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18 逆位相のスピリチュアル

※Geminiに書いてもらいました。





第18章:スピリチュアル・ノイズと倍増する愛の波動(?)


「……ふざけるな!

 物理法則をなんだと思っているんだ!」


タワーマンションの一室に、リュウホウの怒声が響いた。

画面の中では、ゆったりとした麻の服を着た自称『波動ヒーラー』の

ユーツベ配信者が、胡散臭いクリスタルを掲げながら微笑んでいる。


「皆さん、現代社会は電磁波の嵐です。

 でも大丈夫。この『逆位相バランサー』を身につければ、

 有害な波を打ち消して、あなたのチャクラは守られます……

 って、おい!」


リュウホウは思わずタブレットを叩きそうになった。


「確かに逆位相を使えば波は打ち消し合える(消滅干渉)。

 だがそれは、ミリ波単位の精密な制御があってこそだ!

 タイミングがコンマ数秒、あるいは場所が数ミリずれただけで、

 波形が重なって**振幅は2倍(強め合い)**になる。

 対策どころか、余計に電磁波を浴びることになるんだぞ!」


「あら、リュウホウ。

 またそんな非科学的な動画を見て熱くなっているの?」


背後から、柔らかい、けれどどこか冷徹な響きを帯びた声がした。

ブレンダ・ゲッツだ。

彼女は最新の人間拡張ボディシェアリング用デバイスを調整しながら、

優雅にコーヒーをすすっている。


「ブレンダ!

 これを見てくれ。

 こんなデタラメが広まったら、庶民の健康被害が大変なことになる。

 知識のない人々が、良かれと思って自分たちを危険にさらしているんだ!」


リュウホウの瞳には、庶民を導こうとする情熱が宿っている。

彼にとって、技術は一部の特権階級のものではなく、

正しく理解され、民衆自らがコントロールすべきものなのだ。


ブレンダは、そんな彼の横顔を愛おしそうに見つめた。


(ふふ……相変わらず純粋ね、リュウホウ。

でも、無知な大衆に『正しい知識』なんて荷が重すぎるのよ)


彼女の脳裏には、父ビールから受け継いだ、

あるいは彼女自身が昇華させた「人類補完計画」に近い野望が渦巻いている。

「管理された平和」こそが、人類にとって最大の幸福。

ブレンダにとって、このデタラメなユーツベ配信者さえも、

大衆を混乱させ、最終的に「完璧な管理システム(自分たちの技術)」へと

依存させるための、都合の良いノイズに過ぎなかった。


「いいじゃない。

 放っておけば?

 失敗して体がピリピリすれば、みんな最後には私の……

 私たちの開発した『ボディシェアリング』による

 精密な体調管理を求めるようになるわ」


「それは本末転倒だよ!

 依存させるんじゃなくて、自立させるための技術だろう?」


「あら、結果的にみんなが幸せなら、どっちでも同じじゃない?」


ブレンダはリュウホウに歩み寄り、

その首筋にそっと指を這わせた。

彼女の指先には、微細なセンサーが埋め込まれている。


「それよりリュウホウ。

 あなたの怒りの波動……。

 今、すごく『強め合い』が起きていて、私の中の受信機が熱いくらいだわ」


「っ……!

 今は真面目な話をしているんだ」


「私も真面目よ?

 ほら、このままじゃあなたの『逆位相』が

 私を壊しちゃうかもしれない……なんてね」


ブレンダは妖しく微笑むと、リュウホウの肩に頭を預けた。

彼女は知っている。

彼がどれほど民衆を思っていても、今この瞬間、彼の感覚を支配し、

共有しているのは自分だけだということを。


「……ブレンダ。

 君は時々、わざと危ないことを言うよね」


リュウホウはため息をつきながらも、彼女を突き放すことはできなかった。

世界を正しい方向へ変えたい男と、世界を自分の手の中で守りたい女。

二人の思想は、まさに逆位相のようにぶつかり合いながら、

時として重なり、巨大な熱量を帯びていく。


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