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神様と作ろう新世界 〜ケモミミ世界で純愛ラブコメ異世界リアルサバイバル〜  作者: 河合 翔太
第1章 改訂前作品(改訂終わったら消します)
59/244

第58話 今後の相談とダンジョンでレベル上げ

【異世界生活 28日目 18:00】


「ただいま、みんな」

俺達はダンジョンの攻略を終え、拠点に戻る。


「おかえり、みんな。だいぶレベル上がったみたいね」

留守番していたすずさんがそう言って迎えてくれる。


「結構、お祈りポイント使っちゃったからね。その分くらいはレベル上がってもらわないと困るし」

俺は笑ってそう答える。


「そうは言っても、16200ポイント。予定していた30000ポイントよりは格段に少なく済んだわ。さすが流司りゅうじくんね。的確な指示で、お祈りポイントもうまく節約できていたと思うわ」

麗美れいみさんがそう言って褒めてくれる。


「明日も行くの?」

すずさんがそう聞く。


「できれば行きたいけど、よくよく考えると、みんなお休みとかなかったよね? 1日くらい何もしない日があってもいいのかなって、ちょっと考えている」

俺はすずさんにそう答える。


「私は、休みもらっても、裁縫関連するだろうから休みも普段も変わらないし、特に休みは要らないわ」

真望まもがそう言う。


「そうだね。私もツリーハウスを早く作りたいから休みと言われてもツリーハウス作りそうだね」

すずさんがそう言う。


「言われてみると、サバイバル生活って考えが強すぎて、休みとか考える暇なかったよね。今は、まだお休みとか考える時期じゃないかもしれないけど、生活が落ち着いたら、週1回のお休み、日曜日とか作った方がいいかもね」

明日乃あすのがそう答える。


「週休2日じゃないんだな」

一角いずみがからかうようにそう言う。


「まあ、休み休み作業してるし、暗くなると何もできないから睡眠はしっかりとれているし、当分はいいんじゃないかな?」

琉生るうがそう意見する。


「まあ、確かに、元の世界みたいに学校があるわけでもないし、バイトで小遣い稼がないといけないわけじゃないし、そう言うストレスはないな。命の危険性はあるけどな」

一角いずみが笑いながら意味の分からない意見を言う。


「そうだ、また、この間みたいな川遊びとかすればいいんじゃない? 魚獲って野菜採って、バーベキューするみたいな?」

明日乃あすのがそう言い、麗美れいみさんが興味を持つ。


「私もそれ行きたかったわぁ」

麗美れいみさんが残念そうにそう言う。


「川遊びか。たまにはいいかもね」

すずさんも少し興味ありそうだ。


「みんなで水着になって川遊び? ちょっとずるいかも。流司りゅうじも遊んだんだよね?」

真望まもがそう言って俺を責める。


「お、俺は、その時、海パンがなかったから川には入らなかったぞ」

俺はしどろもどろにそう答える。みんなの水着姿で目の保養をしていたとは言えないしな。


「それなら、明日ダンジョン行って、明後日あたりはまた北の平原に行けばいいんじゃない? 私も野菜の苗とか採り行きたいし、ちょっと野菜取りに行って、帰りに川でお昼にバーベキューするみたいな?」

琉生るうがそう言う。

 琉生るうは拠点の近くに家庭菜園みたいな小さい畑を作りたいらしい。

 シロも畑作りを積極的に手伝いたいらしい。まあ、自分の食うものは自分で作る。いい心構えだ。


「そうしたら、私と、レオで留守番しているから、みんなで行ってくるといい。その代わり、野菜と川魚のお土産は頼むよ」

一角いずみがそう言って留守番を買って出てくれる。


「レオと二人で大丈夫か?」

俺は心配になる。


「まあ、ツリーハウスもできたし、魔法もあるし、クマが出たらツリーハウスに登って弓矢と魔法で蹴散らしてやるよ」

一角いずみがそう言い笑う。


 そんな感じで、とりあえず、明日はダンジョンでもう少しレベルを上げて、明後日は北の平地に野菜を取りに行きつつ、お昼はお休みして河原でバーベキューをすることになった。

 まあ、肉も焼肉のたれもないけどな。


 その日は夕食を食べて、日課のお祈りをして眠りにつく。

 レオとシロのおかげで見張りを任せて寝られるのはありがたいな。



【異世界生活 29日目 4:00】


 無人島の朝は早い。

 ぶっちゃけ暗くなるのが早いのでやる事もなく20時に寝ると8時間寝ても4時には起きてしまうのだ。


「シロ、おはよう。今日もありがとうな」

俺は夜の見張りをしてくれていたシロに挨拶とお礼を言う。


「おはよう流司りゅうじパパ。これくらいへっちゃらだよ」

シロが元気にそう答える。

 レオが前半、シロが後半の見張りだったらしい。


「おはよう、シロちゃん」

「おはよう、明日乃あすのママ」

明日乃あすのも遅れて起きてきて、シロとあいさつを交わす。  


 そして、他のメンバーも次々起きてくる。


 今日の予定はいつも通り、麗美れいみ先生の剣道教室で鍛錬し、作業をする。


「なんだ、トイレ作りって?」

俺は気になって聞く。すずさんの今日の作業がトイレ作りになっていた。今までは、海岸の岩場の陰に女性用と男性用を作って海にしていた感じだ。


「ああ、それは私がお願いしたの。前の拠点のあった草原あたりに家庭菜園したいなって。で、肥料が必要でしょ? だから堆肥づくりの為にちょっとみんなに協力してもらおうかなって」

琉生るうがそう言う。


「もちろん、衛生面とか匂いとかも気をつけて作るし、大きい土器に枯葉や雑草を入れてそこにしてもらって、たい肥を作りながらみたいな感じかな? それなら匂いもそれほど気にならないだろうし」

琉生るうがそう言って説明するが、みんなは少し気まずそうだ。

 ちなみに土器は大量にあるので、もちろん、トイレ専用の土器だ。


流司りゅうじは今まで通り、海でしろよ。私はいいけど、他の女の子は恥ずかしいだろうしな」

一角いずみがそう言って、俺は仲間外れにされる。

 まあ、そこは、女の子の事情もあるだろうしな。俺は了承する。


「男性トイレも作ろうか?」

琉生るうがそう言うが、それはそれで恥ずかしいので俺は断る。俺しか使っていないトイレを琉生るうが管理するのもちょっとな。


 そんな感じで、まずは、琉生るうすずさん麗美れいみさんで、トイレを作り、残り時間でツリーハウスを作る。

 

 それ以外のメンバー、俺と、真望まも明日乃あすの一角いずみは茶葉を揉んで繊維を壊す作業。

 この間、摘んできた茶葉を日陰干しし、いい感じでしおれてきたので、揉んで茶葉の細胞を破壊し、発酵しやすくする作業をする。

 作業は比較的簡単だ。大皿の土器に茶葉を広げて、手洗いで洗濯するように茶葉をくしゃくしゃになるまで揉む。それが終わったら、濡れた布をかぶせて半日放置して発酵させる。

 残り時間は麻糸作りや麻布作りをし、俺はツリーハウス組に合流する。

 

 レオとシロは薪や荒縄づくりに使う枯草を集めてくれているらしい。


 それと、お昼前に、すずさんが水浴びと洗濯をしたいとのことで、ツリーハウス組は竹林に行き、昨日持ち帰れなかったドロップアイテムの回収と、鈴さんは水浴びをする。

 

「なんか、青銅の素材が増えたからそろそろ本格的な鍛冶もしたいわね」

帰り道そんな話をするすずさん。


「本格的な鍛冶って?」

俺は気になって聞き返す。


「うーん、青銅を溶かして、鋳型に入れて形成し直すみたいな? 簡単なものでいいなら剣とかも作れるし、お鍋とかも作れるかな? でも、お鍋は普通の銅の方がいいか」

そんな感じですずさんは半分、独り言のように色々話してくれた。すずさんも色々考えてくれているようだ。


「まあ、その為には色々鍛冶の道具も欲しいから、今の魔法を使ったレベル上げが落ち着いてからかな? 今、潜っているダンジョンを攻略したら始めるって感じ?」

すずさんが少し楽しそうにそう言う。


「そうだね。武器とか作れるようになったら魔物狩りも楽になりそうだしね。剣があれば、変幻自在の武器は盾として使えるし、戦術のレパートリー増えそうだし、助かるよ」

俺はすずさんの鍛冶に期待する。まあ、今でも刃物を砥ぎ直してくれたり、槍も結構本格的なものにしてくれたりして、十分ありがたいのだが。


 ツリーハウス組はドロップ品を拠点に移動させ、お昼ご飯を食べて、午後はダンジョンに再挑戦。

 真望まもが裁縫関連をやりたいらしいので琉生るうにダンジョン攻略参加してもらう。

 一角いずみも魔法に慣れたし、真望まもの代わりに琉生るうが入っても何とかなりそうだしな。



【異世界生活 29日目 12:00】


 俺、明日乃あすの一角いずみ麗美れいみさん、琉生るうの5人でダンジョンに入る。

 今日もお祈りポイントを使っての魔法使いまくり、赤字覚悟のダンジョン攻略だ。

 昨日拾った皮の防具はサイズが合うものをそれぞれつける感じで、俺は胸当てと手袋だけとちょっとちぐはぐな装備だ。みんなもあるものだけ付けているのでみんな揃ってちぐはぐだ。


 とりあえず、1階2階は余裕があるので、琉生るうにとどめを刺させて、琉生るうを養殖する。

 2階をクリアしたところで琉生るうがレベル12になる。

 真望まもが不参加で、真望まもの昨日の経験値が無駄になった感が気になるが、まあ、どっちにしろ、真望まもすずさんもレベルを上げなきゃいけないんだし、仕方ないか。


 気を取り直し、3階を攻略する。

 俺、一角いずみ麗美れいみさんがレベル15になったおかげで、3階も補助魔法無しで戦えるようになる。あくまでも3体同時攻撃までだが。4体となると、琉生るう明日乃あすのに補助魔法を使ってもらい前衛に混ざる必要がでる。

 とりあえず、3体で襲ってくる深さまでは、レベル15組で叩きのめし、琉生るうにとどめを刺させる。


「うーん、先に4階で琉生るうのレベルを上げちゃった方が良かったかもな」

俺は作戦ミスに頭を悩ませる。

 思った以上に琉生るうに集中してとどめを刺させているのにレベル12からなかなか上がらない。


「ぶっちゃけると、4階のワーラビットだっけ? 人型のウッドゴーレムの方が麗美れいみさんも首を落とせて、レベルが低いメンバーにとどめを刺させるのは楽だもんな。しかもコアが3階は両目の2個で4階は額の1個だしな」

一角いずみが俺の判断ミスを冷やかすようにそう言う。

 しかも経験値も11倍。4階から行けばよかったな。


「まあ、後悔しても仕方ない。4匹出てくるエリアになったら、明日乃あすのも補助魔法をかけて前衛に混じってくれ。別に弱らせなくてもいい。足止めするだけでいいからな」

俺はそう言って明日乃あすのに前衛に入るようお願いする。 


「でも、凄いよね。レベルいっぱい上がったから、今日は結界魔法も使ってないし、補助魔法もいままで使わずにここまで来れちゃった」

明日乃あすのが嬉しそうにそう言う。


「4階の経験値がものすごく美味しかったからな」

俺は明日乃あすのに笑いながらそう答える。


「おい、敵がきたぞ。いちゃいちゃお喋りは終わりだ。しかも4体同時エリアに入ったぞ」

一角いずみが俺達を冷やかすように言い、槍を構える。

 明日乃あすのも補助魔法を自分にかける。


 麗美れいみさんがまず1体目を槍で叩きつぶし、動けなくして、琉生るうにとどめを刺させる。そのまま麗美れいみさんが、明日乃あすのの足止めしていたウッドゴーレムに横槍を入れ、動けなくし、琉生るうにとどめを刺させる。あとは一角いずみと俺が弱らせたウッドゴーレムを琉生るうがとどめを刺して、戦闘終了。この流れをボス部屋まで繰り返す。途中、明日乃あすのの補助魔法が切れ、もう一度魔法をかけて。


 そして、ボス部屋前。

 うーん、ぎりぎり琉生るうのレベルが上がらなかった。

 

「困ったわね。琉生るうちゃんがレベル12でボス部屋行けるかしら?」

麗美れいみさんが困った顔をして言う。


明日乃あすの麗美れいみさんそして俺が補助魔法1重、琉生るうに補助魔法2重にかけて耐えさせる。その間に急いで麗美れいみさんが1匹倒して、琉生るうの敵も倒す。そこから麗美れいみさんがどんどん倒していっちゃって、最後にボスの首を落として琉生るうにとどめを刺させる。そんな感じでいいんじゃないか? そして、補助魔法が切れないうちに4階の1体出るエリアで琉生るうを育成する。それでどう?」

俺は麗美れいみさんに提案する。


琉生るうちゃんがちょっと心配だけどそれで行きましょうか」

そう言ってボス部屋を開ける。

 

 各自、補助魔法をかけ 明日乃あすの琉生るうに補助魔法の2重掛け。一角いずみだけ補助魔法無しだ。ちなみに俺はボスを足止めするために補助魔法を使っているだけだ。補助魔法を使わない一角いずみだけが強いというわけではない。


「じゃあ、いくわよ」

そう言って麗美れいみさんがボス部屋に飛び込み、俺も続き、俺はボスのウッドゴーレム(ワ―ラビット)を必死に抑える。レベル15になったおかげで補助魔法が2重でなくてもなんとかやりあえる。

 そして、麗美れいみさんがどんどん、取り巻きのウッドゴーレム(イッカクウサギ)を倒していき、最後に、俺が抑えていたボスの首を撥ね、転がった首のコア琉生るうが槍で突き、とどめを刺す。 

 そして、皮の鎧シリーズは靴がドロップする。


「わーい、靴だよ。革靴だよ。私も欲しかったんだよね」

琉生るうが嬉しそうにドロップアイテムを拾う。

 琉生るうはみんなより少し足が小さいので、他の人がドロップさせた靴だとぶかぶかだったらしい。

 琉生るうが嬉しそうに新品のような皮靴を履く。


琉生るうちゃん、急ぐわよ。せっかく補助魔法がかかってるんだから、4階も行けるとことまで行きましょ?」

麗美れいみさんがそう言い、俺も慌ててドロップアイテムを拾い、宝箱代わりの木箱も開け、粗悪な青銅の斧も回収、ボス部屋を抜け、4階をめざす。

 補助魔法をかけると、こんな感じで駆け足になるのが玉にきずだよな。



【異世界生活 29日目 15:00】


 4階も基本的に琉生るうのスパルタだ。

 最初は1体ずつ襲ってくるウッドゴーレム(ワ―ラビット)を俺が抑え、麗美れいみさんが横からウッドゴーレムの首を撥ね、琉生るうが床に落ちた首にとどめを刺す。

 3組倒したところで、貢献ポイントで得た経験値で明日乃あすののレベルが上がる。レベル15だ。

 そして、明日乃あすのの補助魔法が切れたので、そこで休憩する。俺達の補助魔法も、もうじき切れるだろうしな。

 見張りを交代しながら、水を飲む。


「なんか、今日は琉生るうの養殖みたいな感じになったな。本当は流司りゅうじをスパルタする予定だったんだが」

一角いずみがそう言って意地悪そうに笑う。 


「その件なんだけど、まずは麗美れいみさんをレベルアップさせるのはどうかな? 皮の防具のサイズを考えると俺がとどめ刺した場合、使えるものがほとんどなくなるだろ? だけど、麗美れいみさんがとどめを刺せば麗美れいみさんのサイズの防具がドロップする。それなら体形が近い一角いずみすずさんも使えるし、明日乃あすのも靴とか手袋は少し緩くなるが使えない大きさじゃない。真望まもも使える物が増えるし」

俺は一角いずみを無視して麗美れいみさんに相談する。


「言われてみるとそうね。流司りゅうじクンに合わせたドロップした防具は大抵誰も使えないもんね。手袋と帽子くらい? もちろん真望まもちゃんの手直しが必要になりそうだけど。それ考えたら、防具が一通り揃うまで私がとどめ刺した方がいいかもね」

麗美れいみさんがそう言う。 


「だが、琉生るう真望まもの防具をそろえるのは一苦労しそうだな」

一角いずみがそう言って琉生るうの全身、特に胸のあたりを見る。


「もう、一角いずみさん! 私だってすぐに大きくなるし、ナイスバディになるんだからね」

琉生るうがそう言って怒る。

 うーん、そうは言ってももう高校1年生だ。大きな変化は期待薄な気もするが。もちろん本人には言わないが。


「とりあえず、今日は琉生るうちゃんを育成して、次回以降は私が防具集めする感じでいいかしらね?」

麗美れいみさんがそう言い。みんな頷く。

 俺のちぐはぐな防具は当分続きそうだな。


 ちょっと長い休憩が終わり、琉生るうのレベル上げを再開する。

 ウッドゴーレムが2体出るようになり、俺、一角いずみ麗美れいみさんが補助魔法を使う。

 そして、2体4組を倒して補助魔法が切れ、また休憩。

 麗美れいみさんがレベル16に、琉生るうがレベル14になった。しかも、琉生るうはもう1戦すればレベル15になりそうだ。


 そこから3体で襲ってくるようになったので、琉生るうも補助魔法をかけ敵の足止めに参加する。

 その戦闘で琉生るうのレベルが15になり、それ以降は麗美れいみさんのレベル上げ&皮の防具集めになる。


 そこから4戦3体の敵と戦って麗美れいみさんがレベル17に、俺と一角いずみが貢献ポイントによりレベル16に、琉生るうも貢献ポイントでレベル15に上がる。


 琉生るうもサクサクとレベルが上がり、戦闘も余裕が出てきだし、4体出てくるエリアでも全員補助魔法をかけることで結構余裕を持って戦えるようになった。


 そしてボス部屋まで、敵3体の組を1組、敵4体の組を3組倒し、補助魔法をかけ直し、もう2組4体を倒す。

 ボス部屋の前で、麗美れいみさんはレベル19に明日乃あすのがレベル16になる。


「ねえ、流司りゅうじクン、これ、ボスも倒せるんじゃない? 私がボスを足止めするから、いつもの私の役を流司りゅうじクンをやる感じでさ? いけるんじゃない?」

麗美れいみさんが俺を誘う様にそう言う。


「そ、そうだな。麗美れいみさんと俺、補助魔法の2重掛けならいけるかもしれないな」

俺は麗美れいみさんに乗せられてそう言う。


流司りゅうじ、ヘマするなよ。麗美れいみねえほど槍の使い方が上手くないんだからな」

一角いずみが笑いながら俺を冷やかす。

 ただ、ボス部屋に入る前提で冷やかしているってことは期待されているってことか?


「だったら、一角いずみも補助魔法2重掛けして、左右から潰していくのはどうだ? 掃討が早ければ危険性もかなり減るし、どっちかがしくじっても何とかなりそうだし」

俺は一角いずみにそう提案する。


流司りゅうじ、弱気じゃないか。まあ、弱気なのはいつもの事だけどな。流司りゅうじがミスして、困るのは麗美れいみねえ明日乃あすのだし、まあ、悪い作戦ではないな」

一角いずみが嫌味を言いつつも提案に乗ってくれる。


 結局、大事を考えて、全員に補助魔法を2重掛けして挑むことになった。

 明日乃あすのが聖魔法の補助魔法を全員に掛けてステータスアップ。さらに各自の補助魔法を掛け、素早さなどが上乗せされる。


 ボス部屋の扉を開けると、2足歩行のウサギモドキが5体立っている。ワーラビットを模したウッドゴーレムが5体だ。


「いくわよ?」

麗美れいみさんが少し緊張気味に声を掛けて飛び出す。


 麗美れいみさんはレベル19になったとはいえ、ステータスは平均的で素早さも高い方ではない。補助魔法の2重掛けをして素早さが1.5倍程度になったとはいえ、レベル20で素早さ特化の今回のボスに対応するのは厳しいだろう。

 俺がなるべく早く周りの取り巻きを倒して、麗美れいみさんのフォローに入らないと大変な事になるかもしれない。


 そんな事を考えつつ、麗美れいみさんに続きボス部屋に飛び込む。


 すると、先行する麗美れいみさんに目にも止まらぬ速さで飛びかかる、ボスウッドゴーレム(ワーラビット型)。

 麗美れいみさんが1撃目を槍の穂先で受けて、穂先の逆の槍の柄で反撃するも、バックステップで避けられ、サイドステップを繰り返し、麗美れいみさんの攻撃を何度も躱し、逆に手に持つ青銅の粗悪な斧で麗美さんに攻撃を入れる。

 麗美れいみさんに左右から激しい蓮撃が放たれ、麗美れいみさん自身、何割かは躱したり受けたりできているのだが、すべてを捌ききれず、ジワジワとダメージを受ける。

 反対隣にいた一角いずみも呆気にとられている。


明日乃あすの! 結界魔法! みんな明日乃あすのの元に集まれ。一度立て直す」

俺は慌てそう叫び、明日乃あすのが詠唱できるように守る位置にポジションを変え、明日乃あすのも慌てて結界魔法を使う。そして麗美れいみさんの方に走り寄り、結界内に麗美れいみさんを入れる。

 

 そして、部屋の真ん中に明日乃あすのが陣取る形になりみんなも結界に入る。

 敵は結界に気づき、包囲するように距離をとる。


「やっぱり、攻撃してこないか」

俺は予想通りの敵の行動にそう呟く。


「ごめんね、不甲斐ないところ見せちゃったわ」

麗美れいみさんが申し訳なさそうな顔でいう。


「仕方ないよ。敵が予想以上に早かった。明日乃あすの麗美れいみさんに回復ビールを」

俺は麗美れいみさんを慰めつつ、明日乃あすのに回復をお願いする。麗美れいみさんのHPヒットポイントが15も下がっていた。


「どうするの? 流司りゅうじお兄ちゃん。撤退する?」

琉生るうが心配そうにそう聞いてくる。


「いや、もう一度戦う。今度は俺がボスに当たるから、麗美れいみさんはいつもの流れで取り巻きを倒していって」

俺はみんなにそう提案した。


「でも、流司りゅうじクン、どうするの? レベルが高い私でも相手にならなかったのよ?」

麗美れいみさんが不安そうに俺に聞く。


「俺の闇魔法を試してみる。『横取り(スナッチング)』。敵のステータスを下げて、自分のステータスに加算する魔法だ。流石にそこまでステータス上げれば、ボスだろうと抑えられるだろ?」

俺は麗美れいみさんにそう答えて笑う。


「ただ、倒すのは無理だろうから早めに助けにきてね」

俺は冗談混じりにそう付け足す。


「ふふっ、わかったわ。取り巻きは急いで全滅させちゃうわね」

麗美れいみさんも笑う。


「じゃあ、そういう事で、各自自分のターゲットを確認し合ってから仕掛けるよ」

俺はそう言ってみんなに敵を確認させつつ、『横取り(スナッチング)』のスキルを習得する。


「準備はいい? じゃあいくよ。闇の精霊よ、神の力を借りて、魔法の力とせよ。『横取り(スナッチング)』!!」

俺はボスのウッドゴーレム(レベル20ワーラビット)に魔法を放つ。

 そして、ボスと俺の体が闇の精霊と同じ色の闇に包まれ、むくむくと俺の力が上がるのがわかる。

 まあ、そうは言っても、補助魔法との3重掛けでも、1.8倍くらいか? 今回は敵のステータスが下がることが重要だけどな。

 

 それを合図に俺は変幻自在の武器を槍ではなく両刃の剣に変化させ、ボスに走り出し、みんなもそれぞれのターゲットに対し走り出し、四方に広がる。


 俺は、ボスウッドゴーレムと対峙する。敵の素早いステップに合わせて、俺も前後左右に動き、敵の攻撃を両刃の剣で叩き落とす。


 よし、対応できている。俺の素早さが敵と拮抗しているし、何より、ボスウッドゴーレムの動きがさっきより若干だが、悪くなっている気もする。


 俺は適度な間合いをとり、敵の攻撃をいなし続ける。

 倒す必要はない、麗美れいみさんが取り巻きを全て倒して助けに来てくれるまで無傷でボスの気を引き続けていればいいだけだ。


 そんな感じで、足を使って、ボスを翻弄させつつ、周りが落ち着くのを待つ。


流司りゅうじクン、おまたせ。私が倒す?」

麗美れいみさんがそう声をかけてくる。


「いや、これならいけそうだ」

俺は麗美れいみさんの声を聞いて落ち着いてボスとの戦いに専念できる。


 ボスウッドゴーレムは俺が守りに徹していることに焦っているのか、攻撃に集中し過ぎて隙も多く出だしてきた。


「そこだ」

俺はそう呟き、ボスウッドゴーレムの左の武器と右の武器での連続攻撃、力の入り過ぎた右の一撃を、軽く剣で受け流すと、そのまま、ボスウッドゴーレムの右側にすり抜け、敵の右腕の上を滑らすように、両刃の剣を進め、首に刃が当たり、そのまま首を掻き切る。

 宙を舞う、ボスウッドゴーレムの首。

 動かなくなる首から下の体。

 これで戦闘終了だ。


流司りゅうじ、とどめを刺しな。次回から、流司りゅうじのスパルタだから、なるべく多くの経験値、取っておいた方がいいぞ」

一角いずみが悪い顔をしながら俺にそう言う。


 俺は一角いずみに勧められるまま、床に落ちているボスウッドゴーレムの頭についているコアを両刃の剣で貫く。


「さすが、レベル20のウッドゴーレムだな。経験値が凄いことになったぞ」

俺はレベルが上がりホクホク顔になる。


 この戦いで俺と一角いずみはレベル17に、麗美れいみさんはレベル20に、琉生るうもレベル16になった。


「どうする? 5階も行ってみる?」

麗美れいみさんがそう聞く。


「最初の1体だけ倒して帰ろう。補助魔法がもう少し効いているだろうからみんなで囲んで倒す感じでいけるだろ?」

俺はそう言って、急いでドロップ品を回収して帰る。



【異世界生活 29日目 16:30】


 結局、5階の1体目を俺、一角いずみ麗美れいみさんで囲んで倒して、階段のあるエントランスに戻ったところで魔法切れ。


「流石に5階のレベル20のウッドゴーレムで経験値稼ぎは避けよう。いくらなんでも補助魔法使い過ぎだし、お祈りポイントがいくらあっても足りなそうだしな」

俺はそう言って撤退を希望する。


「そうね。ちょっと割が合わないかな? 服を着ているところにダメージ受けると、服破れちゃうみたいだし」

そう言って、お腹のあたりの服の穴をペロンと捲るとおへそが丸見えになる。


 なんか、普通にビキニ姿をみるよりエロくて少し恥ずかしくなった。


「もう、流司りゅうじクンのエッチ」

視線に気づいたのか麗美れいみさんにそうからかわれる。

 

HPヒットポイントというバリアみたいな概念は皮膚スレスレに働いているようだね」

俺は誤魔化すようにそう言って、麗美れいみさんの鋭利な刃物で切られたような服の袖をみる。

 服は切れているが、中に見える二の腕にはキズは無さそうだ。


「と、言う事は、鎧や厚い毛皮の服とか着ておけばダメージ軽減できるということか」

一角いずみがそう気づく。


「ただし、気をつけないと防具は壊れちゃうみたいね」

麗美れいみさんが左手に着けていた手袋をみんなに見せると手袋にも大きな傷がついていた。

 何も考えず、葉っぱの服で来ていたら麗美れいみさんも危なかったってことか。


「なんかよくできているな」

「こういうところはゲームみたいだね」

俺の呆れ声に明日乃あすのも呆れる。


「ドロップした防具はストックしておいた方がいいかもな」

一角いずみが珍しく真面目な顔でそう言う。確かに壊れた時の替えは必要だな。


 とりあえず、無理やりな形で4階もクリア。5階に挑戦できるようになった。


 本日のドロップアイテム


 ウサギの毛皮 たくさん(持てない分はエントランスに放置)

 ウサギの青銅の爪 たくさん(同上)

 ウサギの青銅の角 15本(同上)

 粗悪な青銅の斧 25本(同上)

 皮の靴 5

 皮の胸当て 4

 皮のグローブ 4

 皮の帽子 3


 ちなみに俺の皮の防具は4階のボス戦で靴を手に入れて帽子以外はコンプリート。

 琉生るうも今日一日頑張ったので鎧、手袋、靴、帽子、皮の防具がすべて揃った。


 今日使ったお祈りポイントは8100ポイント。

 38500あった貯金が30400に減った。一日6000しか回復しないので堂々とした赤字だ。


 ちなみに仲間たちのレベルはこんな感じだ。だいぶ強くなったな。 


 流司りゅうじ  レベル17 レンジャー 剣士 

 明日乃あすの レベル16 神官 聖魔法使い 剣士

 一角いずみ  レベル17 狩人ハンター 剣士

 麗美れいみ  レベル20 医師 剣士 治癒魔法使い見習い

 真望まも  レベル15 剣士

 すず   レベル11 鍛冶師見習い 剣士

 琉生るう  レベル16 テイマー見習い 剣士


 とりあえず、エントランスに置きっぱなしのドロップ品を竹林にある臨時倉庫に運んでから、拠点に帰ろう。

 無茶し過ぎたせいか、みんなへとへとだ。


 次話に続く。


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― 新着の感想 ―
[一言] ダンジョンも4階のボス部屋前まで攻略してひと段落、週休2日じゃ無いんだ〜って思っちゃいましたwそしてここまで来るとなんかゲームと似た感じになってきましたね。レベル上げ頑張っていつか最強になる…
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