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相棒はハムスターの錬金術師  作者: tanuki
15/15

Finn


国境の町リバポートについた元々右岸と左岸の町両方でリバポートだったのだが紛らわしいので右岸がリバポート、左岸がポートリバになったらしい、リバポートの冒険者ギルドで冒険者移動の手続きをしてもらい国境を越えるにはどうしたらいいか尋ねるとここで出国手続き出来るという事なので早速してもらい越境の船に乗った。

「でっかい船だね」

「ああ!馬車ごと乗れるからな、この河を1時間に一回往復してるんだぜ」

「ん、向こうで船饅頭買う」

「ソフィアそれは甘いのかい」

「ん、ミュー先生は甘い物の話をよくしてくれた、だから甘いはず」

そうかソフィアの旅の甘い物情報はミュー先生からか

向かい岸について入国審査のカウンターに向かう

「入国ですね身分証と出国証をお願いします」

すなおに身分証とギルドでもらった出国証を渡す

「ん?これには30才とありますが」

久しぶりに聞いた台詞だ

「はい、合ってますエルフの血が入っているので成長が遅いみたいです」

ハーフはどうやら存在していないみたいなので説明を変える事にした

「そうですか、珍しいですね、そちらのお子さんは?」

「この子はエルフで見た目通り五才ですのでまだ身分証がありません今回は里帰りです」

「わかりました、念のため犯罪水晶で確認しますね」

いつものように水晶に手をおくと青く光りだした

「はい結構です、ようこそポートリバへ」

入国審査の建物を出ると川岸に倉庫が立ち並び人々が忙しそうに働いている、少し歩くと商店街が見えてきた。

「じー」

ソフィアさんそんなにアピールしなくても買いますよ

「おばさん、船饅頭二つ下さい」

どんな物かと思ったら葛餅みたいな皮で餡子が包んであったうん美味しい

「これにはちゃんと餡子が入っている」

「ああ!この辺の特産だ、トポックで作った時もこの豆使ったんだぜ」

「エメリオは何でも持ってたんだな」

「ああ!錬金術ばかり研究してた、どんな物も細かく砕いては実験していたらしい」

「すごいな科学的に研究してたんだな」

「ああ!それに、素材になりそうならドラゴンでも自分で狩に行ってたからな」

「ん、ドラゴン強そう、でも勝つ」

あのーソフィアさんは何を目指してるなかな?

今日はここで宿に止まって明日出発しよう、あ、市場で小豆と食材を仕入れておかないと。


「ラスク、何処へ向かえばいい?」

「とりあえずこの国の首都シュウメイラ聖光国だな!その向こうに大森林がある」

「ん、シュウテラはミュー先生一押し」

ミュー先生情報だから多分お菓子だろう、国の名前が入ったお菓子か美味しそうだ、ミュー先生もエルフだからこの国出身かな。

ポートリバを出て三つ村を越えた途中の村で薬の行商しながら三週間ついに首都が見えてきた。ラスクによるとこの国は女神メイラへの信仰心が高く自然を愛する人が多いらしい。街道から続く門の上の女神像がこちらを見下ろしている、門番と何時ものやり取りをして冒険者ギルドに向かうことにした。

「こんにちは、冒険者移動の手続きをお願いします」

「はい、それでは身分証をお願いします」

身分証を受付の綺麗なお姉さんに渡す

「Cランク冒険者のユート様ですねこれで完了です、それとランブルド王国冒険者ギルドのメイアより手紙が届いております。」

ん?メイラさんから手紙、ああガルムに帰らなかったからこっちに報告が来たのか。手紙を受け取りエルフ国の情報を聞いてみた

「ありがとうございます、それと教えて欲しいのですが大森林のエルフの国へはこの国の出国証は要りますか?」

「エルフ国への入国ですか出国証は要りません、ですが道中Cランクでは厳しい強い魔獣や魔物が出ます護衛をやとった方がいいですよ」

「そうですか、考えておきます。」

ギルドを後にした私たちは広場の屋台で昼食を買ってベンチで食べる。食後ソフィアは目ざとくシュウテラの屋台を見つけて買っていた、少し貰ったが、まんまカステラだった。昔お菓子作りの上手い転生者でもいたのかも。

「ガルムの氾濫した魔獣とどっちが強いだろう?」

「ああ!魔獣の強さは同じくらいだ、だけど魔物の中のキラマンティスはワイバーンなみに強いしアイアンアントの奴は固いし群れで来るからやっかいだ、でも俺達なら問題ないと思うぜ」

「そうか、ならこのまま行くか、あまり夜営を見られたくないからな」

「ん、全部返り討ち」

まあ、ソフィアとラスクに任しとけば大丈夫かな

「おう!任せとけ、でもキャンピグカーは使えないからな」

「ああ、小型のゴーレムポニーに乗っていこう、どれ位の距離か解るかい?」

「うーん、徒歩で五日位だからな、ポニーなら三日ってとこかな!」

商店街で食料品を買い込み、今日は宿に泊まることにした、宿をとって部屋で手紙を読むととんでもない事が書いてあった。

「ん?!どうした優斗浮かない顔して」

「ああ、手紙を読んでいたのだけど、男爵じゃなくて子爵にして領地をくれるらしい、なにか物凄い勘違いしてるみたいだ。」

「おお!ついに優斗も正式な領地もちの貴族か意外に早かったな」

「ん、子爵婦人」

ラスクとソフィアがからかってくる、うん放っとこう暫く王都には近寄らない事にしてエルフの国で修行しようかな、ソフィアの使い魔召喚を手伝えるようにならなくちゃ。


翌日、シュウメイラ聖光国を出て大森林にむかった魔獣が強いため途中に村はなく昼に一度休憩しただけで8時間走り続けキャンピングカーで大森林までやってきた、じゃまする先行車もなく時速3,40Kmで走ったから計算で約300Km位か結構遠かったな車をしまって、今日はここで夜営にしよう。

次の朝、いざと言う時には戦闘できるようにステンレスでポニーを練成するこのサイズなら夕方位まで操作できるだろうし子供二人なら余裕で乗れる、ポニーの頭の上にリベルを置き前からラスク、ソフィア、私の順番で座る、旋風には並走してもらいながら森を進む。

「ラスク、ソフィア」

「おう!」「ん」

グリンフォレスだキツネ型の魔獣で物凄く素早い、だけど旋風には敵わないようで瞬殺されていた。

「むぅ、次はソフィアの番」

「いや!早い者勝ちだぜ」

うん、どっちでもいいから確実に仕留めてね、その後ことごとくラベルに獲物を獲られたソフィアがリベルを操り先行させてようやく何匹か狩っていた。あたりが暗くなってきたので今日はここまでにする。街道とは違うのでかまくらのような建物を練成してその中で夜営だ。

森に入って二日目魔獣が強くなってきたバーサクベアや灰色狼の群れとも遭遇したが二人が殲滅してくれた。暫く進むとラスクが

「あいつだ!キラマンティスだ強敵だぞ」

「ん、殺る」

「私も手伝おうか?」

ラスクが強敵と言うくらいだ、強いのだろう

「いや!楽勝だソフィアには強敵ってことだ」

そんな話をしているとリベルがキラマンティスのかまで弾き飛ばされていた

「助けないと」

私があわてていると、どこかで見た光景が、突然キラマンティスの眼前に5メートル級の土ゴーレムがあらわれ、組んだ両手をキラマンティスの頭上に振り下ろし一撃で仕留めていた、クラーケンを引く時にも思ったけどパワーが桁違いのような気がする相変わらず魔力操作が上手いようだ、もう魔力量以外はずいぶん離されているように感じる今日このごろです。

「ん、もう魔力切れ残念、リベル取ってくる」

「おう!上出来だ後は俺と旋風に任せとけ」

そう言うとポニーを降りてリベルを取りに行った、私はキラマンティス解体しよう。でもこれ虫だしなぁ、何かに使えるのかな

「ラスク、これ何かに使えるのか?」

「ん?エメリオなら嬉々としてもって帰るけど、どうだろうな鎌の部分だけでいいんじゃないかな」

「そうだなそうしよう、今日はもうここで夜営しようか?」

「おう!ソフィアも魔力切れだし丁度良いかもな」

早速かまくらを作り夜営することにして今日は早めに寝ることにした。



翌朝目が覚めると外がうるさい、窓を開けて確認するとキラマンティスの死体にアイアンアントが群がっていた。

「あちゃー、しまったな昨日ちゃんと解体すれば良かった、どうも虫は苦手だから放っといたのがまずかったなぁ」

「あーあ!優斗の所為だからな、あいつら固いんだ」

外には拳大の蟻が行列を作っている

「ん、全部殺る?」

うーん、数が多いなそれに倒しても素材になるのかな

「ラスクあれは素材になるのかい」

「ああ!体表に鉄の成分が含まれているから練成で鉄がとれるな」

そうか、でも鉄はいらないな森のお掃除屋さんだしあれが巣まで続いているとなると相当数いるはずだ、うん、放っとこう。

「かまくらを盾にしてこっそり移動しよう、君達刺激しないように」

「えー!やらないのか」「ぶーぶー」

あなた達はどこぞの戦闘民族ですか

「反対意見は却下です、さあ行くよ」

蟻のいる方と反対に扉を作りゆっくりとその場を離れる。途中でポニーを出し無事に脱出した。

順調に森を進んでいると急に視界が開けた、目の前には琵琶湖の10倍ぐらいありそうな湖が最初海かと思ったがラスクが湖だと教えてくれた、その中央あたりに大きな島がある、湖の周囲をポニーで移動していると桟橋が見えてきた。桟橋の脇の建物に入ると長身の金髪エルフの美男子さんが声をかけてきた。

「この森は子供だけでは危ないよ護衛の大人はどこだい?」

「こんにちは、私は優斗といいます私にはエルフの血が流れていて成長が遅いみたいですこれでも30才です。」

「こんにちは僕は舟番のトルシェだよ、そうかそれはめずらしいね、でもエルフの30才は人族の12才くらいだからまだまだ子供だよ」

「そうですかいままで人族の世界で生活していたので、気にしてなかったな」

「そう、よく無事にたどり着いたね、歓迎するよ今舟を呼ぶね」

そう言うと小屋の外に出て地面に立てられた筒に手をそえる、すると筒から光の玉がとびだし空で花火みたいに輝いた、すると島のほうからもおなじ光が見えた。

「これで、大丈夫だ直に舟がくるよ」

「ありがとうございます、エルフの国は何人位の人が住んでいますか」

「そうだね、いまは5000人くらいだね、エルフは子供が出来にくいんだ」

やはりそうか、あの島の規模で5000人は少ないな。

「この子はソフィアです、人族とエルフの子で今回この子の親族を探しにきました。」

「ん、ソフィア、お母さんがエルフでシルフィリア、お父さんは人族でガクトといいます。」

「おお、シルの子かたしかに似ている」

「知ってますか?」

「ああ人口が少ないし寿命が長いからみんな顔見知りだよ」

よかったここまで来た甲斐があった

「シルのお母さんもお父さんも元気だよ、向こうでマルシェに案内させるよ僕の妹で向こうの舟番をしている、もう直ぐ舟で来るよ。」

すぐに舟がきた、たまに行商人が来るだけでお客は珍しいみたいだ舟を降りたマルシェさんがトルシェさんに事情を聞いている、それにしてもエルフさんには美男美女しか居ないみたいだ。

「あなたがシルの子、うわー可愛いお人形みたい」

そう言うといきなりソフィアに抱きついてきた、美人がやるとなんでも絵になる。

「ん、ソフィアもうすぐ6才」

「わーかわいいー」

「マルシェ、遊んでないで舟を出しなさい」

「はーい」

なんだか、とてもフレンドリーなエルフさんだな、まあ今までエルフさんは二人しか逢ったことないからね。

マルシェさんに舟で運んでもらい対岸に着いた、早速案内してくれるみたいだ

「いいんですか桟橋留守にして」

「ああ、大丈夫よこちら側は一人じゃないからそれにあの光球で何人来たかわかるの、余程じゃなければ全部の舟が出ることはないわ」

そうかあの光の形で人数までわかるのか、あれはエルフの錬金術師の作品だそうだ後で紹介してもらおう。

マルシェさんの馬車にのせてもらいエルフの町に入った道路は綺麗に石畳が敷き詰めてあり広さも十分に取ってある家と家の間も開いており火事が起きても安心設計だ

マルシェさんの馬車に揺られること30分、素朴であたたかな雰囲気の木の家に着いた。

「シメリアさんいるー」

マルシェさんが扉をノックすると中から20代後半ぐらいの美人さんが出てきた。

「マルシェどうしたの」

「うん、用事は私じゃないの」

すると私の横でシメリアさんを見ていたソフィアがみるみる目に涙をためながらシメリアさんに抱きついた。

「お゛か゛あ゛さ゛―――――ん゛」

大粒の涙を流しながらシメリアさんのひざに抱きついて嗚咽している、やはり余程寂しかったのだろう、今まで我慢していた涙が一気に出てきた。

泣き止まないソフィアに変わりシメリアさんに説明した。

「その子はガルムの町で生まれたシルフィリアさんの娘でソフィアです一年前に両親を病でなくし親族を探してここまで来ました」

「な、シルが死んだ、娘それは、は、似てるシルの小さいころにそっくりね、そうあの子はもういないのね、でもソフィアを遺してくれたのね」

そう言うとソフィアをそっと抱きしめた、しばらく抱き合っていたらソフィアが泣き疲れたのかシメリアさんの胸で寝ていた、ソフィアをやさしく抱き上げたシメリアさんが家へと案内してくれた。

「ソフィアを連れてきていただいてありがとうございます。私が娘と似ているからあの子は母親を思い出してしまったのね、あの子が起きるまであなたの話を聞かせて」

そう言われてソフィアとの出会いから今までの事をシメリアさんに聞かせた、シメリアさんの横でマルシェがおいおい泣いていた

「う゛う゛っだっでがわいぞうなんだぼん」

ぐずぐずだったのでハンカチを渡しておいた

「しかたないわね、マルシェはまだ子供だから」

シメリアさんがマルシェの顔を拭いてあげていた

「ところで話しに出ていたラスク先生って、使い魔は片言しか話せ無いんじゃ?」

いままで気を利かせて黙っていたラスクが答える

「おう!俺がソフィアに勉強教えてるラスクだねずみじゃなくてハムスターだ、優斗が優秀だからな問題なく喋れるぜ」

ラスクが定位置の右肩から挨拶をした、私の肩の上に後ろ足で立ち上がりドヤ顔をしている。

「はっ、すごい」

「え?使い魔よね」

そんな話をしていると誰かがきた

「ただいまー、ん?マルシェ、それにお客さんかい?」

「おかえりなさいあなた、こちらユートさんと使い魔のラスクさん、それとこの子がシルの娘のソフィアよ」

「は!?シルの娘ではシルは帰ってきたのか!」

「いいえ、シルはガルムで亡くなって・・・ユートさんがここまで連れてきてくれたの・・・」

そう言うとシメリアさんが旦那さんに抱きついて泣いている。

「な、シルが、そうか、そうか、シル・・・」

そう言って旦那さんが奥さんの背中をやさしく抱いていた


ソフィアのお爺さんフィードさんがソフィアの寝顔を覗きこんでいる、どう見てもお爺さんに見えない、ただの親子に見える。

「うん、目元がシルにそっくりだ、将来は美人さんになるぞ」

いやいやエルフはみんな美人さんでしょと、つっこみたくなったがグッと我慢した。

「ユートさん本当にありがとう、感謝しかない、なにかお礼をさせてくれ」

うーん別になにもいらないけどなぁ、あ、そうだ

「えーとそれじゃ、この地に住んでもいいですか?」

「ここに?それは一向に構わないよ、むしろこっちがお願いするよ。それ以外に無いかい?」

「はい、馬車で住むので土地と、屋台での商売の許可をお願いします」

「馬車で住む?恩人にそんな事はさせないこの家に住めばいい子供二人ぐらいなんでもない、商売の許可は長老に貰えば直ぐだ、落ち着いたら貰いに行こう」

それは甘えすぎです、いやいやそんなことはない、など押し問答をしていたらソフィアが起きてきた

「ん、ユート、ラスクおはよ、ん?ここは?」

そう言ってシメリアさんと目が合うと思い出したようで

「ん?おかあさん?」

「ソフィアちゃんおはよう、私はお母さんのお母さんあなたのお婆ちゃんよ」

「そして私がソフィアのお爺ちゃんだよ」

「はっ、おばあちゃん、おじいちゃん始めましてソフィアですもう直ぐ6才です」

ソフィアが長文でしっかりとあいさつをした、ラスクも偶にはしっかり教育しているようだ。

「あらあらラスクさんは優秀な先生ねこんなにしっかりあいさつ出来るなんて」

「おお!まかせとけ」

「ん、ラスク先生優秀」

ラスク調子が乗ってる、それにソフィア短文に戻ってるよ。


結局ここに住むことになった、ソフィアを置いて出て行くと言ったら泣き出してしまい仕方なくお世話になる事にした。ソフィアはと言うとシメリアさんから片時も離れようとせずニコニコとお手伝いをしているラスクと出会った時みたいだなと懐かしく思い出していた。今日でエルフの村に着いて三日、そろそろ長老に挨拶してついでに商売の許可を貰おうとフィードさんに連れられて長老の家に向かっている、ソフィアの手を引くフィードさんがなんだか嬉しそうだ。家に着き案内された先に長い髭を生やしたやさしそうなお爺さんがいた、うん本物のお爺さんだフィードさんはどう見ても若いパパさんだ。

「長老、お久しぶりです、今日は新しい家族を連れてきましたこの二人です」

「おお、久しぶりに幼子を見たわい、シルフィリアの子らか」

「このソフィアはシルと人族のガクトの子で5才、こちらのユートは人族のエメリオの子で母親はエルフらしいが会ったことがないらしい、エルフの血が流れている為か成長が遅いようで30才だ」

「ほお、人族との子は何百年ぶりじゃそれが二人も、それに二人とも錬金術が使えるようじゃ 体の中で魔力を操っているな、その年でそのレベルやはり人族との間に産まれる子らは規格外じゃな」

ん?いつもの癖で魔力循環の訓練を無意識にやっていたら見抜かれてしまった

「不思議な顔せんでもええ、わしの目は識別眼じゃその使い魔と同じじゃ」

「おお!やっぱりそうかそんな気がしたんだ」

「な!?喋ったおぬし本当に使い魔か」

長年生きている長老でもラスクは珍しいのか、エメリオのウルスも流暢に話していたとガルムのサクヤさんが言っていたからそんなに珍しくないと思っていた。

「人族の優斗です」「ん、ソフィア5才」

「シルフィリアがガルムの町で亡くなった、この二人には両親がいない二人を家の子として育てる、それとユートは人族の町で薬を売って生活していたそうだ、ここでの屋台の許可を貰いたい」

「ああ、まだ二人とも子供じゃそうするとええ、屋台は広場に出すとええじゃろ、ソフィアは五才じゃから来年から学校にいかんとな」

「いや!ソフィアは俺の教え子だ先生はいらないぜ」

「ん、ラスク先生凄い」

「ふむ、だが学校には行きなさい友達も出来るじゃろうて人族の高等学校と同じで20才までの子が通っとる、それじゃ何か有ったらまた来なさい」


エルフの国に着いて数日、屋台も順調になってきた、やはり風邪薬や頭痛薬それに劣化ポーションがよく売れる、基本草履の人が多いからか水虫の薬は余り売れない。人族の商人が来ることもあり通貨は同じだった。この国は周囲が湖でかこまれており強い魔獣はいない為、酪農や農業それに漁業が盛んでほぼ自給出来ている、塩も大森林に岩塩の洞窟があるし砂糖は甜菜に似た植物を育てている、香辛料は商人に頼っている為、値段が高く貴重品だ。

この世界に転生して丁度一年になる転生日を誕生日とすれば今日で私も31才だ。この島ならスローライフの未来図が見えてきた。



終わり。




駄文にお付き合いいただきありがとうございました。

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