エピローグ
日本に戻ってきてから1週間が経った。
いきなり部屋に現れたことに驚いて言葉を失う奏に、血を流していることに俺の方まで慌てふためいてしまった。まさか!!と嫌な思いが掠めたのだが、病院で診察を受けると胎盤剥離もなく切迫早産の可能性はなくなっていた。
慌てて奏を抱きしめながら神聖術を使ったのが功を奏したのかもしれない。
こっちの世界に来ても魔法は健在だったのだ。
お蔭で俺が体験した不思議な異世界の物語を信じてもらえたので大助かりだった。
「ふふふ、魔法なんか見せなくても私はアキラ君のこと信じるよ」
「ありがとな」
会社はクビになって周りからは身重の妻を置いて逃げ出したくそ野郎と思われていたのだ。異世界から持ち帰った貴金属である程度のまとまったお金はあるけども、信用を失っていればお金なんてあっても意味がなかった。
だから、信じてくれていた奏には本当に心から感謝している。
「ほかの人の前でも魔法使えばいいじゃない。そしたら、アキラ君に起きたことみんな信じるのに……」
「いいんだよ。それに魔法もいくらでも使えるわけじゃないんだ」
「そうなの?」
「ああ」
あの世界には空気中にマナという成分が含まれていた。呼吸することでそれを体内に溜め込んでいたのだ。だから、この世界に戻ってきても魔法を使うことができた。でも、それはいずれ無くなる。奏を治療できたように、この先なにかあった時に神聖術を使うことができればきっと役に立つと思う。
「これは俺たち家族だけの秘密だ。だから、見せるとしたら奏と生まれてくる子供たちだけだ」
「子供たちってこれから一人目なんだよ」
「わかってるさ。でも、一人っ子じゃさみしいだろ」
「そうね。次は男の子がいいかな」
「俺も息子が欲しい」
「うん」
そのためにはしっかり働かなきゃいけないなと、俺は思う。当面お金の心配はないけども、親父が無職っていうのはよろしくない。でも、しばらくはこの幸せをゆっくりと味わいたいと思う。
小さなソファに二人で腰かけて、ただただ流れるときに身をゆだねる。
彼女のお腹に乗せている手が胎動を捉える。
「あっ、動いた」
「この子も弟がほしいって言ったのかも」
「はは、そうかもな」
完
拙作にお付き合いくださりありがとうございます。
最初は戻ってきても、また別の世界に召喚される予定でしたがこんな感じの終わりにしました。
この作品を書き始めたのは、プロットをしっかり作ってる作品
『生贄として召喚された私が歴史上最悪の悪女と呼ばれた理由』
のアクセスが伸びなかったため、筆休めと気分転換にプロットなしの作品作りをしてみました。
そのため伏線も起承転結もめちゃくちゃだった気がします。
(ハーレムルートにするつもりが全くできなかった)
やっぱり才能のない自分には行き当たりばったりな作品作りは向いてないようでした。
そんな作品に最後までお付き合いくださりありがとうございます。
先に上げた作品はそれなりにプロットを作っているので、もう少し楽しめるかと思いますので
よろしかったら読んでみてください。現在3章が始まったところです。
https://ncode.syosetu.com/n4101gv/




