神様に届いてる
神とは何か。
神様は、願いと祈りを聞く存在であり、その願いを叶える力を持つ。
じゃあ、具体的に、神様は何をしているんですか?
「電波を受信すること、それが神たる私の仕事!」
はぁ、そうですか。一応質問したのは俺だ。
答えは聞いた。どうだ満足したか。
「お願いですから、ここは街中、騒がないで下さい」
俺は、彼女の首根っこを捕まえた。
はい、退場~~~~~~。
ーーーずるずる、ずるずる。
「えへへへ、久しぶりに大声出したので、すっきりしました~~~~~」
「そうか、俺はストレスで胃に穴が開きそうだ」
「お目付役は大変ですねぇー」
「おかげさまで」
「感謝!です!」
「おい、アホ毛」
「何ですか〜〜先輩!」
「毟るぞ」
先輩呼びも、やめないし。
「きゃー!ご無体なぁ~~~~」
彼女のアホ毛を人質にする。いや、髪質?神質?
俺、今スゲー上手い事考えたわ。
「むむん?」
もう彼女とパートナーを組んでから数ヶ月が過ぎていた。
俺は疲れた。
はぁ、と。疲労がため息として体外に出て行く。
・・・・静かだ。
嫌な予感がする。あれだけうるさい神様が。
彼女は目を閉じる。そして、すぐに目を開けるとすぐに叫んだ。
わざわざ。耳元で!
「行きますよっ!!」
ユメミの暴走が始まった。
「ちょっと、待て!」
感じる、らしい。何かをユメミは感じている。
それを、ユメミは辿る。
「だから、少し、待てって言ってんのに・・・」
彼女は普段、街中を彷徨き、人の願いを叶えていく。
それが俺たちの仕事だ。
俺の仕事は、ユメミのフォローだ。
最初から現人神だった場合は大変らしいが、彼女はそういうこともなく非常に常識的な対応をしてくれる。
だが、この。
最初の暴走だけは、止められないらしい。