娯楽がある場所があればいいんだけど、この島も危険と言えば危険だし、結局デートと言うより危険な探索になっちゃうんだよな」
俺は少し考えてそう答える。
「そう言われるとそうだね。いつもの探索と変わらないし、しかも二人だと危険が増すし、意味ないか」
鈴さんが何故か本人の事のようにがっかりする。
「だったら、2人でダンジョンに入ってダンジョンのエントランスでエロいことでもすればいいんじゃないか? あそこなら安全だろ?」
そう言って一角が起きてくる。
「アホか? 神様が作ったダンジョンをラブホテル代わりに使えって事だぞ。不敬にもほどがあるだろ?」
俺は一角に呆れてそう言う。
「りゅう君、ラブホテルって」
朝食を作っていた明日乃がそう言って顔を真っ赤にする。
「流司お兄ちゃんやる気満々だね」
琉生が明日乃の料理を手伝いながら、笑ってそう言う。
子供みたいな琉生に言われるとちょっと感覚が狂うな。
「琉生、他のメンバーに変な事を教わり過ぎるなよ」
俺はそう言って軽くしかる。
「琉生だって、もう立派な大人だぞ」
一角が少しからかい気味にそう言うが、琉生は「うん、うん」と何度も頷き、一角の言葉を真に受ける。
「というか、ダンジョンって2人で入ったら残り3枠で熊とか入ってこないのかしら?」
真望が素朴な疑問を浮かべる。
「基本的に最初に入った者が、残り4人を承認して入らせるという形式をとっているので、最初に入った者が入場を拒めば動物はもちろん、魔物も入ることはできません」
秘書子さんが真望の疑問に答える。
俺はそのまま、みんなに伝える。
「なるほど、普段は無意識に最初に入った人間が承認していたって事か。よくできているな。それなら、流司、ラブホとして使えるな。俺達には遠慮せずに使えよ」
一角がそう言って納得する。というか何言っているんだ? こいつは。
「そういえば、ダンジョンといえば、明日はどうするの? 魔物狩り、早朝から行ってダンジョン挑戦してみる?」
真望が話題を変えるようにそう聞く。
「そうだな、どうするか? ダンジョンより、ダンジョンに入る権利を取り合う前哨戦の方がメインになりそうだよな。三つ巴の戦いに俺達が加わるみたいな状況にもなりかねないんだろ? 下手したら、昨日の3倍の敵を相手にしないといけなくなるみたいな状況になるもんな。しかも3種類の魔物、トカゲ人間に、カエル人間に、まだ見ぬ何か?」
俺はそう言って唸る。ちょっと悩むよな。
「まあ、でも、変幻自在の武器がもう1本増えたら色々やりやすくなるし、眷属だっけ? レオ君やシロちゃんみたいな仲間が増えるし色々便利じゃない?」
琉生がそう質問してくる。
「そうだな。それも一理あるんだよな。最悪、ダンジョンの入り口を占拠して明日乃の結界魔法で粘るとかもありと言えばありだよな。魔法は抑えめで、結界内から武器で攻撃しながら持久戦に持ち込むみたいな?」
俺は琉生にそう答える。
「まあ、次のダンジョンは水の精霊が管理するダンジョンだったよな? それなら麗美さんの意見を聞くのがいいんじゃないか?」
一角が俺にそう言う。まあ、そう言われるとそうか。
「まあ、私はどっちでもいいわよ。お祈りポイントもまだ余裕があるし、結界を使った持久戦も可能じゃないかな?」
真望は賛成のようだ。
「私は、お祈りポイント減らされると困るんだけど、変幻自在の武器が増えるというのはありがたいな。ノコギリが増えるわけだから色々と作業はしやすくなるし」
鈴さんはお祈りポイントも大事だが、変幻自在の武器が増えるのも大事というスタンスらしく、ダンジョンに挑むのも賛成のようだ。
「でも、ダンジョンに挑戦できても、5階のボスを倒せるとは限らないよね?」
明日乃が朝ごはんを作りながらそう聞いてくる。
言われてみるとそうだな。
「ダメ元で挑戦してみても面白いんじゃないか?」
一角はそう言って楽しそうな顔をする。
「一角、魔法は無断使用禁止だからな。この間みたいに攻撃魔法連発されたら、結界の維持も怪しくなるからな。武器で戦える敵は武器で戦え。いいな?」
俺は一角に念を押しておく。こいつは隙あらば魔法使いたい魔法馬鹿だからな。
「とりあえず、ご飯にしよ? ご飯を食べていたら麗美さんも起きてくるだろうし、麗美さんの意見を聞いて決めればいいよ」
明日乃がそう言って、朝食を配る。熊の干し肉をお湯で戻して野菜と煮たスープだ。
「たまには魚も食べたいな。北の川に魚取りに行くか? 川遊び楽しいしな」
一角が突拍子もない事を言う。
「北に行くなら私も行くよ。野菜が収穫できるし。流司お兄ちゃんも明日乃お姉ちゃんも行くでしょ?」
琉生が乗り気だ。
「流司が行くなら、私も行こうかな?」
真望が少し照れながらそう言う。
「私は、パスかな。青銅の盾を少しでも早く完成させたいし」
鈴さんは居残り希望らしい。まあ、拠点に誰か残ってもらえるとありがたいけどね。
「そうね、川遊びなら少しお休みっぽいしいいかもね。水浴びもできるし」
明日乃も水浴びにひかれたらしい。
「あそこの滝はシャワーみたいで気持ちいしな」
一角はそう言って明日乃をメンバーに引き入れる。
「しょうがないな。荷物持ちも必要だろうし、熊が出たら困るしな。俺も行くよ」
俺は渋々付き合う事にする。別に明日乃や他の女の子の水着姿が見たいわけじゃないぞ。
「何? 楽しそうな話してるけど、お姉さんはのけ者?」
そう言って麗美さんも起きてくる。
「いやいや、麗美さんが寝坊助なだけでしょ?」
俺はそう突っ込みを入れてみんなもあきれ気味に笑う。
そんな感じで、かなり遅れて、麗美さんも朝食に加わり、さっき議論が止まった、魔物の島でのダンジョン攻略の話を再開する。
「うーん、私は早く自分用の変幻自在の武器が欲しいかな? 今は流司クンの武器を借りているだけだし、やっぱり、変幻自在の武器が2本になるのは大きいわよね? 1回ダメ元でいいからダンジョン挑戦権争奪戦に参加してみてもいいんじゃない? 魔法で反撃しまくれば魔物も一網打尽にできるだろうし、ちょろちょろ、魔物の根城を襲うより効率よさそうだしね」
麗美さんはダンジョン攻略賛成のようだ。
「じゃあ、魔物の集落潰しより先にダンジョン攻略をめざすか。そうなると、明日は5人で魔物狩りだな。一人だけダンジョンの外で待つ、って訳にはいかないだろうし」
俺はそう皆に言う。
「だったら私が休むわね。裁縫とかしたいし」
真望が魔物狩り休みを希望する。
「でも、真望ちゃん、レベル上がったし、真望ちゃんの魔法『炎の壁』は必要じゃない?」
麗美さんがそう言う。
「確かにそうだな。炎の壁もそうだが、ダンジョン攻略するなら少しでもレベルが高い方がいいしな」
一角も真望の参加を期待する。
「もう、明日だけよ。魔物の数が落ち着いたら麻布作りに戻るからね?」
真望が渋々参加を承諾する。
「じゃあ、私がお留守番だね。ちょうど農作業でお休みの予定だったし」
琉生がそう言って留守番役を引き受ける。
「それじゃあ、琉生ちゃん、農作業が終わったら、お姉さんと新しい窯作りしましょうか? 燻製用の窯とかそろそろいいんじゃないかな? それとも、小麦粉ができるのを見越してピザ窯かな?」
鈴さんが少し気持ち悪い猫なで声で琉生を誘う。
「鈴さん、耐熱煉瓦作りは禁止だからね。琉生も協力しちゃだめだぞ。とりあえず、魔物狩りが落ち着くまでは窯作りは禁止ね」
俺は鈴さんにそう言い、鈴さんががっくりと肩を落とす。
ピザ窯とか燻製窯とかちょっと魅力的な響きだが我慢だ。
とりあえず、明日は、昨日のメンバーで早起きしてダンジョン攻略権争奪戦に参加する流れになった。そして、今日の川遊びには麗美さんも参加するらしい。
「今日の川遊びは早めに帰るからな。水浴びと魚獲るだけで終わりな。早く寝て、明日早起きしないといけないからな」
俺はそう言って、朝食兼作戦会議を終わらせる。
これから北の平原に急いで行って帰ってくる感じなので、今日の剣道教室はお休みだ。
そんな感じで、今日は休日と言いつつ、北の平原に野菜採りと川魚獲りに行き川魚を少し多めと野菜と野菜の苗を持って少し早めに帰ってきて夕食も早めにとり、早めに寝る。
鈴さんは川遊びに行かなかったので、夕方シロと一緒に水浴びに行ってから寝るそうだ。
ちなみに拾った青銅の防具のセットは、魔法の箱でサイズ調整してもらい一角が着ることになった。一角というより麗美さんのサイズに合わせれば多くのメンバーが防具を共有できるしな。お祈りポイント8000使ってしまった。
盾は俺が持ち、鈴さんが作った盾は真望が持つことにした。
明日はダンジョン攻略とその為にも挑戦権を獲得するための争奪戦に加わることになった。
次話に続く。




