二
唯は武器を弾き飛ばし、オルガは加減しながら殴り蹴り、ジェーノは魔法を地面向けて放ち近寄らせず…それぞれが上手く立ち回って攻防を熟している
そして俺は……上手く加減出来ないので苦肉のデコピン攻撃で何とかするしかなかった。攻撃を躱してデコピンを身体の武装していない何処かしらにお見舞いをする。かなり痛いらしく一撃で無力化することに成功してるので、現状多分これが最適解かもしれない。
「く、くそっ!!こいつら滅茶苦茶強いぞ!!!」
「頼むから話を聴いてくれないか?私達はダイオン王の頼みでこの街に援助を願いに来たんだ」
「……何…!?待て、攻撃止め!!」
兜を被った男が大きく声を上げ、その一言で襲い掛かる手はぴたりと止まった。一先ず話をする機会は設けられるようだ
唯の元へその人は歩くと兜を取りーーーーダイオン王と同じくらいの年齢をした男の顔が露わになった
「…今の話は本当か?」
「本当だ。これを」
腰に下げている小袋からダイオン王の書状を取り出し、その人に渡す。唯に預かってて貰って良かった…俺は無くしてしまいそうだし、オルガも同じくだった。
受け取った書状を読み終え、わなわなと震えたかと思うとその人は勢い良くその場に膝を落として頭を下げる
「申し訳無い!!まさかダイオンの使いの者とは知らず大変な無礼を働いてしまった!!」
「あ…分かって貰えたのならそれで良いのだけれど…」
「何をしている!!お前達も頭を下げんか!!!!」
『すっ…すみませんでしたーーーっ!!!!』
鶴の一声ってこの事を言うんだろうな…敵対していた皆は一斉に武器を置いて皆一様の動作をする。まあ…土下座ですね
土下座してない人もそこそこいるけど…その人達は皆気絶してしまっているので仕方無いだろう
「無礼は許してやるから泊まる場所を寄越せ。ずっと歩き詰めで疲れているのだこっちは」
オルガは腕組みしながら太々しく要求する。うーん、相変わらずの不遜。
「それは勿論!おい!」
「はいっ!こちらになります!どうぞ付いてきて下さいっ!」
この人は宿屋の店主なんだろう。わたわたと慌ただしく俺達の事を案内して来る
…まあ、一悶着あったけど結果的には今日のうちにダイオン王の書状も渡せたし、宿も取れたし良かった…のかな?




