『ようこそ我が美しきドマーニ国へ』プロローグ編最終回。
さてさて。
大変お待たせしました。略1ヶ月ぶりでの続きになります今回は。
あの地獄のような沈みゆくシャルンホルスト船内から脱出に成功した康介とラスラ。
遂にここ未知の惑星アムールでの物語は以外なメンバー達との出会いから始まる。はたして。
そんな訳で。
『剣と魔法と光線銃って!?』プロローグ最終回っ!始まり始まりっ。
「んっ〜…っ!」
後部座席からのオクターブ高い声と同時にぐっと長い両腕が自分の背後から伸びて来る。
「うおっ!?一体なに事かと思ったぜ。只でさえクソ狭いコクピット内なんだから。」
「別にいいでしょ?背伸び位。ほらっ康介もっ!気分転換になるぞっ。」
「――うん。」
後席から伸びた腕に首元を捕まれる。その細腕を掴みながら遥か先に広がる草原を青年は只見つめる。
多分自分達が馴れ親しんだ故郷。N-.705と記されたとあるコロニーでの景色と似てはいるも。
先程前までの非現実に未だ意識は朦朧と虚空をさ迷うのだ。
「康介…。とっとにかく無事に惑星に着陸したんだし。ほらっ。何処か軍の施設か何かを探してさぁ。その後シャルンホルストでの報告。僕達がこれからやる事はまだまだいっぱいあるんだからね!」
「ああ……。」
「まったくもぅ〜。ほらっ!シャキッとするっ。」
いくら身体を揺すってもまるで無反応な彼に痺れを切らし。後席に腰を下ろすラスラは再び目の前にあるコンソールパネルを開く。
「(んと…。大気温度は約28度。大気に含まれる成分は水分0.0012%。窒素0.0006%に二酸化炭素が――。)」
か細い指を滑らす。菫色の大きな瞳を泳がせながらここ。惑星アムールでの大気成分をたんたんと分析して行く。
無論そのような行為は惑星探索の基本であり。当然人体に有毒な素粒子やら成分が含まれているとも限らないのである。
そして。後席での彼女のそんな行為を無視するかのように。
康介は前席にある開閉スイッチを押し2人が座る機体の密閉式のキャノピーを開けてしまうのだ。
プシュゥ…。と独自の音源を最後に爽やかな風と大気の香りが2人の鼻を擽りだす。
「えっ!?きゃぁぁぁっ!ちちちょっと康介ぇっ。何て事すんのよっ!はっ。早くパイロット用酸素ボンベを回してっ!ほらっ。」
「まったく。ほらっラスラ。そんなじと目で睨むなよ…。大丈夫だからさぁ」
「だっ…大丈夫って。いいっ?このバカ康っ!おまえっ一体ダライバルで何から習ったのさっ!」
未知の惑星で分析無しでいきなり外気に触れる。
人体に有毒な物質があれば即ち即死を招く。
そんな危険極まりない行為をサラリとしでかした彼に呆れ顔を向けながらも冷静に対象する彼女。
しかし康介は彼女に言われた事をそのままスルーする。
今現在中間形態のまま着地している機体の遥か下方から見上げる数名の男女に視線を向ける。
「――ео。οπκθδ?οκδπδκ?(あの。あなたは誰?天空人なの?)」
「よっ。何か色々と驚かせちまったようだな。悪いっ!俺達はその…-えと。ラスラっ!異星言"翻訳装置"を俺に回し?」
「って!?あだだだだっ!ひぃっ?だからやめっ」
「このぉっ!バカ康っ一辺ここから突き落としてやろうか。未知の惑星で好き放題するわ。現地の異星人とは勝手に接触するわぁぁっ!」
ハイパーセラミックの独自の輝きを見せる装甲越しに、鏡のように映り込む顔を不思議そうな眼差しで眺める少女。
遥か上方向からの声に反応し、サラリと腰まで伸ばした銀髪を揺らしながら自分を見下ろす青年に一言質問する。
しかし、その質問の答え所か。黒髪を揺らす女性に羽交い締めにされ2人して取っ組み合いを初めてしまうのだ。
そんな騒ぎ立てる様子が彼女に取って好印象なのか。シルビアと呼ばれる少女は康介とラスラにクスリと笑顔を促し。又一言告げるのだ。
「υεγκθψэяч。θγчκ!(我が美しきドマーニ国へようこそ!)」
と。
独自の民族衣装を羽織る彼女の背後から未だにポカーンと空いた口が塞がらない青年。
そして、機体の主翼下に記されたマーキング等を読み上げながらニンマリと。 何かしらを核心するかのような素振りで見上げる。 そしてダンと名乗る青年も又。『ダライバルか。何もかもなつかしいな』と――何かしらを覚ったのか。口内でポツリと呟いていた。
▲▽
所変わってここは康介達が着陸した地点の裏側にあたる白い壁に囲まれた商業都市スコン。
遥か天空から舞い降りた古の伝説。その伝説に記された救世主がここスコンの街に差し迫る強大な軍事国家『メリクリウス』の機動部隊を撃退したと。
正に今まで敗戦を余儀なくされていたドマーニ国での初めての勝利と突然現れた天空からの使者との事で、街全体がお祭り騒ぎのムードに包まれていた。
そんな街中の略中心地点まで伸びるメインストリート沿いにごった返する人々に混じり康介やラスラ達も訪れていたのである。
既に時刻的には夜のとばりに差し掛かっているのか。メインストリートを挟む路地沿いに所々設置された街灯らしき箇所に火を灯す見知らぬ老人。
その老人達を横目に正面に視線を送る。遥か先の空はうっすらとオレンジ色に染まり、その中を独自の看板に彩られた屋台が軒を連なえ遥か先まで続く。
一体どんな食材を焼いているのか。
康介はごったがえする人々の体臭に混じるむせ返るような煙りと肉の焼ける独自の匂いに鼻を抑え。ぐっとこらえている。
「康介…。大丈夫っ?」
「うぷっ!なんなんだよこの星の輩は しかもっ!?」
「おっと!気を付けろ兄ちゃん。」
「ああん?あんた。誰に向かって――。」
突如よそ見をしていた康介は通行人に肩が触れる。 当然とばっちりを受けるのは当たり前なのだが…あろう事に更にそんな輩に挑発する彼。
ヤハリ。コロニー育ちのお坊ちゃんなのか。こういう場での臨機応変な対応は疎かなのである。
「あ?…。見た事ない服だな下等民族か?」
「いやいや〜。ほんっとすんませんっへへっ。俺達ここに来るの初めてなんでさぁ〜。あのっお近づきの印にこれを。」
正に一触即発の事態に陥る所を前方を歩くダンはいち早く駆け付ける。
そして2人の間にねじ込むような形で媚を売るのである。
「けっ!まぁ今回は見逃してやるけどよ〜。今度あった時は容赦なくその場で叩き切るからな。」
ダンは自身の懐から取り出した数個のクリスタルを目の前に取り囲む輩に差し出す。
それ等をむしり取ると同時に小馬鹿にしたように鼻を鳴らしズカズカと康介達の前から去って行ったのである。
そんな様子のダンを怪訝そうな表情で見つめる康介。
「ったくよ!ここの街中って何時もこんなバカばっかなんか?」
「違う…。普段はこんなんじゃない。それもあなた方天空からの使者が来たから。様々な地方の人々が集まっているからだと思う。」
「しっ。シルビアさんっ!?さようすか…。なぁ。ダン隊長。あんた変わったな。この星に来てなにがあったんだ。それに無事なら無事って何で早く連絡入れなかったんすか。俺達はてっきりあの海戦で――。」
康介は右耳に引っかけているコンパクトサイズの翻訳装置を取り外し、本来ダライバル連合共通の英語でかつて共に過ごした教官に話し掛ける。
ダンは。あまり公にされたくない質問に渋い表情をしたまま黙り込む。
そう。彼も又この未知の惑星での漂流者でもあり多分はぐれた本体と合流する為に様々な事をしたのだろう。
「あっ。言えなかったら別にいいっすよ。でもみんな…。篠崎だって。特にロリやメグも、みんなしてあんたの事を。」
その一言を告げる前に2人の前方を歩くラスラに軽く餬疲れ康介は沈黙した。
そんな中。メインストリートを抜けながら康介を含む4人の男女はとある民家の前に立ち尽くす。
4人が見つめる先に待っていたであろうひょうろうとした外見の痩男は。
ククッと口元を引きつらせあまり好ましくない笑顔を溢す。
そんな様子の輩を康介とラスラは二人して首を傾げる中。目の前にゆっくりとした足取りで近づき口を開く。
「ほぅ〜?ふむふむ噂に聞いた事がありますが。まさかあなた方とは。」
「あのっ?僕達になにか?」
両腕を組みながら不機嫌そうな素振りのラスラに向かい深々とお辞儀をする輩。
そして。
「ようこそ我がドマーニへ。伝説の天空人さん。」
果たして、この輩は一体何者なのか。
そしてダンを含む数名の者達と康介達でのこの惑星アムールでの物語はゆっくりと回りだしたのだ。
更に無理やりだが
次回へ続く――。
〜雑談コーナー〜
康介「ええっと。ここのアホ作者とコラボして頂いている作者様方のまねで今回から始めるコーナーだぜっ!」
ラスラ「そうそうっ。そしてこのコーナーでの私達に色々と質問してくれたら――」
光雄「ありっ」キョロキョロ。
康介「えっ?」
ラスラ「なっ!?」
光雄「いやね?ちとここでかくまって貰いたいんだが。」
シルビア「ぼそ……うふっふふ。私の玩具…。もう放さない。」むぎゅっ!!
光雄「うひぃぃぃっ!?てめっ。んだからやめてぇぇぇぇ〜w」
シルビア「……。」ずるずるずるずる…。
▽▲
康介「……。」
ラスラ「ピンク…。」




