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『剣と魔法と光線銃って!?』  作者: Ark-Royal(Aircraft carrier)
『プロローグ・ダライバル宇宙軍編』
9/35

『ようこそ。我が美しさドマーニ国へ』――その9――



さてさて。大変長らくお待たせしました。



前回の続きである今回は。2人の眼前に差し迫る魔物。この惑星アムールに生息する巨大翼龍。

その巨大生物に睨まれ身動きがとれない中。

更にシャルンホルストから決死の脱出劇を演じます。


そんな訳でっ。



『剣と魔法と光線銃って!?』プロローグ編最終章。


始まり始まりっ。

 



 朽ち果てた山小屋。そこに雑魚寝をする数名の男女の姿が見える。

 何処からともなく冷たい夜風が流れ。そして今現在自分の懐で微かに鼾をたてる少女の黒髪が揺れる。



 目線をその少女から放す。そして1人の青年は山小屋から除く煌めく星空を眺める――。



「(そうだよな。ラスラ――俺達。昨日まではあの星空の。そして遥か――彼方に――居た……。)」



 口内でポツリ…。と一言漏らし…。再びそっと両瞼を閉じて行った――。




―――――――



――――



――






  ▽▲



――あの時。






 ――1人の青年は己の運命(さだめ)を呪った…。

 そして青年は自身の選択による未知の物語に一歩踏み出す。その選択が正しいのか。未だ知る由もない。 ――1人の異形の少女も又。彼と出会い共に歩まなければ。幸福でもなければ不幸でもない人生を歩んでいたのだろう…。



 赤城康介19歳。そして彼の運命(さだめ)と共に生きる事になる少女。

 ラスラ・インフラント19歳。2人はこの惑星アムールにてどのような結末を辿るのか…。




   ▲▽




「なっ!?そんなっ。おいっ!なんだよこいつは。」


「ってコラッ康介っ。いいから僕の言う事を聞けっ!とにかく落ち着け。冷静になりなさいっ!!」


 重量約数十トンにもなる質量の未知のナニカ。ヌルリとした深緑色の鱗が周りに立ち込める炎にキラキラと反射する。



 康介は。かの対惑星制圧用機動兵器。全長14メートルの二足歩行型人型兵器。AGX-05。通称バトルアーム(鋼鉄の腕を意味する)  そんな機動兵器が我がダライバル連合に存在し。

 そしてその意味する事も頭では理解していた。


 その意味する物こそこのような事態。即ち――。



 未知の惑星での『未確認巨大生物』の除去が目的に開発された事なのだ!



 ズシリと重い筋肉の塊でもある巨大生物は遥か頭上から康介とラスラを見つめる。



「くっ。(だから言わんこっちゃないっ!)」



 多分。このまま迂闊に行動。即ち少しでも動きまわれば遥か頭上から見下ろす化け物の餌食であろう。



 巨大な翼を折り畳みながら再びズシリと重い身体を動かす。

 そして奴が佇む真横。即ち遥か上方の格納庫デッキでの踊り場付近。

 そこの手摺りにしがみ付く篠崎が居る付近の露骨な鉄骨が砕け。紙屑か玩具のように吹き飛び落下する。


「しっ!?しのざきぃぃっ!」



 康介は。その自分が居る遥か上方。そこでじっと身を潜める親友に必死に呼び掛ける。



 当然。巨大翼龍はそんな康介の叫びに反応。長い首を此方側に向ける。そして獰猛な巨大な大口を開きガチャガチャと硬い鱗同士が嫌な音を響かせ干渉する。


「――!!」



「ちっ。康介っ!僕達も早くっ。奴は此方に火炎を吐くつもりよっ!」



 ラスラはその様子を辞任するも必死に回避するために頭を働かせる。目の前にある自らの戦闘機が装甲に挟まれている。

 その他にも両目を必死に泳がすも何処にも逃げ場は無いのである。

 正に万事休す。絶対絶命の危機に身構えるもどうしようもない。待つのは5〜6千度の灼熱の業火に周りの格納庫装甲と共に。一瞬でドロドロに溶かされ消滅するしかないのである!


「ら。ラスラ。俺達ははっ。もう全部おしまい…。」


 巨大な大口のその奥側。そこから周りを瞼ゆく照らしながら巨大な火炎が渦を巻く様を肉眼でも辞任する。



「こんな所でっ!康介っ。ごめんっ!行くよっ。」



「――えっ?」



 そんな矢先。ラスラは突如特徴のある純色の大きな両瞳を細める。肺いっぱいに新鮮な酸素を吸う。

 そして。再び痛めた左膝に鞭を打つように康介を抱える。

 一気に力を貯め込む。そしてダンッ!と勢い良く床の格納庫装甲を蹴り揚げ捲れ上がらせる。



 瞬間的な瞬発でメキリ…。と痛めた左膝が悲鳴を挙げる。その痛みに表情が歪むもラスラは止まらない。


 ――生きる為に…。



 ――この地獄から2人で生き残る為に駆け抜ける。


 じんわりと左膝が再び緑色に染まる。激痛が走る!


 その数秒間の選択が正しかったのか。康介はラスラに再び抱かれながら。その目線の遥か先。

 その遥か後方でそんな2人を見送る親友の姿が映る。



 そっと手を伸ばせば届くかもしれない。ひょっとしたら別の方法で助けられたかも知れない。

 そんな彼の表情は――笑っていた。笑いながら何かしらを自分達に伝えていたんだと…。



「篠崎っ。又会おうぜっ。」


 康介はそんな篠崎に約束をしながら。奴の吐き出す業火に見えなくなるまで目線をそらさなかったのである。



 そして。康介は親友と共に過ごした掛け替えのないコクピットに身を沈める。


「ラスラっ。機体制御のマニュアル。分かかるか?」


「まったく。この僕を一体誰だと思ってんだよ!」


 カチャリ。と。独自の音を響かせ密閉式のキャノピーが閉じる。



 それと同時に康介は機体の火器管制等を自分の後方に腰を沈めるラスラに委ねる。



「うしっ。機体制御…よし、いい感じだ。これなら…行けるっ!!」



 コンソールから絶え間なく流れる様々な情報に目を泳がす。



 高鳴る振動。更に機体のD-603型ターボジェットエンジン2機が産声を挙げる。


「2500――3000――3500。よしっ!臨界点突破っ!今度はこっちの番だぜ。化け物さんよぅ。」



 バギン!と機体を挟み込む格納庫装甲が紙屑のように吹き飛ぶ。機体をそのまま中間形態に可変させる。


 目の前の視界に地響きを立て突進する巨大翼龍を機体のパワーまかせにねじ伏せる。


 巨大生物は意表をれたのか。

 その勢いで高質量の巨大な身体を吹き飛ばせる。

 そして遥か前方にある格納庫装甲の一部を砕き突き刺さるのだ。



「こいつでっ!篠崎の仇っ。食らえってんだぁぁぁぁぁぁっ!!」



 康介は機体の遥か前方に吹き飛ぶ巨大翼龍に狙いを定める。

 そして容赦無く貫通力抜群のパルスレーザーが両翼の付け根から放たれた!



 飛び散る肉片。無残な姿を晒し断末魔を挙げる巨大翼龍。しかし康介は操縦桿の引金を緩めない。



 そんな康介の右手にそっとそえるラスラ。



「もう終わりにしよ。康介。」



 ぐっと煮え切らない表情で唇を噛みしめながら康介は渋々と右手の力を緩める。



「それじゃ…。うん。行くよラスラ。」



 康介はそう呟くと機体をそのまま格納庫デッキから脱出をさせる。



 視界に映るシャルンホルスト。



 2人が見送る中。遂に核融合の暴走を初めたのか。その巨体は視界に広がる惑星アムールの大地に激突する間もなく。一瞬で亜高速領域に到達。



 僅かな光の粒子を残し。2人の視界から消滅した。



 そして。2人を載せたスピットファイアは視界に広がる白い石に囲まれた街。 商業都市スコンに降り立つのである。



 そして2人の新たな物語が――。 




 更に無理矢理だが。

次回へ続くっ。



とりあえずは何とか脱出に成功した2人。


そして命からがら着陸した商業都市アムールで待ち受ける者とはっ。


いよいよプロローグ編最終回。



次回もお楽しみにっ(笑)



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