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厨二で何が悪い! ~前世の記憶が最強すぎて他の召喚者たちがまるで相手にならない。Eランク勇者の俺が世界を救ってみせる~  作者: その辺の双剣使い
3─3

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134.駅舎での再会



 予定どおり、ベラドーナには昼を少し回ったくらいで到着することができていた。

 ダンジョンの深層部にたどり着くまで数日かかるため、俺たちは二日かけて物資の調達をおこなうという予定を組んだ。

 先に宿を取り、この都市で最も大きな商店街に向かう。帝国第二の人口を誇る都だけあって、街はかなりの賑わいを見せていた。


「帝都と同じように、ここでも魔道列車が走っているみたいだな」


 街を走る列車を見て、俺はエリスと初めて帝都を巡った時のことを思い起こす。

 ここに至るまでの間にも、いくつか駅舎のある所はあったが。統制された魔物の襲撃が頻発することにより、現在は辺境の町での運行はしていないようだった。


「噂には聞いていたにゃけど、列車なんて初めて見たにゃ! あんな鉄の塊を走らせるにゃんて、外界の人間はなかなか凄い技術を持っているようにゃね」


 独り言のつもりだったが、俺の呟いた事にそう反応するアイシャ。

 確かに、魔法と重工業を併せ持った技術は凄いと思うが。後者の方に驚いているのなら、彼女にも俺の世界を是非とも見せてやりたいものだ。


「時間があったら乗ってみるか?」


 無邪気にはしゃぐアイシャを見て、俺はついそんな事を口走ってしまう。

 言った瞬間ミコトの反応が気になったが、彼女は特に反対している感じでもない様子だ。

 当然アイシャは大喜びである。俺も早いうちに、冒険者登録証を電子マネーとして使ってみたいと思っていたところだ。


 電子マネーのような感じで使える物としてはいくつかある。通常の金融機関が発行する物が一般的だが、冒険者登録証もその一つである。

 依頼を達成した報酬は、受け取らずギルドに預けておく事ができる。その残高を上限に利用できるという仕組みだった。

 因みに、それを使っての借り入れはできない。また、そういったカードを使っての支払いは公共の交通機関や大きな店舗だけに限り、普通の商店などでは現金払いが一般的だ。


「列車が使えたら、もっと早くここに到着できていたのにね。召喚者たちは、何でこんなにちんたらやっているんだろうって思うよ」


 ミコトの発言により、俺はクラスメイト達のことも思い起こす。

 確かある程度の強さを得たら、闇の帝王が送り込んだ軍団の拠点を潰しにいく、という話になっていたはずだが。いい加減、そろそろ強くなっていても可笑しくない頃のはずだ。


 そんな彼らの状況は、この後すぐに知るところとなる。


 商店街である程度の買い物を終えた後、さっそく列車に乗ってみようという話になる。

 近くの駅舎まで行ってみたところ、見覚えのある連中が冒険者と思われる者たちに対し何か指示を出しているようだった。


「なにノロノロやってるんだ! 早く荷物を積み込んで出発するぞ!」


 近くまで寄ってみると、冒険者たちに怒声を浴びせていたのは、川越悠仁のパーティーに所属していた越谷悠里(コシタニユウリ)だった。

 そんな感じのキャラじゃなかったと思うが、ずいぶんと態度が偉そうである。

 少しだけ試してみたいと感じた俺は、思いきって越谷の奴に声をかけてみる事にした。


「ちょっと訊ねたいんだが。あんたらひょっとして、鉄道の護衛なのか?」

「なんだお前ら、新たに派遣された冒険者かなんかか? 女ばかり連れやがって、いけすかない野郎だな!」


 仮面をしているせいか、どうやら俺の事には気づいていないようである。


「俺たちは確かに冒険者だが、別に仕事でここに来たわけじゃない」

「だったら邪魔だから、とっとと失せな!」


 本当に横柄な態度である。非常にムカつくので、あえて騒ぎを起こす目的でおもいっきりぶん殴ってやろうか。

 そんな感情を抱きつつも、俺はその気持ちをグッと堪える。いくらエリスに存在をアピールしたいとはいえ、やはり悪い方で目立ちたいとは思わない。


 拠点の攻略はまだのようだが、とにかく何かしらの実務には就いているようなので取りあえず安心はした。

 ここで正体を明かすわけにもいかないので、俺は「そうか、邪魔して悪かったな」とだけ言って越谷のもとから離れる。

 川越パーティーは確か、陰キャ男子と草加だけで構成されている連中だ。それが理由か越谷の悪感情が、俺の背中に突き刺さるように感じた。


「今の子は確か、越谷っていうクラスの子だったよね? 少しだけでも、あの子たちの近況を聞いたりしなくて良かったの?」


 さっきの場所から少し離れたところで、アムはそう俺に対して質問してくる。

 それにしても、よくバレなかったものだ。天使のときの容姿と殆んど同じなわけだし、奴に取り憑いている仲間の天使に気づかれていても不思議ではなかった。

 やはり以前に彼女が言っていたとおり、しっかりと融合できている連中には、それほど天使の声が聞こえてないという事なのだろうか。

 兎に角これで、仮面さえしていれば正体がバレないという事だけは確認できた。


「別に構わないさ。そのうち連中の噂も、自然と聞こえてくるようになるだろ」


 俺は、アムの問いかけに対してそう素っ気なく答える。

 少しも気にならない、というわけでもないが。奴の反応からしても、ここで無理をする必要など全くない。


 チケットの購入を済ませると、タイミング良く市内を循環する列車がホームに入ってくる。

 しかし、列車が停止するなり、どういうわけか運転を見合わせるアナウンスが、ホーム内に繰り返し流れはじめた。

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