『静寂に咲くあの花のように――』――その10――
はいっ!
又々数ヶ月ぶりに、たいへんおまたせしましたっ!
前回に続きます今回は?
巨大船舶の遺跡内部にある困難極まるミッションを遂行する為に、恭介は、本来は敵同士でもあるアンゲロイ連邦の生態アンドロイドことナッサウ達と共に移籍内に侵入する。
そしてっ!お互い属する組織は違う彼等は不思議な関係に?
てな訳でっ。
マイ「む?」キョロッ?
康介「おい、あんたは場違いだろw」
ナッサウ「……」←
北西上空と西南上空――二箇所から大気層を隔て、この世界を僅かに照らす月。
この惑星の周辺を直径数百万ヤードの小さな衛星が一定の周期で回る。
元々このアムールと名付けられた惑星の重力圏に捕まった隕石なのか。
それとも、かつてこの星に飛来したとされる先住民達が、ある鉱物資源確保の為に外宇宙から取り寄せたアステロイドなのか。
今はそれを知るのは、ただこの地に語り継がれる伝説の一部をそっと除くしか手掛かりは…――
▲▽
――ほんの数分前にて行われたアンゲロイ製真紅の機体とスピットファイアでの激しい空戦から、まるで嘘のように再び静けさを取り戻す巨大移民船の遺跡内部に張り巡らされた迷路のような通路。
カツンと、硬いリノリウムを叩くように冷んやりとした大気に響く数名の足音が近づく。
天井付近に吊るされた小さな電球にぼんやりと照らされながらユラリと揺れる二人のシルエットが浮かぶ。
「それにしても、何でわざわざこのような無駄な装置を貼り付けるのだ?」
「いや、あのっ、多分これ、装置以前の只の電球っつー奴っすよ」
外界での一連の出来事から、民間人。及びある人物の探索。そして確保での目的を遂行するべくエルザスとジェイは、最も倒壊し、複雑に入り組んだ遺跡の南側から。
同時に一番覚束ない康介は、エルザスの頼れるサポート役のマイ型生態アンドロイドであるナッサウの護衛を付け、遺跡の北側から侵入。
この遺跡内施設に設置されているであろう巨大移民船の艦橋を占拠という目的で、お互いに蟠りはあるものの共に協力し合う事になる。
▼△
「それにしても――確かにこの遺跡を根城にする輩の仕業っすね」
康介は、遺跡内部に突入してからのある物を眺めては疑問的に首をかしげる。
明らかに後から手を加えたのは明白な直径数センチにも満たないコードがこじんまりとした通路伝いに設置されている。
本来機能する筈であるこの通路を照らす役目である天井全体を覆う電光版らしき装置は全く機能されていないであろう。
「あのっ、俺的に思うんすがこんな場所を調べても、囚われた人達が幽閉されてる部屋の手掛かりにもならないっすよ……あの、聞いてま?」
「おい、素人。索敵用端末」
「あ、はい」
無機質な通路を取り囲む壁を見上げながら突貫で後付けしたであろう箇所に特徴のある赤い大きな瞳を滑らす。
赤外線か何かを読み取れるのか、天井に吊るされたレトロチックな電球を器用に片手で抑えながら軽い手付きで取り外す。
このような行為を繰り返しながら、全くもって動こうとしないナッサウの後ろ姿を怪訝そうに眺めながら口内でぶつくさと文句を吐き捨てる康介。
「ったく、だから俺はこいつと組むのは…」
「ふ…この辺当たりならば最適か、おい、素人。意見があるのなら後で好きなだけ聞いてやる。む。どうした?索敵用端末を早くしろ!」
「す、すみませんナッサウさん」
一体どっちが年下なのか、見た目は身長160にも満たない少女は少し癖っ毛のある青髪ショートを揺らし明らかに体格的にも年上然とした康介を睨みを聞かせながら黙らせる。
多分本来ならば彼が属するダライバルとは敵側の、しかも人の為に尽くす筈である只の人形アンドロイドにこうまでも上から発言的に命令されるのは、彼にとっても初めての経験でもあり。プライド的な何かが引っかかるのだが。
一旦考えた後に素直に従う彼。
その外見に関係無しに、凡ゆる実戦経験が満たない康介と彼女とは、実力面でも実際的に差があるのは明白なのは確かなのだから。
「すまないが、あたしの身体をこの位置で固定しろ」
「え?…でも、いや。しかし」
「む!…あたしの命令が理解出来なかったのか?ならもう一度言うが」
先ほどまでの意味のない思考を押し殺すように、康介は言われた通りに彼女のか細い腰を抑える。
アイボリーカラーのパイロットスーツごしから伝わる女性特有のやんわりとした感触と、掴んだ腰元から来る暖かな体温に、アンゲロイ連邦が開発したであろう人工的なサイバーテクに息を飲む。
まるで本当の一人の人間と接しているみたいな不思議な感覚に囚われる。
「あ、そうだっ、早くしないと」
その一言を口内で呟きながら、先ほど言われた索敵用端末を探すように彼女の小さな腰元に設置してあるラックを調べる。
そこから取り出した小さな赤いカードケースに描かれたエルフをモチーフにした紋章を眺める。
紛れもない自分とは敵国に当たる組織。
アンゲロイ連邦星間国家である象徴であるマーキング。
しかし、今はそんな彼女と二人で協力し合いながらある目的を遂行しようとする自分。
そんな再び襲うマイナス思考を押し殺すように取り出しながら彼女に手渡す。
それを受け取りながら軽く笑顔を零し、会釈するナッサウの表情を見上げる。
「やっぱ、今の俺は」
「む?…そうか、お前。あたしの口から言うのはなんだが、これが今のお前とあたしの現在突きつけられた現実だ。それを受け止めるも否も好きにするといい、しかし」
「ナッサウさん。わ、わかっていますよこれくらいっ!と、とにかく今は協力し合う他は選択種はないすから」
「ふふ…それがお前が考えた正しい答えだな、いい目をしている。これから先、もっと色々な経験を積むだろう。どうだ?いっそのことこの星を脱出する時にはお前も我が星間国家に」
「はいはい、冗談はそれ位にしてここの施設全体を調べるんでしょ?」
お互いに張り詰めていた蟠りが少し和らいだのか。ナッサウは可愛らしく笑みを零しながらもやれやれと、素人然とした康介の教育係りに小さくため息を吐く。
そして取り出した小さなカードケースを片手で開き、数枚のチップに目を通す。
先ほど電球を取り外した箇所にか細い指先をなぞり自身の耳元に設置してある装置に索敵用端末を挿入しては瞬間的に、遺跡内部に張り巡らせた配線図をダウンロードしては、脳内に施設内部の全体像を三次元に僅か数秒もたたぬ内に構築して行くのだ。
「おい、し?……いや、こ、康介と言ったな。すまないがあたしのラック内に」
「はいはい、わかっていますって。液晶端末はもう既に取り出しましたよ」
「むっ?」
ナッサウは、耳元に取り付けてある装置から用済みになるチップを取り外す。
同時に自身の下側から支える康介を庇うように突き飛ばし、お互いバランスを崩すように通路脇に転がる。
必死に両手に持った端末を抱えながらもつれる彼の肩を左手で掴み、腰元のラックからUG-160式拳銃を右手で持ち替え。安全ロックを親指で外す。
落下軌道から軸線に向かい三発分の薬莢が転がる。
「え?」
「すまなかったな」
その一言を促す前に、軸線上の遥か数百ヤードで、音速で接近するライフル弾と寸分狂わぬ銃弾と交渉し、連続して軽い波紋が炸裂する。
その僅か数秒も経たぬ内に通路の遥か先から鈍い呻き声と、数名の人影が倒れたのだろうか。
「うっわ?まさか、俺達を狙っていた盗賊か?」
「大丈夫だ、命までは取っていない。只この先銃を二度と使えなくしただけだ。大体の施設内見取図は把握済みだ、エルザス達は既に民間人を確保しているようだし、あたし達も出発しよう」
康介は、何事もなかったようにサラリと告げる彼女の先ほどでのギャップに戸惑いながらゆっくりとうなづいていた。
つづくっ!
はいっ。
とりあえず。前回にて述べました"視点切り替え"をやる予定が、何故かの主役こと。康介視点での話がかなり長引いてしまい、申し訳ないが、再び一つに絞り込む形になってしまいやしたっ(ーー;)←
まぁ、結果的には今回にて初めて絡ませる事になる敵国であるナッサウたんとのやり取りが実に新鮮みたいな…
えっと、まぁ、この展開で結果的に良かったかなぁと書いてて思ったんすがねっ?
康介「いや…ぜんぜん良くないからw…しかも何でよりにもよって俺があの――」
いや(ーー;)……
こやつはとりあえず"スル―"して?
次回は、あのシルビアの意外なチート無双が明らかに?
更にはエルザスやらジェイでのドハデな銃撃戦が?
お楽しみにっ!
康介「いや…多分次回で俺は"ナッサウ"センパイにw」←(ナニがあったっ!?




