『静寂に咲くあの花のように――』――その9――
さてさてっ!
又々役数ヶ月ぶりに大変お待たせしましたっ。
前回に続く今回は?
あの巨大移民船の遺跡上空で対峙する康介達スピットファィアとアンゲロイの深紅の機体による空戦の決着が意外な展開で終止符になります。はたしてこの奇妙な戦いの結末は?
そんな訳でっ!
ナッサウ「む?なんだ?小僧。あたしの顔がどうした?」
圭次「いや、ボクの知り合いにそっくりだなぁとww」
マイ「むっ!」←(しりあい?
――人と謳われる一種族が自らの労力や私欲の為、この世界の創造主でもある神を愚弄するかのように、自らの姿形を真似た第三種的な産物。マイ型から始まる"生態アンドロイド"を開発に成功してから数世紀半、アンゲロイ連邦国内だけでも数百億は稼働している。
そんな第三種による人類にとって新たな脅威になるとも知らず――忠実な下部としてでは無く創造主たる人の力を超えた者達が新たに人を支配する。
避けようもない最悪のシナリオを未だ知るよしもなく人は――自ら描いた一筋の危険な綱を渡る。
▽▲
個人まりとした密閉された空間に一定周期に流れる電子音。
一部分での索敵用の機器からなのか……
それと呼応するかのように流れる微弱な音源を拾い集めるように外部からの自身の位置を瞬時に読み上げる。
「コース修正。座標誤差Y軸68度。X軸プラス43度に固定」
メット越しに映り込むコンマ単位で流れる情報。
その僅かな一部分を大きな紅い量瞳を泳がし、電子的な信号を瞬時に読み上げては人が持ち要る感性では到底不可能な音速域での強制着陸モードを機体のメイン端末にリンクさせる。
それ等の確実尚且つ正確な指示を操縦席側のメイン端末に設置されたサブモニターにダウンロードする。
『ヤハリ予想どうりの最悪な展開だはにゃぁ!?』
「ええ、多分この騒ぎに乗じ奴等は対象物の移動か若しくは消去を実行するでしょう」
「それに…予測外での民間人の確保が最優先になると」
『まっ、どっちにしろ面倒なミッションを熟す時間の手間が省けた事になる。対象物の確保と保護…それにあの厄介にボク達に絡むダライバルの坊や達。うむ。”ナッサウちゃん”の技量を信じてるにゃ!』
「む//…あたしはそこまでのスーパーウェポンじゃ!…ち、ちゃかさないで下さいますかっ」
意図的に仕掛けられた機体のメイン端末では索敵が困難過ぎる状況下にもかかわらず,追い打ちと言わんばかりに追尾するスピットファイアからのミサイル攻撃を晒されながらも。
サブモニターからの指示と自身の直感を頼りに左右のマニュピレーターを軽く倒す。
同時に真紅の装甲を僅かの誤差で掠める。複数からなるマイクロミサイルの軌道を赤い瞳を滑らし確実に捉え、巧みなジンキング軌道でギリギリ回避して行く。
「げっ!回避されたっ?」
『おい康介っ、やはりやっこさんの方が技量的に上だって!』
「んなろう!」
『唸ってる場合かよっ、右斜め四時方向っ?来るぞっ』
康介は持ち前の判断力を武器に足元のラダーをなぞるように踏み込む。同時にフライバイワイヤー伝いに補助翼に当たる風の感覚を身体で捉え、空戦フラップを豪快に倒しながら機首をループさせる。
彼の天性とも言える技量に応えるかのように、銀色の主翼が、まるで大空を突き抜ける鳳の如く音速域での”インメルマンターン”を行使。
地べたに這いつくばるようにキャノピー越しの景色は逆転。
『ぐうっ!シートに押さえ付けられる。こ、康介っ!意識が』
「ジェイっ。後少し耐えてくれ、7500…8000…8500……今だっ!振り切れぇぇぇえええ!」
内蔵事シートに持って行かれるようなGを力一杯ねじ伏せるように操縦桿を目一杯に傾ける。インメルマンからの強制的に機体を反転。
ギチリと無理矢理なマニューバで機体各所から嫌な軋み音を感じつつ、天空に機首をを向けてからのアフターバーナーを吹かし、スピットファイアは追尾するアンゲロイ製真紅の機体を振り切るハズではあるが。奴の予想外の策にギョッとする。
後方七時方からバレル軌道で螺旋を描き、追尾する真紅の機体が突如康介等二人の視界に映る。
とても普通の人間技では不可能な機動性に疑問を抱く思考も与えず火花をぶちまけてからの中間形態への可変を熟す。
失速を利用しての瞬時の取り回しに、康介等は戦慄する。
機体に搭乗するパイロットの身体にかかる音速域からの失速によるマニューバでのGはブラックアウトどころか下手すれば身体中の血液が総て脳内から消失!
あっという間に生命すらも危ういレベルにまで達するのは誰が見ても明白なのだから。
「ちょっ!?マジかよっ狂ってやがるぜあいつ」
『狂ってるとはレディーに対して失礼ですね。仕方なしに此方の回線に割混ませて頂いた』
「うわっ!今度は」
『可愛い女パイロット?』
中間形態のまま康介の機体と激突する勢いで接触し、巨大なアームが軽い火花を散らしながら主翼付け根付近を掴む。
銀色の機体と真紅の機体を含む系数十トンにもなる質量が失速する速度を加速させるように地面に広がる巨大遺跡の一部分を軽く吹き飛ばす。
飛び散る遺跡のセラミック装甲が豪快に四散させながら更に膨大な砂埃を巻き上げ二機の機体が強制的に墜落。
数十Mにも渡る深い亀裂を走らせながら遺跡の各ブロックを繋ぐ巨大なフレームが紙屑の如く拉げ飛び、火花と共に炸裂が連続して起こる惨状と化して行った。
▽▲
「ってて……あのアンゲロイ野郎っ!まさかあんな動きで俺達に抱き着いてきやがって、なぁジェイっ。機体各所に異常は?」
『あんな高さからの激突なのに、すげーなこいつ、各部全く異常なしです。でも…』
「うわバカ?ジェイっ!早く際起動させろっ!あのアンゲロイ姉ちゃんがハッチ…に…ってぇぇ!?」
「二人ともチェックメイトだ。小僧にしては良くあたしの追尾から逃げ尾せた。だがハッチ開閉ロックを解除して戦闘とは、お前等バカか?下手したら外部に投げ出され即死は常識だぞ。ダライバルで何を教育受けた?」
「いや、あの…操縦はオレじゃなく。なぁ康介」
「えっ?俺に降るかぁ!?ええっと。スミマセンッ”以後気をつけますっ!」
「なっ?あたしは、本来はお前等ダライバルの敵側の人間だぞっ?もぅいい、頭が痛くなって来たわwこのど素人が」
ナッサウは、やれやれと両肩を落とし赤い両瞳を細める。
目の前であーでもないと二人して言い争いになる康介達にため息を零し、彼等に向けていた拳銃をスレンダーな腰元のラックにしまい、メットを外す。
先程までの緊迫した空気を無理矢理かき消された康介達に、青髪ショートをクシャリと右手で掴み、彼女の後方から真紅の機体から降りて来た彼に次の指示を仰ぐ。
「あのっ。俺達まだ死にたく…」
「うむ。同じ天空人同士仲良くしようよ。アンゲロイとダライバル、我ら敵同士~っつーのはあのお空の星々だけにしてくれないかにゃあ。先程の通信でまさかとは思ったが、こんな若い新平がよくもまぁあの"生態アンドロイド"のナッサウの技量に付いてこれたもんだな」
「は?はぁ…」
「って!?あ、あの彼女がアンドロイド?やっぱり」
事実上完全にアンゲロイの真紅の機体がスピットファイアを上方から取り押さえる。
遂にここ、巨大移民船の遺跡上空での空戦は、康介達の降伏にも似た敗北で呆気なく幕引きとなる。
そして、お互い違う組織に属する者達は次のミッションにもなる遺跡内での新たなステージえ以降するのだが。
つづくっ!
はいっ!まぁ今回はその他の場所での描写を除外しての康介達にのみ絞り書いた話なんすがねっ?思った以上にかなり単純かつ短い話になってもうたのはまあ……手抜きじゃないんすが←(え?
そんな訳で、次回での展開は、康介達筆頭にあの遺跡内で繰り広げる様々な者達の生き様が交差!激突と、かなり目まぐるしく行く予定ですねっ!
てな訳で、お楽しみにっ!




