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1日目 23時から24時 能力の確認 

「待ってください、アキラ様――――」

「なんだ。エリノスは城に戻らなかったのか」

「戻らなかったのか、じゃありませんよ。アキラ様を一人にできるはずないじゃないですか。アキラ様いるところに私ありです。一人で怪我をしたらどうするつもりだったんですか」

「一人だしスキルや魔法の検証をしようと思っていたくらいだし、大丈夫だろ」

「それでもですよ」


 口をぷくっと膨らませる様子は年相応の少女という感じで、とても王女様とは思えない。そんな風に砕けた感じで接してくれるというの正直楽でいい。大体、会社でもどちらかといえば下っ端の方でかしこまった物言いをされることはあまりなくやり難かった。


「で、少し聞きたいんだが、スキルについて教えてもらってもいいか」

「うぅ……話を逸らしましたね。まあいいですよ。何が聞きたいんですか?」

「今の俺のレベルとスキルはこんな感じなんだが――


名前:アキラ=オクムラ

レベル:6

称号:勇者、愛妻家、親バカ、社畜、ストイック、訓練バカ

物理攻撃力:728(+72)

魔法攻撃力:777(+77)

物理防御力:675(+67)

魔法防御力:669(+66)

敏捷性:735(+73)


スキル:言語理解5、成長補正10、親和性2、忍耐4、剣術2、体術2、回避2、火魔法2、水魔法1、風魔法2、光魔法1、毒耐性1、麻痺耐性1、混乱耐性1、精神耐性5、身体強化1、魔力操作1、付与1、


ステータスの横のかっこは身体強化によるものなのか?」

「ええ、そうですね。体を動かすときに魔力を流すことで身体能力の底上げを行うものです。スキルレベルを10まで上げると、単純にステータスの倍までの力を発揮できることになりますが、その分魔力消費も大きくなりますので使いどころを間違えないようにしてください」

「ふーん。でも、使っていかないとスキルレベルも上がらないんだよな」

「それはもちろんそうです」

「自分の魔力の残量ってのはどうやったらわかる」

「……感覚としか言えないですね」

「そういうものか。じゃあ、次に付与っていうのは何のことなんだ?」

「付与はそのまま魔法の力を肉体、あるいは武器に付与するためのスキルになります。身体強化を使うためにも必要になりますし、剣術を使用する際に火魔法を付与することで炎を纏った剣撃を放つこともできるようになります」

「ほう。それは使い勝手がよさそうだな。よし、その辺を練習するか」

「付与は魔法を扱うよりかなり難しいものになりますよ」

「ま、やってみるしかないだろう」


 わかりやすいところから、剣に炎を纏わせてみよう。

 剣を構えて燃えるところを想像しながら魔力を流してみる。だけど、ファイアボールを出すときほど簡単にはいかない。そこで視点を変えてみて剣にガソリンが掛かっている状態をイメージする。あとは着火のイメージだが、そこがどうにもうまくいかない。

 初めてファイアボールを出した時は思わず声が出てしまったが、どうにも魔力を別の何かに変換するときには声のようなきっかけがないとダメなのかもしれない。

 そんなわけでマッチを擦るイメージで、


「ファイアソード」


 剣身から炎が噴き出した。

 剣そのものが燃えているわけではないのだろう。炎を纏っている割には鉄が赤くなることはない。それとも温度が低すぎるのだろうか。手に持っているだけでも結構な熱量を感じるけども、それほど高温ではないのかもしれない。


「さ、さすがはアキラ様。難しい付与術もこれほどあっさりと」

「そうでもないと思うけどな」


 温度が低いのか、ガソリンをイメージしたのが間違いか。炎の温度は赤が確か一番低く、次が黄色、そして白、青だったか。青で1万度くらいだったはずだ。だけど、単純に青い炎をイメージしても変化ないようだし、酸素をどんどん流し込むイメージでどうだろうか。鉄を溶かすのだってふいごを使って酸素を送り込むことで高温にあげていたはずだ。


「これでどうだ――」


 持ち手の部分に炎はないとはいえ、すぐ上で火が燃えていれば恐ろしく熱い。


「な、何をなさっているのです。この辺一帯の温度が急に上がっているような、ですが魔法の火でそのような……」


 額から汗が噴出しているのが感覚的にわかる。

 もっと酸素を。

 もっと酸素を送ってやれば高温になるはず――


「あつっ!!」


 剣身が赤くなったと思った次の瞬間、鉄製の刃はぐにゃりと重力に引かれて曲がってしまった。熱さに思わず手を放すと地面に落ちた剣から火がすぐに消えてしまう。


「しまったな。城に戻した連中に武器を持ってこさせるべきだったな」

「そ、そういう問題じゃないですよ。どうするんですか、ダンジョンのど真ん中で武器もなしに」

「ゴブリンしか出ないし、それに体術を鍛えるチャンスにもなるだろ」

「あ、あなたという人は……」


 そんなわけで、迎えが来るまでの間、徒手空拳でのレベル上げに精を出すのだった。


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