十五
唯の考えは実に単純だった。俺を休ませる…それだけだった
休ませるというか…大剣を振らせてくれない。俺が攻撃しようと大剣を構える前に魔物は唯によって一掃され、戦闘を強制的に終えさせてしまう
余力を残す事をせず初手から全力で魔物を斃しに掛かっている
「お、おい……大丈夫か?」
「…問題無い。今日辺りソマールが見えてくる頃だろうし」
あのオルガでさえ唯の気迫に気圧されてしまっている。けど、明らかに無理しているのは明白で既に唯は息を切らし始めている
それでも魔物は絶えず襲い続けて来る。本当に多い
魔物を唯はまた一瞬で葬り去ってしまう。息を切らすどころか喉が唾を上手く通せずに咽せて咳き込んでしまっていた
「唯!無理するなって!」
「……私の心配より、自分の身体を心配して欲しいんだが。今日君は剣を構えなくて良いよ」
「なっ…!?おかしいだろそんなの!!」
「おかしいのは君だよ!」
「お、おい言い争いは『オルガは黙っててくれ!!』
そうかよ。唯がそうするなら俺だってそうするよ。唯が休めるように魔物を斃してやる!
また襲い掛かって来る魔物を斬り掛かりに行く唯より先に大剣を振り、魔物を斃す
怪力のお陰で一気に距離を縮められるから一瞬の加速だけなら負けていない。体力の尽きが近い唯はいつもより動きが鈍くなってる…正確に速く大剣を振ってさっさと斃す!
「休めと言ってるだろう!?」
「ああそう!なら俺も言わせて貰う!そんな状態じゃいつ魔物に遣られるか分からないから休んでてくれ!」
「なっ…!?私がどんな思いでこうしてるか分からないのか!?休めと言ってるだろうが!」
「休むのはそっちだっての!!」
「この…!!」
「何だよ!?」
「……凄いなぁ…言い争いしながら次々魔物を斃してる…」
「……何を見せられてるんだ私達は……」




