エピローグ
エピローグにぶっこみ(笑)。
初音は川田家の玄関土間を進むと、中へあがると、ふと佇んでしまう。
(どうしたものか)
桜に一声かけようか、そんな気が起こりふらりやってきたのだが、彼女は急に躊躇したのだった。
(会わずに去るのも、またよろし)
初音はくるり振り返る。
すると、すっと襖が開いた。
桜がすすっとやってきて、正座をして頭をさげる。
「初音、姉ちゃん、ありがとう」
(気づいていたの)
「当然よ。私の大好きな初音姉ちゃんだもん分かるわよ」
桜が満面の笑みを浮かべる。
初音は破顔する。
(桜・・・よかったね)
「うん、まあ」
はにかむ老女。
「ふふふ」
(ははは)
2人は何気に笑いあった。
初音は笑顔をおさめると、
(じゃ、無事解決したし、そろそろおいとましますか)
「姉ちゃん」
(ん)
「また会えるよね」
(そりゃあ・・・な、じゃが、まだまだこっちに来るのは早いよ)
「うん。しっかり生きるよ」
(ん、またの)
「ん、また」
(そうじゃった。お前さんの旦那さんからの言づけじゃ・・・ワシ一郎の活躍する「こちら舟屋暁屋~今日も川下り日和~」は絶賛投稿中だて)
いきなり爆弾発言をする伝説イタコ。
「それって・・・作者」
(みなまで言うまい)
初音は苦笑いを浮かべると、片手をあげて桜の前から消えた。
「台無し・・・なんだかな〜」
こちらも苦笑いの桜だった。
外は朧月夜の満月。
川に掘割の流れは絶えず、緩やかに時に激しく、清濁合わせ飲む。
生あたたかい風が吹き、新緑の芽がではじめた柳の枝をしなやかに揺らす。
両岸のソメイヨシノの桜吹雪が舞い、無人のどんこ舟の床板に花びらが積もっていく。
水郷柳川の情景ここにあり。
完結まで読んでいただき、ありがとうございます。