『静寂に咲くあの花のように――』――その11――
はいっ!
大変お待たせいたしました。前回に続きます今回は?
あの巨大遺跡内部にて、あるミッション遂行の為。移民船全体のシステムを再利用する目的でコントロールブリッチに侵入する康介とナッサウ。
しかし、そこには?
てな訳でっ?
マイ「こう"ご期待"なのですっ!(キリッ」
康介「あの…意味違うから。つーかあんた、まだ"居たの?」
マイ「む?」
「ふっ、かのパッシュ師をこの一連の騒ぎで確保が困難だと思ったが、康介。君はヘタレだとばかり思っていたが、あたしの誤算だったようだな」
「そりゃどうもっ…」
未だ、数十分前に行われた二機の戦闘機同士の空戦の余波が各場所で燻りセラミック装甲がまるで溶かした飴のように重なり合う。
ナッサウと呼ばれる小柄な少女は、破壊の余波で吹き飛ばされたであろう巨大遺跡のブリッジ。
即ち既に跡形も無く蒸発したこの移民船自体をコントロールする中枢跡に位置する空洞を一望しては康介に一言謝罪する。
「闇雲に戦線を拡大した結界が、このような惨事になろうとはな」
大きな赤い瞳をに滑らせながら、異様な形状を晒し、足元に転がる”ナニカ”を眺めながら一呼吸置く。
無理もない、電子書籍にロードされたMAPを元にこの船のブリッジに向かう最中。突如、何者かに仕掛けられたであろう魔術的結界に踏み込み予期せぬ生物に襲われ対応が遅れる。
康介は、今まで対峙した事がらある経験を生かし、粗直感に身を預けながら腰元から光学製武装にもなるシューティングスターを引き抜く。
慣れた手つきで安全装置でのロックを解除際にその総てを間一髪で撃破する。
予想外の外敵の襲来で混乱するナッサウを転がりながら抱きかかえ守り。更に仕掛けられたであろう術者が持つ気配に向け更にもう一撃撃ち込み結界を破壊。
その一連の行為の中。ナッサウは、彼の懐で守られている状況に尚も思考的に混乱し突然自身に襲い掛かる異系の未確認生物のデータ照合が遅れる最中。
以外すぎる彼の対応の速さと、事実上は敵国である彼に身を任せた事自体が複雑に交差する。
何時の間にか赤らめた表情に嫌悪し、康介から振りほどくかのように懐から離れ、冷静を必死に取り戻そうと慌てふためくのだが。
「あ、あたしはっ!お前の行為には。とりあえずは礼をする、し、しかし」
「へいへい。ま、この手の原住生物の対応事態は俺が居た部隊での専門だし。"人殺し"――いや。戦争目的を専門にする兵士とは無関係なんだけど。それに俺は、本来はこんな星に漂流するつもりで来たんじゃ。くそっ!あんな上層部の連中がでっち上げた戦闘のせいで俺は!」
何故そのような事を彼女に打ち明けたのだろうか。煮え切らない表情を隠しぐっと未だに握る右手の力を無理矢理戻すように安全ロックを掛ける。
「そうか、お前は本当に"人を殺した"ことがないのだな――」と彼に対し一言を向けるナッサウの顔を背けるように、康介は光線銃を再び腰元にゆっくりと戻す。そしてこの星に自身が流れ着いた経緯を彼女に対して語りはじめる。
そう。彼、康介も又。ダライバル星間国家連合での無駄な作戦に望まない内に、アンゲロイ連邦がa星域の戦闘に、投入予定の恒星破壊兵器阻止の艦隊戦に捲き込まれる。総勢数万での両陣営が入り乱れる中ある切っ掛けに捲き込まれこの星に亜高速アウトの後。自らが乗る巡洋艦シャルンホルストは掛け替えのない仲間達と共に消滅。命からがら唯一の兄弟であるラスラと共にこのような不可解な未知の惑星に漂流してしまったのだから――
▽▲
「むっ!DNAデータを総合させるもまるっきし当てはまる物は皆無だな」
「ああ、多分だが、さっき感じた誰かの気配もそうだが何かしらでこの星のあらゆる生き物を飼い慣らし利用するバカがしかけたとしか」
先ほど前での原住生物との戦闘で何者かが落としていったであろう。ナッサウは、拳だい位の小さな魔具を見つけては"それ"を拾いながら康介に見せる。
事実上それ自体がどのような物資で構築された物かは、ナッサウがアンゲロイ連邦が誇る科学的な理論よりも。ある程度不可解な”魔導科学兵器での巨大翼竜との戦闘。更に、魔術師でもあるシルビアと出会い。培ったであろう康介の方が知識には一理はあるようだが。
「魔法的な道具だな。ナッサウは、今までこんな連中とドンパチした経験は?」
「む?経験か。この星に住む原住民はともかくとして、あたしはその魔法と言う物は」
「うん。多分俺が思うに、この先もこんな連中とのやりとりになると思うんだ、だから」
ある程度の予想は付いていたのか、懐から所有する所持品のチェックをするナッサウ。
パイロットスーツのあちこちをチェックしては彼に対し「通常兵器での対処はあたしが。そして不可解な奴等とはお前に任せる」と力強い笑みを浮かべては意味ありげな感じの彼女に康介は、口内にため息を吐き捨てるように彼女の後を追いかけていった。
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直径数十センチの高周波テクノバイトからなる液晶が、無機質の空間の略中央部に浮遊する。
感度の良い、緻密なナノマシンを高密度に収縮させた集合体から光明な光が、あたかもこの殺風景な空間をあざやかなオレンジに染め上げる。
黒光りをする中央部付近の装置から、無数に広がる配線の所々から液晶を伝い、幾つもの電子機器が未だに稼動する。
数百万年は経過しているであろう。巨大移民船の遺跡。
その遺跡内。奥深い個所で。かつて、この船の住人である主人をひっそりと待ちわびているのか。
無機質な空間の彼方此方に付着する赤黒い液晶を引き摺りながら、一人の民族衣装を羽織る人物は、左胸を抑え露骨な銃器を黒い机に降ろす。
真っ赤に染まる額を拭う事もせず、ドッカリと両手で液晶の真下を抑え。咳混じりな非道な笑みを浮かべる。
左胸に致命傷でもある銃弾の貫通後を手当てする所か、自らの銃撃を簡単に跳ね返したある輩を思い出したのか、ギチリと奥歯を鳴らしては表情を歪ませ黒光りする装置の壁に拳を叩き込む。
「くっそ!あの空を飛び回るダライバルやアンゲロイの蚊トンボも俺様に抵抗する下等な種族も、総てこいつで」
血反吐を流しながら、この遺跡に接近、そして侵入して来た輩に憎悪をぶつける。
自身の内ポケットから小さなチップを取り出しては、目の前に広がる装置の一部分に挿入。
「けへっ。へへへ、こんな辺鄙な星に巣食う物々しい野郎め。研究者である俺様を本気で怒らした事を後悔させてやる」
かつて、ダライバルで幾つもの恒星制圧兵器に携わって来た彼は、このような下賤な輩瓦斯う惑星に遭難。いつかは、この惑星アムールを自らの物にし、アンゲロイやダライバルと並ぶ星間国家をも支配する強大な組織を想像しては野望を抱く一人の男。
この辺境の惑星アムールを戦争から逃れ一体どのような希望を抱いて降り立ったのか。数万年の間新天地を求めて行った先住民達の帰りを待ちわびる巨大遺跡。
かつてのダライバルでのしいたげられ、その挙句の結果、この星に漂流し、途方に暮れていた自分達がたどり着いた先――この地に眠る遺跡に遭遇するまではこんな野望じみた事を思いつかなかった彼に一体何がそうさせたのか。
キヒリと苦い笑みを浮かべながら、ライアン・ジェード・ロウと呼ばれていた嘗てのダライバル連合士官は取り返し不可な80000rrt級の核融合炉に終焉の狼煙に火を放つ――
つづく――
さてさて、今回から意外な展開に突入する遺跡内での事態。侵入した康介達や、様々な人物達が。この長々と続いたエピソードでの章でのドハデな最終回へ向け、加速する予定なんすがねっ?
マイ「そうそう。巨大移民船と言えばマク●?」
康介「おいっw」
ナッサウ「むっ?」
康介「違うから、と、とにかく次回をおたのしみに?」←←




